2014年5月18日日曜日

ジャスティライザー・第五話

第五話「三人の勇者」

[敵幹部:ドクターゾラ]

監督:石井てるよし  脚本:上代務


<何が必要なのか>

冒頭。ドクターゾラは三人もジャスティライザーが居たことが予想外だったようだが
その三人を自らが始末して見せるとカイザーハデスへ告げ、消え去る。

神社の境内で訓練に励む翔太。前回のガントからの叱責が頭に引っかかっていたようで
やや苛立ちながら打ち込んでいたが、背後から来た源太郎を三度目の正直で撃退・・・
なのだが、今度はからかいではなくユカを案内しに来たようだ。
ガントに会おうと翔太に提案するも、その翔太はいまいち乗り気ではない様子。

京南大学。ここでは理緒と麻美が大学ラクロス部を見学に訪れていた。
その帰りに敷地内を歩く真也と遭遇。前回のボールの件で改めて礼を言うのだが
二人に対して「真田くんに、戦い方をもっと考えろと伝えてくれ」と言い残して立ち去る。
そして高校。ここで初めて翔太とユカの高校が「都立聖台高等学校」であることが判明する。
先ほどの言伝をユカに告げる麻美たちだが、言った人間が真也であることに疑問を感じ考え込むユカ。

翔太と再び会い、ガントは真也ではないか?と予想し
真也に会ってみようと再度提案するユカだが、翔太は相変わらず不機嫌そう。
それなら自分ひとりで行くといい、京南大学へ向かっていくユカであった。


<鉄の巌人・推参>

大学敷地内で真也を探すユカだが、その背後から突如ドクターゾラが襲い掛かってくる。
あわてて防御に移るもそのさなかにインローダーを落としてしまい装着できない状態に。
防戦一方のユカを見つけた翔太が装着しゾラへ斬りかかる。
続いて真也が現れ、ユカを後ろに退けた状態でインローダーを取り出し、装着。
彼はジャスティライザー・ガントだった。
2対1となり形勢不利を悟ったゾラは一時退却。

戦後、改めてユカが真也に話しかけるが
「自分たちに何が出来るのか、もっと考える必要があるな」とつぶやいて立ち去る真也。
それを聞いたユカは何かを思いつめているようだが。

一方星神島では、澪と麗華が天堂家の古文書を紐解いて
1話で現れたライゼロスの新聞記事と照らし合わせていた。
古文書に描かれている「幻星獣」の絵とライゼロスの写真が似ているということで、
澪は東京へ行く決心を固める。
怪獣が現れたことがカイザーハデスの復活を現すものなら、そこに三人の勇者もいるはずだ。
というものの麗華には何がなんだかわからない。
しかし澪は東京へ行く決意を固め、急ぎ準備に取り掛かるべく部屋を後にする。


<三人の勇者>

翔太とユカ、それぞれに真也の言う「自分たちに出来ること」を考えていた。
しかし二人とも明確な答えを出せるでもなく、ユカは特に悩んでいたようであった。
理緒たちに声をかけられたが、一人でどこかへ走り去っていくユカ。

京南大学では真也がザコール、そしてドクターゾラに襲い掛かられる。
ガントへ装着し、ついで現れた翔太、ユカもそれぞれ装着し
ここにジャスティライザーの三人が集結。
ゾラの攻撃はスピーディーなものではあるのだがいかんせん3対1では分が悪い。
そこで瞬間移動を多用してかく乱しながら戦うことに。

ガントに不意打ちを食らわせ若干流れを引き寄せたかに見えたが
カゲリのファントムクラッシュを浴びせられ、とどめにグレンのブレイジングフレイムによる縛は四散。
三人揃っての初戦闘は、敵幹部のゾラを倒すことで幕を下ろす。

戦後、ユカは真也に先ほどの問いかけの答えを自分なりに出したことを告げる。
自分たちが未熟なのはわかるけど、力をあわせることなら出来る。
それを聞いた翔太も、三人で力をあわせて戦えばなんとかなると言うのだが
特に反応もなく立ち去っていく真也。
またも険悪なムードになる翔太と、また考え込んでしまうユカ。

一方、澪と麗華は東京に到着したが、アテもなく飛び出したため
どう探せばいいのか検討もつかない様子。・・・そんな澪の首に下がっているクリスタルは淡く光を放っていた。

大学内では飛び散ったゾラの破片が集結し、一塊になってハデスのアジトへ移動。
そこでは、鈍い銅色の鎧に身を固めたゾラの姿。
ジャスティライザーの戦力はすべて判った以上、より強力なサイバーナイトを送り出して
今度こそ倒すと高笑いをあげるゾラ。
戦いは、ここからさらに激しさを増そうとしていた。


【レビュー】

ようやく本格的にストーリーが進んでいこうとする回。
ジャスティライザーの三人が素顔でも装着後でも揃い、さらに澪と麗華が東京へ向かい合流しようとするのだが
今回は真也のキャラクターを提示する回としての印象も強いだろうか。

無口で無愛想、さらに翔太やユカと違い年上ということもあってかやや引き気味に
自分たちの置かれている状況を俯瞰しているようでもある彼の態度は、特に翔太には我慢のならないものだったろう。
それは、もっと戦い方を考えろという前回の発言や
自分たちに何が出来るのか考えたほうがいいという今回の発言にも明らかに出ている。

ここで面白いのは、他の作品なら言った当人と言われた人間同士で口論になるところが
真也と翔太・ユカの場合だとただ真也はスルーしているだけで済ませてしまう点。
ヘタすると他社作品以上に殺伐さというか、妙な雰囲気すら感じるのだが
ヒーローものというジャンルにおいてはかえってインパクトに欠ける結果になっているのは残念な点か。
#そもそも高校生と大学生の口ゲンカを見せられても、同レベルの喧嘩になるのはちょっと…という気もする。

今回は戦闘シーンが多めであり、それは本編紹介の文字数が露骨に少ないことにも現れているのだが
その殺陣ではところどころ、グランセイザーからはやや進歩が見られる部分が見られるのが印象的。
後半戦においては一人一人テンポよくゾラと対峙しており、
特にカゲリと戦っているゾラへガントが援護射撃をするカットは
ほんの少しカメラがズームしながらゾラへ攻撃が当たっていく所までを見せており、
スピーディーかつテンポの良い殺陣となっていたのは好印象。

ジャスティライザー陣営もカイザーハデス陣営も、ここからやっと本格的に戦いの物語が進んでいくのだが
次回の6話でようやくジャスティライザー陣営のメンバーが揃うところを見ると
他作品と比べてどうにもスローテンポさが目立つ気もしなくもない。
もっとも、今のところこれはこれで当初のコンセプトどおり、キャラクタードラマを掘り下げる方向で作劇していることの証左にもなっているのだが・・・。


【特撮の見どころ】

・なし

ザコールやゾラが突如空間から現れたり消えたりするシーンは散々出てきているので省略。
VFXやCGもおとなしいというか見慣れてしまっているためか、あまり目を引くものが今回は無かった。
その分殺陣の進歩を見られたので、これはこれでいいのだろうか。