2016年6月27日月曜日

超星神シリーズと音楽、そしてオープニング映像

今回は自分にとっては特に不得手なジャンルである「音楽」に触れる。
触れる、くらいなのだから軽い事実確認的な内容および
自分が本編を見た上で印象に残った音楽とその変化の部分を拾うだけになる。
何せ音楽的知識は、特撮映像の知識以上に希薄なものなので・・・。


とはいえ、素人レベルでも判る三作の音楽性の違いくらいは触れられそうと考え
この更新をUPした次第。

なお、ここで取り上げる音楽とはBGM、いわゆる劇伴を指すことを予めお断りしたい。

<ここから本題>


本シリーズ三作に携わった作曲家は2人。

グランセイザー、ジャスティライザーの二作を担当した高梨康治と
セイザーXのみ担当の高木洋。
特に高木は、セイザーX参加時点でのキャリアは浅い。
#師匠である羽田健太郎について仕事はこなしていたようだが。
高梨は90年代末期から活動が確認できるが、アニメやゲームの音楽担当であることが多かったようだ。


グランセイザー、ジャスティライザーとセイザーXの違いは明確で
「ブラスを前面に出し、全体的に多用している」か否かである。
作曲家が違うのだから当たり前といえばそうなるのだが、ここは印象の変わる部分として特記しておきたい。


グランセイザーの時はポップスのバンドでも再現可能な構成(ギター、ベース、キーボード、ドラム)で音作りしているようであり、
かつギターが前面に押し出されているのが特徴的。
戦闘シーンでよくギターソロが鳴り響いている印象が残っている人もいることだろう。

そしてジャスティライザー。
こちらではさらに和楽器を付け足しているためか、グランセイザーやセイザーXと比べても
音の多彩さが最も耳に残る。
装着時や必殺技時、ノルンとの交信シーンにライゼロス発進シーンなどがすぐに思い出せる程度には
記憶に残っているし、実は音楽に関してはジャスティライザーが一番印象深い。

セイザーXでは、先ほど指摘したように
作曲家が変わったことも影響しているが、前二作と違いブラスを前面に出した楽曲が出揃う。
ただし、全体的に音楽そのものが目立たないようにも感じるのはどういうことなのか・・・。
#楽曲そのものが印象が薄いということかというと違う気もするが。


音楽についての、個人的な好みでいえば
ジャスティライザーが一番で、ついでグランセイザー、そしてセイザーXとなる。
ジャスティライザーに関しては先ほども述べた、多彩さが耳に残っていたからでもあるし
グランセイザーはロックサウンドを前面に押し出した音作りが印象に残っているから。

で、セイザーXだが・・・ 申し訳ないが劇中BGMで「コレはいい」と感じたものが一切なかった。
これはこれで、音楽側が目立ってないという意味ではいいBGMと言えるのだろうか?
一応タイトル音楽、アイキャッチ、サブタイトル音楽などは記憶には残っているのだが
自分自身としては、それらについては前二作においても同様である。
つまりは本編音楽の印象が残っていないということだが・・・。
辛うじてセイザーX側がピンチになるときの音楽くらいだろうか。
ブラスパートを前面に出したせいもあるのか、全体的にややアッサリ目の音楽が増えた印象ではある。


東宝ヒーロー作品でブラスの印象が強いといえばなんといっても「電脳警察サイバーコップ」だろう。
アイキャッチ曲は後に「TVチャンピオン」に流用されるほどに有名な曲でもある。
作曲は元スペクトラムの新田一郎だからか、勢いと鋭さのあるサウンドもあり
またブラス抜きの楽曲にも記憶に残るものはあるため、単純に作曲家そのものの嗜好の違いなのだろう。
個人的には新田の楽曲は好きなので、どうしても比較してしまうのは否めないが・・・。

そして「レインボーマン」も楽曲自体の多彩さが耳に残っている。
ジャズ基調のようだが、牧歌的な音楽やインドまたはアフリカ音楽的アプローチの楽曲もあり
作曲者の北原じゅん自身のセンスと音楽的素養・学習が遺憾なく発揮されているといえる。
ヒーローものに携わった作曲家としては先の新田一郎と並び最も好みである。


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一応、別更新で改めて述べるつもりだが
音楽にも関わっている部分なので、少し触れておきたいことがある。


本シリーズは東映の戦隊シリーズや平成ライダーシリーズを意識しているといわれがちだが
実はOP映像の構成においてはむしろ円谷の平成ウルトラシリーズの影響が強い。
言っておくがOP曲が、ということではない。
その映像自体はどちらかと言えば平成ウルトラシリーズのようなテロップの出し方
及び登場人物の出し方であり、このあたりは当時の東映作品のOPと比較していただければすぐお分かりいただける違いである。
東映作品の場合は基本的には主演のアップとともに役者の名前が入るが円谷作品はその構成を採らない。
超星神シリーズ三作全て円谷作品(特にティガ~ガイアまでの間)のフォーマットに沿ったOP構成である。


この更新で、OPについて特記しておきたい点は「タイトル音楽」である。
本シリーズはタイトルを出す際5秒程度の軽い映像と音楽を流しており、そのあとあらすじを挟んでOPテーマを流す形となっている。
# この、タイトルとOPテーマの間に挟まれた「あらすじ」が、東映とも円谷とも違う差別化とは思う。
# 各作品、回によってはこのあらすじが本編に差し替えられることもある。

タイトルを出す際に専用音楽を流すというのはウルトラシリーズ伝統のパターンである。
#もちろん作品によってはこのパターンをとらない物もある。ウルトラマンタロウなど。
東映作品の場合は大抵効果音をバックに流すか、OP曲イントロがかぶる形でタイトルを出すため
このへんも違いとしては目立つ部分だろう。


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ヒーローものオタクならごく普通に存在しているものとしている「挿入歌」だが
本シリーズにおいてはジャスティライザーにしか存在していない。
サントラレベルでは用意されているのだろうが、劇中で実際使用されたという意味では
ジャスティライザーのみにその使用例があった。
中盤でちょいちょい使われていた「三つのチカラ」がそれになる。

本シリーズは、ヒーローの活躍時に主題歌を流すというベタな手法はかなり限定された状況でしか用いられていない。
その上、挿入歌を用いて音楽的にシーンの演出を行う手法をとってもいないのだが
この「三つのチカラ」は唯一の例外と言える。
大体三人揃った時に流れたのだが、しかし終盤まで毎度のように使用されていたわけではないので
いつの間にか使われなくなった、という印象が強い。

ジャスティライザーと言えばOPのシングルCDにも収録されており、毎回OP前のあらすじにも流れている
「ライザーグレンのテーマ」が、挿入歌としても使われるかと思ったものだが・・・。
実際には先述したように、あらすじにインストゥルメンタル版が使われる程度となった。
他の使用例だと初期のジャスティライザー戦闘時にもたまに使われたりもしたが。

一応、東映作品を露骨に意識したはずのジャスティライザーなのだが
音楽の使用という部分においても中途半端なまま終わったといえようか。


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こうして、不得手ながら音楽についても軽く比較を交えて考察?をしてみたのだが・・・。