2015年2月22日日曜日

ジャスティライザー・第二十八話

第二十八話「三大巨獣対幻星神」

[幹部:ゼネラルバッカス]
宇宙巨獣デボラス
亡霊巨獣デッドラー・ギルモネ登場

監督:池田敏春    脚本:真島浩一


<シロガネの力とそのリスク>

伊達電器店バックヤード。
シロガネへの変化を、ついに自分達の力で行えるようになったのだが
戦いに直接関わっていない澪が倒れてしまう難点も抱えている。
翔太とユカがそれに対して考え込むが
真也はこの力を使わないとますます熾烈になるカイザーハデスとの戦いを続けていけるわけがないと一喝。
そんな言い合いをよそに、倒れていた澪が目覚めた。

ハデス基地では、宇宙巨獣デボラスを差し向け、亡霊巨獣とともに
ジャスティライザーを撃破することを命令するが、指揮はデモンナイトへゆだねるカイザーハデス。
疑問を口にするゼネラルバッカスだが、ただ自分の命令に従えと一蹴するカイザーハデス。
何故デモンナイトに何度もチャンスを与えるのか?

公園では、ユカが一人で考え込んでいた。
それを配達中の源太郎が見かけ落ち合う。
シロガネの力があまりに強大過ぎて、この力の扱いに思い悩んでいた。
一歩間違えば恐ろしいことがおこるのではないか?そうつぶやくユカだが
そんな力をジャスティライザーに託したのが地球の意思だとすれば受け入れなくちゃいけないんじゃないか。
そしてそれをどう使うのかは、ユカたち次第なんじゃないかと源太郎が問いかけると
「私はシロガネの力を使わずに戦いぬきたい」とユカが答えた。


<蘇る巨獣>

別の公園では翔太と真也が言い合っている。
本当ならシロガネの力を使わずに戦い抜きたいが、使わなければ戦っていけるのか疑問だと考える真也に対して
それまでシロガネに拘っていたが一転、澪の体に負担がかかる事に気づいてからは
その力を使わずに戦っていこうとする翔太。
言い合いは平行線を辿る。
自分達がやられたら地球が滅ぼされてしまうんだと言い残し立ち去る真也。

その直後、ユカの通信により巨獣デボラスの出現を知る翔太と真也。
急いで三人が集まり装着したが、三人の前にデモンナイトが現れる。
巨獣をほうっておくわけにも行かないが、デモンナイトはザコールを呼び出し三人を妨害。
やがてグレンとデモンナイトが対峙するが以前と比べ強力になったことを察したグレン。
シロガネを呼べと挑発するデモンナイト。

スキを見てカゲリがライゼロスを召還、デボラスに立ちふさがる。
戦いは二面化する中、澪がよろけながらガントの歩み寄っていた。
澪を必要としている自分達のために帰るように促すガント。

デモンナイトの攻撃で吹き飛ばされるグレン。まだシロガネに拘っていたが
本来の作戦を遂行すべくバッカスがデモンナイトを催促。
それを受けデボラスへ命令を下す。 デッドラーとギルモネを復活させ、ライゼロスもろともジャスティライザーを倒そうと目論むデモンナイト。
ザコールが消え、グレンとガントがライゼロスへダイヴイン。
麗香が澪のもとに駆けつけ、戦いを見守る。


<亡霊との戦い>

三対一の戦いだが、ライゼロスには三体の星神獣が居る。
エンオウ、コウキ、ランガを呼び出しサポートとして差を埋めることとなる。
星神獣の攻撃を受け一度は消失するギルモネ、デッドラーだが
しばらくすると復活し、逆に幻星神たちを退けてしまう。
全く決定打を与えられず、うろたえるカゲリ。

しかしガントがあることに気づく。デボラスの目が光っている時
亡霊巨獣が操られていることを察知し、エンオウの攻撃で目を潰す。
ひるむデボラスに対しケンライザーへ合神、クロスファイヤーバーストで撃破に成功する。
デボラスが死んだことでギルモネとデッドラーも消滅。
勝利を収めたジャスティライザーを、神野が睨む。

