超星神シリーズコンプリーション。
これが出るという第一報を見たのは、2020年だと記憶している。
その後2回の予定変更を経て、ようやく発売されたのが2021年3月。
その間拙blogでも、内容の予想は幾つか立てたし、実際の本にはそのうち僅かな数が実現されていたのも覚えている。
そしてホビージャパン社という事もあってか、基本的にキャラ設定がどうの、ストーリーやドラマ面がどうのという、この手のムックで言えば
小学館の「超全集」でやりがちな方向ではなかったのは、個人的にはとても良かった。
どちらかと言えば往年の講談社「大全集」にテイストは近い。
特に企画の立ち上がりから終焉までを概観できる記事と、各スタッフインタビューという構成はかなり似通っていた。
#個人的にはこういう形のほうが、作品のファン向けのムックとしては正しいと考えている。
だが。
同時に「コンプリーション」には幾つか不満が残った。
既に地下に眠る川北紘一、大澤哲三のインタビューがないのは仕方ない。
だが、現在も映画を中心に活躍を続けている林民夫、セイザーXではその林に次ぐ、言ってみればダブルメインと言って良く、かつ文芸スタッフでは稲葉一広と同じく・・・と同時に数少ない、全作に登板していた河田秀二のインタビューが無い。
#逆に監督インタビューは、こちらも既に居ない池田敏春を除いては主要メンバーの声を拾ってるのに…。
歌手側も、グランセイザー以外の面々にもインタビューは取るべきだったし、もっと言えば劇伴担当の声も必要ではあった。
#EDはほとんどタイアップなのでこれは無視してもいいが、OPについては流石に1作のみというのは…。
なにより、商品化を手掛けたメインスポンサー・コナミ側の証言が一切ない。
全くないのだ。
あったとしても、グランセイザー記者会見時の当時の重役コメントくらいしか残っていない。
コナミについては本シリーズに関わることを決めたきっかけと、その前史と、
結局降板するに至ったその経緯までを知りたかった。
散々現場に振り回され、市場に困惑され、番組人気もイマイチなあの現実を、どう当事者たちは見ていて、どう手を打とうとしていたのか。
素人視点からの、玩具業界を俯瞰できるいい資料足りえたはずだったのだが…。
そして、企画の発足からセイザーXで終わることが決まるまでの経緯と、
本当に企画そのものが作られていた4作目に至るまでの掘り下げはもっと必要だった。
それこそ実際のページ数の倍くらいかけてでも。
本当に残念で、無念でならない。
これを出した当時のスタッフ達の苦労は偲ぶものもないでもない。
だが、あまりに掘り下げが足りない。
いずれ、自分が欲しかった上記の話が収録される、いわば
「これこそ超星神シリーズの定本と言っていい」
本の刊行を、それこそインタビュー集でもいいから、いずれ出していただきたいものである。
別に出版社やスタッフが変わってもいいし、むしろ変えた方がより掘り下げやすい土壌が出来上がる可能性も出てくる。
#スタッフは流石にもっと掘り下げが出来て、かつ本シリーズに注力できる人が望ましいのだが…。
正直な所、ここ数年はコンプリーションの物足りなさに不満すらあった。
この後講談社から出た隔週のムックも、最初から期待はしていなかったもののやっぱり情報と言う意味でも薄い。
欲しかった情報は殆どと言っていいくらい無かったのだから。
たかが20ページ程度で1作品を取り上げるのだから、まあしょうがないんだが…。
最低限、当時のコナミ側スタッフや林民夫・河田秀二インタビューが盛り込まれた本。
これが発刊されて、更に深く掘り下げた、シリーズ立ち上げから終焉までの企画の流れが判ればそれに越したことは無いし、今でも待ち望んでいる。
グランセイザー放送開始からほぼ20年程経ってコンプリーションがリリースされたのはいいが、これですら遅きに失した感はあった。
なぜなら発刊までの間に亡くなった人物がいる事実がある。 業界から足を洗った人間も。
そうこうしているうちに、当時関わったスタッフもこれから段々居なくなるだろう。
残されていく当時のスタッフですら、年老いて記憶があいまいになっていく恐れもある。
そう、もう時間は殆ど残されていないと見ても間違いないのだ。
幻想化されている超星神シリーズの、その幻想を打ち砕ける定本と言える本を自分一人だけでも待ち望む。
いつか、きっと出ることを祈っている。