2014年3月24日月曜日

ジャスティライザー・第二話

第二話「ライザーグレン、見参!」

[敵幹部:ドクターゾラ]
サイバーナイト・ザウラス、宇宙巨獣デフロッグ登場

監督:石井てるよし     脚本:稲葉一広

<一夜明けて>

冒頭。ドクターゾラとサイバーナイト・ザウラスの会話。
謎の赤い戦士および巨大ロボはおそらくノルンが遺したものだろうと推測するゾラ。
カイザーハデス復活のための障害になることは間違いがなく、早急に排除せんと目論む一同。

今日は平日、学校から電器店へ帰ってくる翔太。うかない顔をして店へ入っていくと
ディスプレイされているテレビからは、先程の戦いの模様がニュースとして流れていた。
テレビの電源を切ってしまう翔太。
その一部始終を見ていた父・源太郎は翔太にアドバイスする。
「うだうだ考えてるヒマがあったら一歩踏み出してみろ。答えは後からついて来る」
その言葉を聞いてもなお釈然としない顔をしながら、裏へ下がる翔太。

翔太とユカの高校では、ユカたち三人組が部活の帰りだろうか、学校から帰ろうとしている。
理緒たちに昨日何もなかった?と尋ねるが二人は何もないと答えた。
ユカもまた、なにか思い悩んでいるようだが。


公園。
翔太が小高い丘の上で先日ノルンに告げられた「使命」に対して思い悩んでいた。
俺一人でどうしろと言うんだろう?
そんな独り言をつぶやいてうなだれていると、後ろからずっと見ていたユカと出くわす。
そして二人を見つめるザコール。

京南大学。ここは平賀真也が在籍している。
講義の最中、真也は先日の事件を伝える新聞の一面記事をぼんやり見つめている。
チャイムが鳴り講義が終わっていても、まだ何か思いに耽っていた。
その目は記事に大きく載っていた写真──── ライゼロスの姿を捉えていたが。

再び公園では、翔太とユカが昨日の事件のことを話し合っていた。
何かを聞こうとしたユカを遮るように、自分はあの後すぐに帰ってしまったと嘘をつく翔太だったが
突如ザコールとザウラスが二人の前に立ちふさがる。
逃げ出す二人を、瞬間移動を駆使して追い詰めていくザウラスたち。
次第に追い詰められていく二人はついに包囲されてしまった。
ユカだけは見逃してくれと頼み、解放されたユカ。
しかし即座にザウラスが攻撃。ユカを庇う翔太だが衝撃でユカが気絶。

ついに我慢の限界に至り、インローダーを持ち出し装着する翔太。
ジャスティライザー・グレンとなってザウラスたちと戦うことになる。


<紅蓮の剣士・白銀の戦斗龍>

ザコールたちのフォーメーションアタックをかわし、一人ずつなぎ倒していくグレン。
ザウラスとの一騎打ちでは先日とは変わって相手の攻撃を受け流し、当て返すなどの余裕も見せる。
うろたえるザウラスへ必殺技・ブレイジングフレイムを放ち勝利を収めた。

喜びもつかの間、立て続けに宇宙巨獣デフロッグも再度飛来。 グレンに向かって歩み寄ってくる。
ケンカにならねぇ、とこぼすグレンだがインローダーからノルンの声が流れてくる。
幻星獣ライゼロスの召還を促すノルンの声に応え、ライゼロスを呼び出すグレン。
母艦シェイドスターの格納庫から現れたその巨体こそ、先日デフロッグと戦った白銀のロボットであった。
高速で飛来しデフロッグに立ちはだかるライゼロス。ダイヴインして乗り込み、
今度はグレン操縦によってデフロッグと戦うことになる。

