2020年4月27日月曜日

レインボーマン・第十六話

第十六話 「殺人プロ ガルマの復讐」






<マー坊救出>


前回からの続き。
ビデオ電話にて源吉とマー坊が再会を果たすもキャシーは用済みとして
マー坊の始末を指示。 麻袋の中に入れる。



何かを察したレインボーマンは、倉庫の壁を飛び蹴りで破壊し救助に向かう。
それを追うガルマだが、壁を壊せずに頭を回す。




マー坊を間一髪のところで救出したレインボーマン。
麻袋の中から出したものの、合流したガルマがレインボーマンたちを追い詰める。
ガルマファイヤーでダメージを負うレインボーマン。ガルマが徐々に距離を詰めていく。
その足元に麻縄。 マー坊がそれを見つけ引っ張る。
気づかなかったガルマが足を引っかけ転倒。 マー坊めがけ襲い掛かろうとするのだが
形勢を立て直したレインボーマンの不動金縛りの術でまたも動きを止められる。


マー坊とともに脱出することに成功したレインボーマン。
その一部始終をアジトで眺めていた魔女・イグアナ。
それでこそ倒し甲斐があろうというもの、とした一方二度も同じ手で仕留め損ねたガルマの哀願にあきれ果てる。
現地へワープし、ガルマの金縛りを解くと再度のチャンスを懇願。




<疑惑の御多福会>


夜のどんぐり園。 叔江が出ていこうとするとマー坊をおぶったタケシが現れる。
タケシの負傷に気づき、どんぐり園内へ招き入れる。
くにもやって来てマー坊が帰ってきたことを喜び合う。
そのマー坊は源吉と会っていたと話す。 くにもその話を聞いて安堵するのだが。


翌日。
叔江とタケシが二人で話し合う。
おそらく源吉は死ね死ね団に捕らわれているのだが、その理由は判らないとタケシが話すと、
叔江も、くにが御多福会に行っていることを伝える。
困ったことがあればだれでも助ける御多福会。 しかし大金を渡しているということに不審がる叔江とタケシ。


くにの行っていた御多福会支部前まで二人が来ていることに気づく御多福会の幹部だが・・・。




<源吉とマー坊>


贋金工場では、源吉が己の腕を呪っていた。
メイジャーボルトが出来栄えを褒めていると、左手に握ったノミで利き手の右手を傷つけようと振り下ろす。
しかしちょっとの差でボルトのムチによって止められる。
この右手さえなければお前たちの悪事に加担するこたぁなかったんだ、とタンカを切る源吉だったが
ボルトも、それでは可愛い孫の腕も飛ぶことになると脅す。


お前らの脅しに乗るもんか。マー坊の無事な姿を拝むまでは死ぬ気はない、と言う源吉に対し
ボルトは実際にマー坊に会わせることを約束。 ただし文句は言わせないと付け加えて。




源吉の家では、御多福会に関する話をくにから聞き出そうとするタケシ。
しかしうつむいて何も言えないくに。
マー坊は買ってもらったプラモデルで遊んでいる。
それを、ボルトに連れてこられた源吉が眺めている。


なおも御多福会について口をつぐむくにに、結局は折れることになり別れるタケシと叔江。
源吉もまた、ボルトによって工場へ戻らされる。




<死の罠>


死ね死ね団基地では、平がミスターKの尋問を受けている真っ最中。
ヤマト一郎のメモは残り何枚で、だれが持っているのか。
それさえ教えれば一生遊んで暮らせるだけの金をやろうとK。
しかし一向に話さない平。
イグアナを呼びつけ、始末をさせることになった。


平を寝かせつけ、その胸の中に爆弾を仕掛けるイグアナ。
更に催眠術により平を操る。




一方タケシと叔江。 くにの頑ななまでの黙秘に訝しがる叔江。
タケシは御多福会に探りを入れるべく叔江と別れる。
尾行していた死ね死ね団員により、タケシが御多福会へ向かうことが知れる。
M作戦に気づかれたかと焦るKだったが、まだそんなわけはないと気を取り直すと
キャシーに御多福会支部の移転及び責任者の処分を命じた。


