2013年7月15日月曜日

グランセイザー・第十一話

第十一話「結集!9人のセイザー」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、神谷豪、早乙女蘭
○<関係者・ゲストなど>堀口博士、御園木篤司
★<敵> アケロン人(佐伯カリン) 


<アケロン人、復活>

ホテルの一角
御園木がアケロン人の処置について堀口博士と話をしている。
一通り話を終えたのち「NASAへは極秘ルートで解剖の依頼もしている」と御園木が話を出したところで
国防省の施設に収容されていたアケロン人の遺体が突如蘇り脱出したとの報せが。
そして竜神山にて、アケロン人のものと思しきUFOからのエネルギーを得て「佐伯カリン」の姿に戻ると
近くに居た一般人を気絶させ、何処かへ立ち去っていく。

いっぽう、大地のトライブの中で独りだけ輪に加わらない直人。
街をあてどもなく歩いていると、アケロン人と遭遇し戦闘へ。
装着して立ち向かうもほとんど攻撃を加えることが出来ずに戦闘終了。
マタドールバーストをかわし、遠くへ逃げ去っていったアケロン人だが
直人はこの戦闘で負傷してしまう。



<炎と風と大地>

洸の病院にて手当てが済んだ直人。
大地のトライブは直人の非協力的な態度でまとまりがない状態であり
豪と蘭が「自分達から直人と話をする」として天馬たちはそれに委ねることに。
一方の風のトライブも、「グランセイザーの仲間になるには、アケロン人を倒さなくては」と若干気負いを見せる。

そのアケロン人は、西鉄工所跡地にて一般人にまたも危害を加え
被害はますます広がっていく一方であった。

病室に戻り
意識が戻った直人と、豪たちがこの事態について話し合いをするのだが
意固地になって独りで戦おうとする直人に対して
「カッコつけて戦ってもまた俺たちに迷惑をかけるだけだ!」と一喝し寝かせつける豪。


<アケロン人、最終決戦>

国防省の特殊部隊がアケロン人と接敵、戦いを挑むもその戦力差は歴然としており歯が立たない。
間一髪のところで炎のトライブが合流しアケロン人と戦闘へ。
タリアスのバーニングファルコンにより吹き飛ばされたアケロン人は、彼等の言葉をつぶやきながら巨大化を果たす。

湾岸地区を破壊してまわるアケロン人の猛威に、炎のトライブはガルーダを召還。
既にクラウドドラゴンにより修理が済んでいたガルーダが、巨大アケロン人に立ち向かうところでEND.

ちなみに、この異常事態はただちに報道機関によって人々に知らされることとなる。


【レビュー】

いよいよ最終決戦は近い。この期に及んでまとまりの悪い大地のトライブだが豪の比較的大人な対応が目を引く。
病院での直人と豪たちのやり取り「オレが必要なのは、ガンシーサーを動かしたいときだけだろう」と言い放つ直人に注目。
このあたりのクセのあるやり取りは、グランセイザーならでは。

病室では豪と蘭による直人への説得が、
そして本格的に合流することになった風のトライブ自身の気負いなど、
「グランセイザーとしてまとまる」前に「トライブ間でまず纏まらなくてはいけない」
といいったドラマの流れが窺え、このあたりは本作ならではの独特なドラマと言える。
これは第二部、水のトライブがわりと早い段階で纏まっていたのとは好対照である。


そして序盤で触れられたアケロン人を解剖するというくだりは
何かしらの考えがあるにせよ、こういう部分は他のヒーロー物ではあまり見かけない描写であり
以前触れられた「グランセイザーの力の軍事利用」という部分も込みで考えると
国防省として現実的な行動と見てもいいだろう。
個人的にはこうした部分にSFドラマテイストを覚えるだけに、いい描写だと思う。

また、アケロン人による本格的な行動によって
これまでひた隠しにしていた事件は、異星人による異常状況であることがようやく知れることになる。



【特撮の見どころ】

・アケロン大星獣登場

今回の終盤にて巨大化を果たすアケロン人。怪獣然とした体へ変化している。
最初のアオリ画および、電車と逃げ惑う人々との合成シーンはオープンセットの模様。
あとは全てスタジオセットであるようだ。
それまでの特撮シーンの乏しさを払底するかのごとく、怪獣による破壊シーンが目白押しで
僅か2、3分程度だが実に迫力満点の特撮を見せ付ける。
マンション崩壊時のガレキから逃げ惑う人々も合成だが、相変わらず合成の抜けが丁寧。

修理の済んだガルーダがライブモードで立ち向かうアオリの画のバックに、1機ヘリコプターが写りこんでいるが
おそらく合成でわざわざくっつけたのだろう。
報道のヘリなのだろうか?国防省だとすればヘリが1機しかないのはおかしいし。
こうした何気ない細かい部分は、物語の世界の広がりを感じさせる良い演出だと感じた。