2014年2月3日月曜日

ジャスティライザー・第一話

第一話「出現!幻星神ライゼロス」

[敵幹部:ドクターゾラ]
サイバーナイト・ザウラス、宇宙巨獣デフロッグ登場

監督:石井てるよし    脚本:稲葉一広

<地球を襲う悪の企み>

OP前。
戦国時代の日本。山の頂にそびえ建つ城が黒煙を上げているその頃、
・・・地球の外ではライザー星人・ノルンによる艦隊と地球侵略を目論むカイザーハデスの艦隊が衝突していた。
そのハデス艦隊の一隻が先ほどの城近くの山奥へ墜落。
一方、城の住人達・・・姫とその侍従たちが、城を後に逃げ出していく。
混乱の中、墜落した宇宙戦艦のことなど誰も知る由もなかった。
そうして450年の月日が経ち────────・・・

現代の日本。
ラクロス部で練習に励む女子高生・真田ユカを眺める伊達翔太とその友人・徹。
ユカを眺めながら、思春期の少年らしい会話に花を咲かせている二人。
翔太はあまり関心がないそぶりを見せていたようだが、
平和でのどかな学園生活の一コマが映し出されている。

所変わって星神島。
この島に代々住み続けている天堂家の当代・天堂澪が居る。
侍従である本宮麗華に促され、家の敷地内にある祠へ手を合わせる澪。
目を下げて祈りを捧げている最中、祠から光が漏れだす。
それに気づいた澪であったが・・・。

その日の夜。
一隻の宇宙船が日本のある山奥へ降り立つ。 そこから出てきたのはドクターゾラ。
部下のサイバーナイト・ザウラスと戦闘員・ザコールを引き連れ、山奥のとある地点を破砕すると
現れた入口の中へ入り込んでいく。
謎の場所の奥には氷付けになっている巨大な物体。 
これをザウラスに破壊させると中から現れたのは・・・ カイザーハデス。
現代に蘇ったハデス、そしてドクターゾラの企みは一体?



<強襲・宇宙巨獣>

翌日。休日なのか自宅からバイクで出かけようとする翔太。
彼の実家は伊達電気店という町内の電気屋さんである。
従業員の松平健一と軽く会話を交わした後、颯爽と出かけていく翔太。
やがて市街地へとたどり着く。
同じように休みを満喫しているユカと友達の理緒、麻美が翔太を見つけ、本人が気づいていないのを良いことに
やはり女子高生らしい会話に花を咲かせていた。
しかしユカもさして興味がないどころか、ラクロス部キャプテンとして二人を嗜める。

そんなユカだが、ポイ捨てされた空き缶を翔太が拾って捨てていた所を見かけ
その一部始終を見つめていた。
しかし理緒たちに呼ばれて一緒にその場を離れる。

一方同じ市街地のとある会場で行われていたロボットフェスティバル。
時間の無駄かな。そうつぶやいて出てきたのは大学生・平賀真也。
残念そうに歩いていたその時、空から隕石が落下・土砂を巻き上げながら怪獣が姿を現した。
怪獣は街中で暴れ、建物を破壊して周っている。
逃げ惑う人々の中、翔太、ユカ、真也の三人がそれぞれに難を逃れようとしている。

その時星神島では、澪が祠から御神体を持ち出していた。
不審がる麗華の目の前で、澪の手に持たれた御神体が突如光を放つ。
澪が一度別の場所に置くと、御神体が二つに割れて中から蒼い水晶が輝きながら出てくる。
そして、五つの光が天空高く舞い上がるとそのうちの一つが澪の頭へ入っていく。
気を失った澪。その光の正体は・・・・。


<勇気の刃・正なる機獣>

街中では翔太が親子二人を庇いながら逃げ惑っていた。しかしその時
サイバーナイト・ザウラスとザコールの一団に行く手を遮られる。
親子を先に逃がすと、翔太は一人で立ち向かおうとするが攻撃どころではなく
ザウラス達から逃げていく翔太。
しかしその前に先ほどの怪獣・・・ 宇宙巨獣デフロッグが火弾を放ち翔太を釘付けに。
絶体絶命の危機に曝された翔太だが、デフロッグへ体当たりを仕掛けた謎の銀色の怪獣が現れた。

