2020年2月9日日曜日

レインボーマン・第十五話

第十五話 「殺人プロフェッショナル」






<M作戦・レインボーマン抹殺>


前回からの続き。
殺人プロフェッショナル・フドラの毒殺法に翻弄されるレインボーマン。
毒針・毒糸・毒鎌とのコンビネーションにより次第に体力を消耗していく。
毒糸からの脱出に成功したレインボーマンはダッシュ6へ変化・地雷震の術で一時的に地中へ退避。


フドラと死ね死ね団員が、地中から出てくるレインボーマンを待ち受けようと捜索。
しかし、地中で解毒の術により毒の処置を施していたレインボーマンが、
油断していたフドラの足を掴み地中へ引きずり込む。
これによりフドラ撃破に成功する。




この一報は直ちにミスターKの知るところとなる。
イグアナは、世界に二つとない殺人プロフェッショナルではないのかと皮肉を浴びせられるも
すぐに第二の刺客・ガルマを送り込む。




再び山中。すでに夜になりつつある。
体力の消耗が激しい為、川べりでタケシはヨガの眠りについてしまう。 
現地に到着したガルマは、団員に捜索を命じる。




<源吉の葛藤>


贋金工場にて、命令を聞かず一向に製版しない源吉。
ムチで打たれてもその抵抗は全く揺らぐことがない。
メイジャー・ボルトの懐柔にも動じない。
そうした状況報告を受けたミスターKは、妻でも孫でも攫ってくる才覚も浮かばんのかと叱責。
その源吉の家では、妻が源吉の帰りを待っていたのだが・・・。




そして翌日。山中ではヨガの眠りから目覚めるタケシ。
川の水を飲んでいるところにガルマが襲い掛かる。
レインボーマンへ変化し、強力な溶解液と火炎放射を使いこなすガルマと戦闘するのだが、
バリアで溶解液を防ぎ、不動金縛りの術により動きを封じ脱出に成功する。
硬直するガルマ。 嘆くイグアナ。
仕方なく現地へワープし、ガルマにかけられた術を解いてやることになる。




東京に帰ったタケシは、父の同僚であった平まで巻き込むことになったことを悔やむ。 
その足でどんぐり園まで向かうのだが・・・。


そのどんぐり園では、源吉が夕べから戻ってこないマー坊が泣いてしまう。
叔江が詳しく話を聞き、源吉の妻へ話を聞きに出かけていく。
その入れ違いにキャシーの乗る車が、マー坊をさらっていってしまう。
正造がマー坊を探しているところにタケシが合流。


一部始終を遊具の中で覗いていた女の子により、マー坊がキャシーに誘拐されたことを知るタケシたち。
ちょうどタケシがどんぐり園に入る直前に走り去った車。
それを急いで追いかけるタケシは、ダッシュ5へ変化し追跡するのだが
マー坊が捕まっている以上迂闊に手は出せない。




<暗躍・御多福会>


ところ変わって御多福会。
源吉の妻・くにはすがる思いで此処へ神託を伺いに来たのだが、
無事であるということとあと二週間もすれば戻ってくるという旨がくにに告げられる。
おたふくの面をつけた巫女が、「お守り」と称した紙包みをくにへ渡すのだが
その中身はいくつかの札束。


狼狽するくにに、巫女は親兄弟に教えてはならないが、困った人がいればこの会のことを教えておあげなさいと伝える。
その分だけ、源吉が帰ってくるのは早くなるだろうと。




御多福会から出ていくくにと叔江が落ち合う。
源吉がさらわれたことを聞いたくにはショックを受け、うっかり紙包みを落とすと札束が出てくる。
いぶかしがる叔江なのだが。


一方とある施設へ乗り込むレインボーマン。
キャシーの車もそちらに入り込んでおり、マー坊を救出するべく突入したのだが
ガルマと死ね死ね団員が行く手を遮る。


溶解液・ガルマブルーの威力を目の当たりにしたレインボーマン。
人間ポンプ・ガルマと団員たちの妨害に焦りが生じる。
マー坊を一刻も早く助けたい。 しかし心と体が引き裂かれんばかりの状況に追いやられていたのである。




【レビュー】


ここからは死ね死ね団の贋金バラマキ作戦にかかわる新興宗教団体・御多福会が登場する。
ここでは源吉の妻・くにに対する札束授与しか行っていないのだが
これが後々エスカレートしていくことになる。


今回は贋金の完全版を作るべく源吉に版の残り工程を作らせたい死ね死ね団の目論見が話の骨子となっている。
マー坊誘拐によって源吉に揺さぶりをかけていく一方、たまたまくにが訪れた御多福会の登場と、
M作戦が徐々に進行していくさまが描かれている。


一方殺人プロフェッショナルもフドラに続きガルマが登場。
若干抜けたガルマとの闘いは、次回も含めてコミカルな風味が強い。




今回の演出はかなりスピーディーな展開を見せる。
特に後半のマー坊誘拐に関する、一連の描写が印象深い。
もっとも、M作戦編は死ね死ね団側とタケシ側の描写を入れ替わり立ち代わり挿入していく作劇を採用しており
これが一種ストーリー展開の速さに寄与しているのだが
今回はそうした部分を割合判りやすく提示していると言えよう。




【特撮の見どころ】


・なし


ただし、フドラを倒すこととなるダッシュ6の、地中へ引きずり込むシーンは中々インパクトがある。
それヒーローの戦い方といっていいのか。
♯東映や円谷の作品に慣れるとこういう感想も出てしまいがちではある。


東宝のヒーローものの中でも特にレインボーマンほど、ヒーローもののデファクトスタンダードと言える東映・円谷の戦闘描写とは異質な作品もないと言えようか。


見方を変えれば、これほど現実的な戦い方もないと言える。
外連味を一切排除し、かつ強敵を倒すとなるとあらゆる手段を用いてでも倒すということだろう。