2021年2月10日水曜日

遠い記憶からジワジワと引き起こされた謎と疑問が、樹脂のように溶けだしては色あせ残った

「超星神シリーズコンプリーション」、二度目の延期だそうな。

正直なところこの後また延期するようなら予約を解除しようかと思うこの頃。



さて、それはさておいて。


意外と最近になってやっと気づいた疑問が出てきた。

それは

「河田秀二は何故セイザーXであそこまで重用されたのか?」

というもの。



特に本シリーズの文芸関係にあまり興味がない人(のほうが多いようだが)にはピンとこないのかもしれないが一応説明しておく。


まず河田秀二がグランセイザーで脚本家デビューを果たしたのは四十路を間近に迎えた頃。

グランセイザーこそ二本で終わったものの、ジャスティライザーでは十本程度執筆している。

自分の過去更新でも「次作で河田がメインライターになればいいのになあ」とも書いていたように

当時はグランセイザーの「さらば相棒!」のインパクトも強く、ジャスティライザーこそいまいちな話が多かったものの

まだ河田自身には期待を持っていた自分がいたのだが。


実際は林民夫がシリーズ構成・メインライターとして就任。

河田はサブであったものの、比較的早い話数で登板した上、第二部(ガレイド編)のラストも手掛けており

この時点でかなり重要な立ち位置に居たことが窺える。


しかも前作まで本シリーズに参加していた脚本家たちと比べても明らかに話数が多い。

事実上、林・河田コンビで作られた物語がセイザーXと言っていい。

#なお「前作まで参加していた」の内訳は稲葉・古怒田の両名。しかも各二話ずつ。



今思えばかなり不思議な起用ではなかろうか。

考えて見ていただきたい。 グランセイザーこそ後半からの起用ゆえ2話程度だったが

ジャスティライザーでは10話程度に一気に増えてもいる。

デビュー2年目の時点でこれだけ多くの脚本を手掛けているというのも中々珍しい。

3年目に至っては上述のように、サブと言いつつもほぼ実質ダブルメインと言っていい扱われ方をしているのだ。


東宝側、あるいは制作会社のゼネラルエンターテイメントのスタッフが河田の脚本を評価していたのか。

そもそも自前でそろえた脚本家の質の問題もあったのかもしれない。

#つまり比較的マシなのが河田だった。


色々考えられるのだが、それにしても謎ではある。

これまた自分が過去の更新で、現在はもう見ることのできない河田の日記の中で記憶のはっきりしている話として書いた

「四作目の企画を出す所まで来ていた」

という話が、フカシでもなんでもなくて本当にそうだったのではないかと思わせるものがある。


つまり、満を持しての河田秀二メインによる超星神シリーズ第四作目があったかもしれなかったわけだ。


ただし、実際のコナミの動きも含めてこのあたりの話は謎が多い。


まずコナミ自身が「最初から三年の枠を抑えて」金を出した本シリーズだが

しかし実際は三作目を一年でやらず九か月に予定変更し、そのあと女児向けアニメの枠に変えてしまったことを思うと

河田自身が四作目の企画を持ち込んだ先はどこなのか?そして

どのタイミングでそれを提出しようとしたのか?という点が気になる。

前者は恐らく東宝へ持ち込んだのだろう。 ゼネラルエンターテイメントのスタッフと打ち合わせもしていたのかも知れない。

後者に関してはどうか。

セイザーX放送時だとすれば、(あえて断言するが)コナミ自身が九か月に縮めたところを考えると、

どこであれコナミが話を聞きそうに思えない。

東宝自体はやる気があったそうではあるが…。



ここでさらに想像してみたい。

先ほど取り上げたように、河田自身は脚本家デビューしてから中々悪く無い扱いを受けてセイザーXまで執筆していた。

となれば当然東宝、あるいはゼネラルエンターテイメント側としても折角続いている特撮ヒーローもののラインを失うのも勿体ないし

セイザーX自体も視聴者の反応自体は悪く無かったしで、コナミに無理を言って四作目を作らせることができないだろうか?

と、東宝やゼネラルエンターテイメント側のいずれかが考えていたとみても無理はないように思う。


しかし三年もやってみて成績が今一つであった(であろう)コナミとしては、とても四作目は無理だと突っぱねた。

ゆえに、企画を出す所まで来たものの結局話は門前払いを受けてフェイドアウトした…。



以上はあくまで想像である。

そもそも今となっては見るすべのない、ファンサイト上の日記に載っていた話から拡げて見た話しに過ぎない。

しかし、ジャスティライザーではキャリアの浅い割にはほどほどにチャンスを与えられ、セイザーXではダブルメインと言える立ち位置まで来た河田を思うと

以上のような想像もついしてしまうものである。


何せ過去に「河田秀二は将来東宝ヒーローを背負って立つ、はずだった」などと書いた自分としては

実際の河田の起用状況から推察するに、そんな檜舞台に立てるチャンスが見えていたのじゃないかと思わずにいられないし

本人も実際、それゆえに企画を出そうという所まで来たのだろう。

#もっとも、河田自身がすでに企画を東宝他から依頼されて書いていたのか、

#それとも東宝他の内部で河田メインで企画を書かせようとしていた話だったのかがまだ不明ではある。

#後者であればスポンサーに話をする以前の話である。



最近気づいたにしては、ずいぶんな謎である。

これがせめて「超星神シリーズコンプリーション」で究明されたりしないものだろうか。

しかし今の河田は業界から遠のいており、もはや話が聞けない可能性もあるのが辛いところなのだが

まだ、そのあたりの希望は捨てずに残しておくことにしたい。