それは幻星獣ライゼロス。
街を守らんとデフロッグへ立ち向かっていくライゼロスだが、どうやら地球を助ける存在のようである。
その戦いを眺める翔太だが、またもザウラスたちが追いつき、翔太へ攻撃を仕掛けていく。
ザウラスの火球が翔太へぶつかろうとしたその瞬間、翔太の体を赤い光が包み────────

翔太が紅い甲冑のような姿へ変わっていた。
ライザーグレン。
たじろぐザウラスたちへ立ち向かっていくグレンは、途中でグレンソードを持ち出し互角以上の戦いを繰り広げる。
ライゼロスもまた、デフロッグに対して圧倒的な力を見せつけていた。
状況が不利とみるや退却するザウロスとデフロッグ。

戦いが終わると、ライゼロスの目から光が放たれグレンへと浴びせる。
光を浴びたグレンは、ライザー星人ノルンの声を聞く。
彼女は言う。 地球には不思議な力・ジャスティパワーが秘められておりそれを発見したのだが
地球侵略に出向いたカイザーハデスの船団と衝突。かろうじて勝利・封印に成功するが
いつまたカイザーハデスが復活するかわからない。
そこで彼女は、ジャスティパワーを利用した戦士を作り上げることにした。
それがジャスティライザーと、幻星獣ライゼロスである。

装着アイテム・インローダーと翔太の正しい心が結びついたとき、翔太はライザーグレンへ装着することが出来る。
その力でカイザーハデスを倒し、宇宙の平和を守ってほしい。
ノルンはそのメッセージを死の間際にライゼロスに残したのだ。
メッセージが終り、ライゼロスは宇宙へと去っていく。
インローダーを手に戸惑う翔太。 しかし地球を支配しようと目論むカイザーハデスが復活した今
地球の運命は今まさにジャスティライザーである翔太に託されようとしていた・・・。


【レビュー】

第一話は駆け足ながらも、主要登場人物と敵・カイザーハデス軍の説明がなされた。
無難にまとまった今回は、前作グランセイザーの第一話と見比べればよく判るが
明確な敵が居て、それが最初から現れていて
さらにジャスティライザーの3人が既に(二人は装着していないが)登場しているなど
オーソドックスなヒーローもののセオリーに沿って作られている回である。

しかし単に普通のヒーローものというだけでもなく、翔太とユカは高校生、真也は大学生と
それまでの他社作品で何度となく試みられた「学生ヒーロー」というコンセプトを持ち合わせているが、
三人中一人は大学生という、若干のヒネリも加わっているのも特徴か。
高校生組の翔太とユカの関わるシーンを見ていると、ややヒーローものとしては異質な「青春ドラマ風画作り」が
なされているようで、それは序盤の翔太とユカが全く出会わずにお互いのことを意識しあう部分もそうだが
演出自体もどことなくアッサリ気味で、健全な青春ドラマの香りも漂っている。

一方の戦闘シーンなどは、前作の反省もあってか最初からデフロッグによる街の破壊シーンを入れ、
なおかつ地上戦でもザウラスが翔太を付け狙い、装着後もザコールとの殺陣をあっさり気味とは言え織り交ぜるなど
前作と違ってヒーローものであることを前面に押し出した作風が印象深い。

とにかく、ここから50話に及ぶ長い戦いの幕は切って落とされたわけだ。
巨大戦もさらに洗練されてきており、この後どうなっていくのか期待が持てる。


【特撮の見どころ】

・OP前の、ノルン艦隊VSハデス艦隊戦
・氷付けにされているカイザーハデス
・宇宙巨獣デフロッグの猛威
・幻星神ライゼロスの容赦ない攻め

特にデフロッグ登場からの巨大特撮のクオリティが素晴らしい。
ビルを蹂躙し、街を破壊していくデフロッグの暴れっぷりが堪能できる。
今回は車も、ちゃんとミニチュアを使って踏み潰しており
やはりやる気の差のようなものを感じさせてくれた。
#もっともグランセイザー第三クール以降は、特撮パートにおいてなおも試行錯誤している部分が悪く出ている為か
#いかんせん見るほうも辛く見がちではあるが…。

ライゼロスの戦いぶりは当時も観ていて度肝を抜かれたものだ。
胸のノコギリを回転させてあてがうなんて・・・。

氷付けにされているカイザーハデス。その氷はCG。こちらは案外綺麗なモデルなんじゃないかと思う。
が、カイザーハデス自体がいかんせんスケール感がおかしい気もする・・・。
#それは、覚醒後を見れば判ることだが。