2019年12月30日月曜日

レインボーマン・第十四話

第十四話 「恐怖のM作戦」






<新たなる戦い>

冒頭。 キャッツアイ作戦の最終決戦までに敗れ去った死ね死ね団員を弔うミスターKと
残された団員達。
敬礼の後、ミスターKは高らかに次なる作戦の開始を宣言する。

日本人の自滅を狙う、贋金作戦。
世界戦史に類を見ない、理想的な抹殺作戦。
それと並行してのレインボーマン抹殺の為の別作戦も同時進行で進めようという構えであった。



その贋金製造の真っ最中に、製版工の一人が過労死してしまう。
まだ完成していない贋金を完成させるための仕上げ部分を作れるのは、東京の下町に隠居している松前源吉ただ一人。
報告を聞いたミスターKは、ただちに源吉の拉致をキャシーに命じた。







日洋新聞社ビル。
タケシは父の消息を知るべく、同僚の外信部デスク・黒谷を訪ねる。
社内の記録などを調べたものの、なんら情報が見つからないと黒谷は言う。
東南アジアで行き違いになったとも言うのだが、いずれにせよそれ以上の情報はない。
そのやり取りを、遠くで見ていた男。

タケシがビルから出ると、その男がタケシと接触。 
平という名前の男がタケシと共に何処かへ行くのだが、それをオフィスの窓から覗いていた黒谷。
すぐさまミッチーへ連絡・タケシらを尾行する指示を飛ばす。



一方、ミスターKはアフリカにある死ね死ね団研究所の殺人部部長・ブルド博士に連絡。
それまでのレインボーマンの能力を分析した上での対策を、このアフリカ支部で練っているようであった。
その結果、7つの超能力に対応した7人の殺人プロフェッショナルを育成。
日本に向けて送り込まれた。






<恐るべき陰謀>

東京の下町・銭湯から出て行く松前源吉と孫のマー坊。
そこにキャシーが現れ、あなたの腕を見込んで是非仕事を依頼したいと言う。
マー坊を一人で先に帰した源吉だが、その背中には拳銃がつきつけられる。
車で拉致される源吉。



同じ頃、平とタケシが公園で父・ヤマト一郎のことについて話をしていた。
暗号文のようなものを手紙で送られてきたのだが、これがヤマト一郎の運命を握っているのでは。
そのように平は言うのだが、二人が話しているベンチにはカブトムシ型の盗聴器が忍び込んでいた。
会話の一部始終は、ミスターKらに筒抜けであった。





直後、死ね死ね団員による平の拉致が行われる。
タケシはレインボーマンに変化して対処するが、平は既に連れ去られた後。
平を探すレインボーマンだが、そこへ団員がアイ・パンチを撃ち込み目を眩ませる。
攻撃をすんでのところでかわし、ダッシュ6へ変化。 疾風土煙火の術によって地中へ逃げ込む。




死ね死ね団のアジトでは、先ほどの会話の録音を聞かされる平。
ミスターKは会話の中にあったヤマト一郎からの手紙の場所を探ろうとするも、返答を拒否。
拷問にかけてもラチがあかないため、ミッチーに平の家を探させるよう指示。



タケシの家では、たみに平の手紙の件を話すが、どうやら一郎はたみにも手紙を出していたようだ。
その手紙には、三通分の別の手紙がはいっていたようで、そのうち一通が平のもとに届いていたのだろう。
ただ、10年前の話であるためにたみもあて先は覚えていない。

一郎の手紙を持ち出させ、確認するとアルファベットと数字。
推察するに、どうやら地図上のある地点を差しているようだと結論。
しかし全ての手紙が揃わない限りはいかんともしがたい。 タケシは急いで平の家へ向かう。





その平の家では既にミッチーによる家捜しが行われており、はたして部屋の額縁裏にブツを認めるミッチー。
一足遅く到着したレインボーマンだが、ミッチーは団員をけしかけすぐに退却。
平の家に火を放つ。
ダッシュ3へ変化し消火にあたるが、団員たちまで脱出してしまう。






<アマゾンの魔女>

ミスターKに例のメモのひとつが渡される。
メモには、なにかが私に起こった場合、警視庁に連絡するようにも書かれていた。
残りのメモもレインボーマンに先駆け手に入れるよう、団員に指示するミスターK。
タケシも、たみに残り二通分のあて先を思い出してもらうようにせかすのだが。

ミッチーが、アフリカ支部から荷物が届いた旨ミスターKに伝える。


別室へKが向かうと、そこには「アマゾンの魔女」イグアナ。
彼女の背後には他にも6人の殺人プロフェッショナルが収まる棺が。
早速、Kの指示により毒殺のプロ・フドラが派遣されることとなった。

続いてイグアナは、平に対して催眠術をかけ意のままにあやつることに成功。
タケシへ電話をかけ、平に「秩父山中の別荘にいる」と喋らせおびき出すことになる。
その言葉を疑わず、タケシはレインボーマンへ変化・秩父山へ直行する。






秩父山中の別荘へたどり着いたタケシ。
使用人らしき男に邸内に通されたタケシだが、どうにも不穏な雰囲気が漂う。
男が去った後、毒蜘蛛が天井から落ち、さらに毒蛇がソファを這い、タケシの手に噛み付く。
急いで毒を吸いだすタケシだが、その一部始終を認めるは殺人プロフェッショナルのフドラ。
投げナイフと毒蜘蛛を駆使しタケシを追い詰める。



やがて屋外へ逃げ出すタケシはレインボーマンへ変化。
外に待ち構えていた死ね死ね団員との戦闘にもつれ込む。
レインボーマンに対して吹き矢で襲うフドラ。

レインボーマンの新たなる戦いの火蓋は、ここ秩父山中で人知れず切り落とされたのである。






【レビュー】



M作戦の始まりが描かれる今回。
日本人抹殺のための、贋金作り及び大量流通による経済混乱がこれから10話近くかけて描かれていくことになる。


しかし一方、レインボーマンの妨害を織り込んだ上での対策・殺人プロフェッショナルの起用により
キャッツアイ作戦の欠点をカバーしてもいる。
そしてしばらくの間、レインボーマン自身も殺人プロフェッショナルとの戦いに追われることになる。
#ということは、死ね死ね団の基地捜索すら不可能というわけだ。



さらにドラマにも関わってくる部分として、父・ヤマト一郎の消息と彼の手紙による謎も提示される。
本編では、恐らく地図上のある地点を差しているはずだとタケシは察するが、当然それは
ミスターKも気付くものであり、彼から見ると恐らく死ね死ね団に不利に働く情報である為
こちらに対する対処も行うこととなる。

つまり、M作戦では同時に3つのストーリーラインが動くこととなる。



M作戦本体・殺人プロフェッショナル・ヤマト一郎。



これらが渾然一体となり、本作特有の複雑極まりない展開を見せていくのがM作戦編である。
果たしてレインボーマンはこの状況にどう対応していくのだろうか?






【特撮の見どころ】



・新しい変化バンク(ダッシュ7)

この回よりつかわれることになる、新しい変化バンク。
空中前転を繰返す、印象的なカットだ。
キャッツアイ作戦編では、OP映像でも使われている同心円状に拡がる虹色をバックにした、ダッシュ7の変化がバンクとして使われていた。

また、今回は東宝特撮映画からのライブフィルムが挿入されている。
本作は別作品からのライブフィルムを多く使っていそうにも見えるが、意外と多用はされていない。
それゆえかえって目立つというのもあるが。