2015年3月21日土曜日

ジャスティライザー・第二十九話

第二十九話「決戦!星神島」

[幹部:ゼネラルバッカス]
宇宙巨獣スカラベレス登場

監督:石井てるよし    脚本:河田秀二


<星神島への帰還>

冒頭。星神島の海岸にユカ、澪、麗香の三人が居た。
星神島といえば天堂家のある島。代々この島に暮らしていた天堂家は
450年前の戦いで傷ついたノルンが、天堂家に匿われていたことが縁でジャスティクリスタルを与え、以降星神島で護っていたのだ。
天堂家本家にあったものと同じ形の祠があることが、この海岸沿いにあることを知っていた澪は
この祠に何かシロガネについての手がかりがあるかもしれないと睨んでいた。

そしてボディーガードとして武田広之―――――― 以前、ステラプレート絡みで知り合った
超能力を持つ青年を呼び寄せていた。
彼は麗香の案どおり、星神島の天堂家へ居候していた。ユカとの再会を喜び手を取り合った次の瞬間
宇宙から星神島へ向けて隕石のようなものが飛来・着弾。
広之がそれを察知してユカたちに逃げるよう促したのだが・・・。


伊達電器店では、その星神島爆発を翔太達もテレビニュースで知ることとなる。
シロガネの弱点を克服する手がかりを探るために星神島へ戻ったと真也が翔太に教えるのだが
それを教えなかった理由は、翔太が次のテストで赤点を取らないよう勉強に集中させるためというユカの心遣いによるものだった。
とはいえ、ユカのことが気になる翔太は真也と共に星神島へ急行。

ハデス戦艦内では、隕石でユカたちを始末したと思っていたが
あわやの所で回避したことをデモンナイトがカイザーハデスに伝える。
ハデスは二人で共同作戦を行うよう指示するのだが
ゼネラルバッカスをそれとなくないがしろにしつつ、自分が澪たちを抹殺すると志願するデモンナイトだが
憤懣やるかたないバッカスが自ら出て行くことに。


<星神島危機一髪>

隕石から逃げ切れたユカたちだが、その行く先にザコールの一団が現れる。
澪を守る為に麗香とカゲリが立ち向かうが、そのうちバッカスも合流。
多勢に無勢を悟ったのか、カゲリダガーの着弾による噴煙に紛れて澪たちは逃げ出す。
ザコールに捜索を命令するバッカスだが、その眼前にデモンナイトが現れ
翔太と真也が星神島に向かったことを告げつつ、バッカスにジャスティライザーは倒せないと付け加える。
剣呑な雰囲気になる二人だが、元々共同作戦であることをデモンナイトに強調されるとそれに納得したのか剣を仕舞うバッカス。


その翔太と真也が星神島へ着く。 島全体が天堂家のものと言っても過言じゃないだろうと真也が翔太に話をしていると、港に居た広之と共にユカたちが隠れている小屋へ。
そこではここまでのいきさつについて様々な話のやりとりが行われていたが
翔太とユカが痴話喧嘩のような会話をしながら小屋を出て行く。
すると、ふたりの目前にデモンナイトが。

装着して立ち向かうグレンとカゲリ。剣戟を繰り広げるグレンとデモンナイトをまとめて倒さんとバッカスが横から攻撃を加える。
しかしさらに横からガントが現れバッカスを牽制。
状況の不利を悟ってかバッカスは宇宙巨獣スカラベレスを召還する。
この混乱の中、デモンナイトは退却。


<激戦!星神島>

スカラベレスに対してライゼロスを召還・ケンライザーで立ち向かうグレン。
しかし、スカラベレスの雷撃を受けて何故か装着が解けてしまう翔太。
動きの鈍るケンライザーを見て何か危険を悟るカゲリは、ガントと広之に促されケンライザーへダイヴイン。
しかし、同じように雷撃を受けたユカもやはり装着が解除。
この危機に、ユカは翔太の手を取りコクピットのレバーを持たせ、スカラベレスの攻撃をかわすと
メガヒートスラッシュを叩き込み、スカラベレスを撃破。
その様子を見たバッカスは退却。

戦後。自分も東京に行くと言い出す広之にユカは、ここにとどまって星神島の人たちを助けるよう諭す。
翔太も少ししたらテストが控えていたため、一泊する余裕もなく東京に帰る一行。
全員のやり取りを、見守るかのように見下ろすケンライザーのカットでEND.


【レビュー】

今回からOP曲が2番のものに変更。それに伴いOP映像も変更が加わる。
#ここで今後の展開のネタバレが入ってしまっている・・・。

今回、ストーリーの上ではシロガネの弱点克服の手がかりを星神島に求める澪という軸があったはずだが
実際は翔太とユカの恋人未満友達以上な青春ドラマ的側面が強調されており、
さらにここまでギスギスしつつあったバッカスとデモンナイトの二人についに直接的な決裂が見られるなど
ドラマ部分のほうに重きがおかれてしまった回だろう。
そのせいか戦闘面はだいぶあっさり気味になってしまっている。

今回は演出的にも話的にもコミカル色をそれとなく打ち出しているのだが
その全てが成功しているかというと、全部滑っている感が強いといわざるを得ない。
具体的には
・最初のザコール戦での、麗香のはなった金的
・同上、麗香の使った棒が途中で折れたときのリアクションと映像処理
・小屋で翔太たちが合流したときの言い合い
・ユカが化粧品を持って装着しようとするカット
・シン様呼ばわりに対する真也のリアクション
と、目に付くだけでこれくらいのコミカルなカットが散見されるわけだが
全部が全部、只単にテンポを損なうだけのものになってしまっている。

ヒーロー物では、途中で若干コミカルな色を付け加えるケースが散見されるが
その全てが成功しているかと言うとそんなこともなく、むしろ「滑って」しまうことも多い。
本作では特に、ストーリー上では中盤のヤマとも言える流れの上でこんなノリを流入したせいで
さらに緊張感を殺いでいる点が惜しまれる。

デモンナイトとグレンの戦いの最中、二人弾け飛んだ際に剣が入れ替わりそれを交換し合うカットや
翔太とユカが手を取り合って操縦桿を握るカットなど、いい画も見られるのだが
上記のマイナス点が大きくて埋もれてしまっているのはいかんともしがたい。


【特撮の見どころ】

・隕石着弾
・スカラベレス対ケンライザー

前者は、今回序盤の星神島での隕石騒ぎ。
ここのVFXは中々見ごたえがある。 爆発をアップで見せているカットは別作品のライブフィルムの流用だろうか?

後者は、ジャスティライザーでは初の飛行を行う巨獣・スカラベレスとの戦い。
飛行して飛び掛るスカラベレスは合成で処理してしまっているが、ちょっとサイズが小さくなっている点が違和感。
今回に限らずメカや怪獣が体当たりするカットが本作では多いのだが、星神獣であるエンオウやランガ・コウキはそれほど違和感もない一方、
ライゼロスについては若干スケールが小さくなってしまっており、ここはちょっといただけない。
合成自体は違和感がないのだが、サイズが小さめなのが結果的にチグハグさを醸し出してしまっている。

今回のメガヒートクラッシュは、上空から振り下ろすタイプと斬撃を飛ばすタイプの複合パターン。
いまいち映像の安定しない必殺技である。