2023年3月11日土曜日

ムックやレビューを読んで作品を見た気になりたがるオタクへ

 ロボットアニメ界隈では未だに言われることがある。

「スーパーロボット大戦から入った奴ほど登場作品について勘違いしていることが多い」

というもの。





これは特に90年代、ウィンキーソフトが製作していた時期のものからロボットアニメを見るようになった手合いに対して言われていたことでもあり、

この状況の背景は、現在ほど様々な方法で原典に触れられる機会のない90年代ならではの現象であったとおぼしい。

#その頃はLDBOXで出る作品も然程多く無かった上、VHSすら作品によっては傑作選形式のものしか無かったりする。

#また地方での再放送も、90年代は徐々に減っていった頃でもあった。


2000年代は70~80年代のテレビアニメ作品がBOX、バラ売りでのソフト化が相次いでいた頃で、

2010年代にはソフトのみならずネット配信という形も出てきており、気軽に観やすくなった事情もある。

し、そういう現代から過去を見た上で冒頭の発言が出て来るわけで。


ところで、特撮ヒーロー物というのはロボットアニメの状況と比べると気軽に観返せる状況というわけでもない。

東映がYoutubeで今なお続けているチャンネルと円谷のウルトラチャンネルくらいしかなく、

一応ネット配信やソフト化も十分あるのだが、何処まで行ってもその二社製作作品くらいしか目ぼしい物がない。

もっと言えば、ロボットアニメと違い特撮ヒーロー物のブームというのは70年代を最後に消滅していると言い切れるわけで。

#東映ヒーローブームというのは80年代以降数回あったのは事実だが、あくまで「東映の特撮ヒーローブーム」という脈絡である。 

#それは時に2000年代において「イケメンヒーローブーム」という名前にもなっていたのはオタクであれば覚えているはずなのだが。


で、本更新タイトルの話に戻るのだが、本シリーズの場合、どういうわけか

「実際の作品を観ていないと思われるオタクのから騒ぎ」

が、結構目立っていた。

これは「コンプリーション」登場前まで匿名掲示板やツイッターなどで時折話題が出ては能天気に

「超星神シリーズ復活希望」 「面白かった」

とかいう妄言が飛び出していたのを今でもウンザリするくらい思い出せる。

特に後者。


何をもって面白かった、と言ってるのかが判らん。

東映ヒーロー以外が出てきた状況を面白がっていただけか?

マイナーなヒーローが近年になっても出てきたことが面白かっただけか?

そのへんどうなんだお前ら。 何をもって面白いとか面白かった、とか言えるんだ。

#特にジャスティライザー面白かった、とかいう人間が居るのにはわが目を疑う。

#当時幼稚園児とかならまあそれはそれでアリか、とも言えるが・・・。


そして「コンプリーション」発刊後は。

そういうオタクのから騒ぎは一転して沈静化してしまっている。

これもこれで不可解である。

Amazonレビューでは「超全集みたいにエピソードガイドとかあると思ってた・・・マニア向けですね」

とか言うレビュアーが居てこれまた仰天したものである。

えっ・・・本シリーズのムック読む時点でファンでありマニアじゃないんですかね・・・。

そんな感想しか出ないあなたは一体何なんでしょうか。 

「ムックを読んで本編を見た気になるオタク」

というのは、実のところ大昔から結構な数居た。いや今も居るというべきか。

そのレビューも正直そういう手合いの一人、なのかと思い目の前が暗くなったものである。


大体。

ムックというのはあくまで作品の資料集の側面が強いのだが、それは本編を見ているファンや今なお好きだというマニアに向けた物のはず。

そもそもが「コンプリーション」及び前身の「パーフェクション」の時点でそういう造りなのは明白ではないか。

#まあ東映ヒーローの各種ムックが、読んで作品観た気になれるオタクにも向いているのが、こうした勘違いを生みやすいのだが・・・。

特撮界隈というのは元々供給作品数の少なさからオタクが生まれやすい素地はあったのだが、

2000年代以降東映や円谷が過去作品を逐一ソフト化して、いくらでも見られるようになってもなおこうしたオタクは後を絶たないのはどういうわけか。


結局マイナーな趣味ジャンルである特撮を知ってる私スゲーがしたいだけなのかな。

#ま、プロレスでも見てきたし、ヘヴィメタルにも居たし、マイナーなジャンルほどそういうのが巣食いやすいのは・・・。


でだ。悪いことは言わないからちゃんと本編一通り見りゃいいじゃん。

エピソードガイド見てから観たって単なる答え合わせにしかなりようがないし、それの何が面白いのかしらん。

学校のお勉強じゃあるまいし。


そして2000年代から発生している、個人サイトや匿名掲示板での感想・レビュー。

これ自体は別に悪いことではない。 そりゃ玉石混交なのは仕方ないし、それこそそれを読む受け手側のリテラシーの問題である。

が、ここも先述のムックの問題と同程度の問題が現れる。

「あのサイトの誰それがこう言っていた」

「あの匿名掲示板で誰かがああいっていた」

という言い草は、どんな作品のファンでもネット上で一再ならず見てきていることであろう。

自分も散々見てきた。 というか、拙blogそのものを引き合いに出したコメントすら見た。

その時は流石に眩暈がした。


頼むからちゃんと作品観て、その上で自分の意見を持ってくれよ。

オタクは情報と知識の蓄積自慢しか能がないのは痛感してるけど、あんまりだよこれ。

そしてから騒ぎしかできない。 単純なクセに数だけ多い。

勘弁してくれ。

ネット実況しながら観た程度の意見なんて意見じゃねえんだから。 

それは実況という行為が楽しいだけでしかないんだから。

ムックや個人サイト、匿名掲示板での情報を禄に消化せずに吐き出すんじゃないよ。

歩くデータベースにでもなりたいのかね。

そうして、オタクは今が幸福だとまばたきしながら「また」ほざくのか。

「これからも」そうするのか。