ハデス基地では、作戦失敗を受け唸るカイザーハデスだが
シロガネの秘密に気づいたのか、シロガネ恐るるに足らずと豪語した。
その眼前には、澪の映像が映っていたが・・・。


【レビュー】
久方ぶりの巨大戦。ここまでシロガネ絡みの話が連続していたためか
話の上では箸休め感が漂っている回でもある。
本編前半でのジャスティライザー同士の、シロガネの力に対して疑問を呈するユカは
この当時のヒーロー物に漂っていた「何故戦うのか、何故この力があるのか」というテーマ性に沿ったものだろうが
そこに対してユカのみならず真也や翔太も、なるべくなら使わずに戦いたいという気持ちは同一という点はやや他とは変わった点だろうか。
#実際本作でシロガネが出てくる回は、他作品での強化形態登場後と比べても少ない

使わずに済むならいいが、カイザーハデスとの戦いが激化する以上シロガネに頼らざるを得ないと考える真也
澪の負担を考えて、なるべく自分達三人で戦うしかないと言い切る翔太
そしてシロガネの強大な力を案じ、使うことを躊躇うユカ
このあたりの三人の思惑が、今後のストーリーやドラマにどう関わっていくか・・・?

一方でデモンナイトのドラマ・・・前回提示された出自の謎のほかにも
カイザーハデスがデモンナイトに拘る謎も加わっており
前回と今回の二本は、実のところデモンナイトメイン回と言うべきではないかとすら思える。
さらにカイザーハデスが今回終盤にシロガネの秘密をつかんだのか、不敵に笑うシーンもあり
やや大雑把ながらも最終決戦へ向けてのテンションが徐々に上がりつつあるとも言える。

巨大戦に目を向けると、ウルトラシリーズや戦隊シリーズでも散見される
「以前倒された巨大怪獣が復活再登場する」というギミックが目を引く。
しかし、実際復活した巨獣が活躍するのは星神獣の援護を退けているシーンまでであり
亡霊巨獣のカラクリを見破ってからは普通にデボラスVSケンライザーになってしまったのはかなり惜しい点である。

せめてもう一回くらい亡霊巨獣の妨害と、それを阻止する星神獣というシーンも挟めたらいいのにとも思うが
前半にデモンナイトの話の展開および二面作戦の展開もあったためか尺としてはこの展開にならざるを得なかったのだろう。
巨大戦を楽しみたい向きにはかなり不完全燃焼感の否めない回だ。

また、しれっとケンライザーの新必殺技(クロスファイヤーバースト)が登場しているのだが
このへんはグランセイザーでの、ガルーダのファイヤーバードスラッシュが説明もなしに2、3パターン登場していた状況を若干受け継いでしまっている上に
大したタメも無いため唐突感が強い点が残念であった。
出すにしてもグレンに「思いついた技を試してみたいんだ!」くらいは言わせても良かったんじゃないか?
#メガヒートスラッシュも2パターンほど存在している。上から振りかぶって斬るタイプと
#いつものように、斬撃エフェクトが相手に向かって飛んでいくタイプに大まかに分かれる。

【特撮の見どころ】

・三体の宇宙巨獣VS星神獣四体
・デボラスVSケンライザー

街中というシチュエーションはいつもどおりではあるが、今回はショッピングモールがあったり
遠くに遊園地の観覧車を配するなど変化をつけている点が目を引く。

エンオウのシャイニングスライサーを当てるシーンは、リアクションを取らせているデッドラーに
カメラ手前から奥へ飛び去るエンオウを合成しておりこれは問題ないが
ギルモネへハウリングバーストを放つ前に駆け寄るランガのカットは、ちょっと違和感がある。
仕方ない部分でもあるが、地面に対してちゃんと足がついていないので
イマイチさが拭えない。
恐らく空中で走っているCGモデルをそのまま当てはめてるからだろうと思うが・・・。

ケンライザーがデボラスに立ち向かうカットでは、ミニチュアワークの細かさが目を引く。
電線の張られている電柱が手前に配置されているが、こうした現実感を感じさせるカットは
本作に限らず当シリーズの特色とも言える。
無論、立ち並ぶ戸建て住宅や奥の観覧車なども情景として雰囲気を強く出している。