同時にイグアナへ人間爆弾と化した平をけしかけるよう指示。
タケシの向かう先へとワープさせたのだった。




<証拠隠滅>


御多福会支部。
ミスターKの命令書を、責任者たる御多福107号に対し読み上げるキャシー。
くにを会員にした上、タケシにも気づかせるという致命的なミスを犯したカドで処刑される107号。


一方タケシは、御多福会へ向かう途中平に会うのだが、
近寄ろうとするタケシに、一瞬催眠が解けた平が近づいてはいかんと怒鳴る。
催眠による命令を下すイグアナなのだが、全く受け付けない。
お父さんのメモを君自身の手で探し出すんだと平。 その内容をタケシが聞こうとすると
平が何かをいおうとした瞬間、爆発させられてしまった。


107号の処刑が終わった御多福会支部では、急いで引き上げ作業が始まっていた。
そこに間に合うタケシ。
床に落ちた札束を認めたタケシは贋札かと問質す。
拳銃を構えるキャシー達のスキを衝き変化。戦闘に移る。
死ね死ね団員と戦っているさなか、天井からガルマが襲い掛かる。
ガルマに後を任せ、キャシー達は引き揚げ作業を終わらせる。




屋外に出てガルマとの決闘。
ガルマファイヤーをバリヤで防ぐダッシュ7だが、防戦一方のまま。
ガルマブルーを吹き付け追い詰めるガルマ。 さらには死ね死ね団員によるボウガンの援護も加わり形勢は不利。
しかし木に刺さったボウガンの矢をガルマの胸めがけて打ち込むと、ポンプが壊れ
ガルマブルーがガルマ自身を溶かしてしまう。
ガルマとの決着がついたと見るやキャシーは急ぎ離脱。
それを追うタケシ。トラックにしがみつき、御多福会の本拠地までついて行こうとする。


一夜明け、ミスターKはトラックにしがみつくタケシを監視カメラで確認。
トラックもろとも爆死させようとトラックを自爆させる。


M作戦、果たしてその行方や如何に。




【レビュー】


この回でようやく死ね死ね団の新たな作戦に気づいたタケシ。
贋金をばら撒くところまでは判ったものの、それがどのような結果をもたらすかまではまだこの時点では判らない。


また、父・ヤマト一郎の手紙による4つのメモの在処を探る話も同時に進行していくこととなる。
なんとしても残りのメモをさがし処分したいのはミスターKの側であることから
タケシに悟られては不都合な内容が記されているのだろう。




前半のガルマによるコミカルな戦いと、後半の御多福会や平がらみのハードな展開の落差が激しい回でもあるが、
躊躇なく責任者を処分、しかも命令書まで読み上げてのそれに一種ミリタリズムのようなものを感じる。
死ね死ね団にとっては日本及び日本人の抹殺は戦争に等しい目的であることは
M作戦そのものを「人類戦史に類を見ない理想的な抹殺作戦」と定義していたことでもよく判る。
また、平から情報を引き出せないと見るや人間爆弾として再利用するあたりのドライな手段も目を見張る。


そして源吉のドラマも、タケシが全く分からないところで進行していた。
死ね死ね団につかまっているであろうことまでは予想していても、全く手がかりがつかめないどころか
殺人プロフェッショナルとの交戦や御多福会の策動への対処とせわしない展開の中では
タケシ自身も源吉にまでは手が回らないのであろう。
♯これが結果的にはM作戦そのものの進行を食い止められなかったこととなるのだが。




M作戦編を通じて、この回は上記の展開によって複雑さを持ち合わせている。
もっともこの回以降は多少話の流れが収束に向かうのだが。
本作は、子供向けとは言え話の流れが複雑に入りくんでいるのが特色としてあるが
これが終盤に向けての良いタメになっているのは記憶されても良いだろう。




【特撮の見どころ】


・平に爆弾を埋め込む一連のカット


特に平の胸にイグアナが手を潜り込ませるカットと、
爆弾を埋め込んでからのカット。
粘土か何かの上にパウダーを振りまいているのか、穴の周辺のひび割れに妙なリアリティがある。