これも先日とはうって変わり、戦闘は圧倒的優位に立って展開。
最後はゼロスキャノンでデフロッグを打ち倒した。

戦闘後。地上に戻った翔太はつぶやいた。「俺はとんでもない力を手に入れちまったのか」
ライゼロスの帰還までの一部始終を別の場所で見つめていた真也。
そして、気絶から目覚めたユカ。
カバンやラクロスのスティックを探し回り、ユカに手渡す翔太。
何があったのか尋ねるユカに対して、俺もあのあと気絶したからわかんなかったと嘘をつく翔太だったが
ユカはそんな翔太の後姿を見つめ、何かを考えているかのようだった。

夕暮れの河原。
源太郎のアドバイスを思い返し、吹っ切れた顔の翔太。
ジャスティライザーとして戦うことを翔太なりに決心したようだ。
晴れ晴れした心持で、バイクに乗り一路自宅へと引き上げていくのであった。


【レビュー】

翔太が、ジャスティライザーとして戦うことを決意する回。
(あの当時のヒーローものの感覚で言えば)駆け足気味に翔太が悩み→決心という流れを描いている。
グレンとして本格的に戦いだした今回は、五人のザコールたちのフォーメーション攻撃が見られ
東映のスーパー戦隊シリーズの真逆を行く殺陣が見られたのが印象的。
この回だけで言えば、まだグレンだけなのでそうなっても致し方なく見えそうだが
実は三人揃っても…。

翔太だけでなく、ユカも昨日「何か」が起こったようで思い悩む描写が少しだけ描かれている一方
ジャスティライザーの戦いとライゼロスを冷静に見つめていた真也、
そして前回序盤で気絶したままの澪がほんの少し現れるなど
主要人物を可能な限りシーンを区切って提示し、印象付けようとしている点も
前作「グランセイザー」からの相違点と見ても良いかもしれない。

ただし、シーンは確かに細切れだがカットが長いためやや詰め込みすぎの感もある。
前作のメイン演出・村石監督から石井てるよし監督へとメイン演出が変更されてる影響もあるだろう。
(それでも村石監督に比べれば冗長さはさほどでもないのだが)

ヒーローものの序盤として、無難な一話二話だったと思う。 
ただし先程も述べたように、若干翔太の苦悩が駆け足気味に処理された点は少々ソンをしているかもしれない。
源太郎のアドバイスもやや唐突気味に飛び出していたように見えるのが惜しくもある。
そのアドバイスを思い返してやる気になるという終盤の流れは悪くはないが・・・。

自分のような純粋に特撮映像と単純明快なヒーローの活劇を楽しみにしている向きには無難に楽しめる話であることは
改めて強調しておきたい。


【特撮の見どころ】

・ライゼロスVSデフロッグ
・シェイドスターから発進するライゼロスのバンク
・街を破壊するデフロッグ・その2
・フォーメーションで炎攻撃を見せるザコール

SFXもVFXも堪能できる回。
第一話とさほど変わらなく感じるが、今回はグレンが自主的に戦っていることもあって
その戦闘への注目具合も当然変わってくるし、また映像もよりテンションが上がっている。

炎攻撃は若干大げさな感じがするのと、もう少し炎の出し方さえ気を使ってくれればよかったのだが
(ザコールの棍棒の先端から出た時点で激しく燃えすぎている。グレンへ向かって徐々に激しくなるならまだしも)
なにより攻撃が当たったときのエフェクトがくどいのも気になる。
もうちょっと小さめというか、あっさり目のエフェクトであればよかったろうに
若干バラエティ番組的な雰囲気になっていたのは残念。

巨大戦は割と無難にまとまっているように思う。
もっともこれも前作グランセイザーの第一クールと比べてしまっているからなのだが。
ただし、他社作品と比べると充分高いクオリティの特撮ではあることに違いはない。

ゼロスキャノン発射~デフロッグへ命中という一連の流れは、やはり東宝らしく1カットで見せている。
当然カメラも上手(ライゼロス側)→下手(デフロッグ側)へと、ゼロスキャノンを中心にすえて流れていくわけだが
テレビ番組においてはやや冗長気味な見せ方にもなっており、その点は少しインパクト重視で行っても良かったのかも知れない。