これは前回更新を踏まえた考察?である。
本更新に冠した「おとぎ銃士赤ずきん」なのだが、前の更新を終えた今
「そういやセイザーXの次にコレになったんだよな…」ということにふと思いが至った。
至ったのだが、よくよく考えると何時から企画が進んだのだろうか、とも思った。
当時この作品を追いかけていた人間には既知の話だが、この作品元々は「フィギュアニメ」なる珍妙なジャンルとして作られていたものであった。
#フィギュア付属アニメなのか、フィギュアとアニメが別売りなのか判りづらい。
セイザーXを最後に、シリーズ展開を終える判断を下したタイミングが詳らかではないのだが、コンプリーションを踏まえて考えるのであれば、
遅くとも2006年1月頃には既にコナミがスポンサーを降りる旨が伝わっていたはずである。
そして元々イヴェント限定販売アニメを急遽テレビアニメ化した、ということになるのだが両者で細かい差異があるやに聞く。
アニメ製作は放送半年前に企画キックオフしたのだろう。そうなれば2006年2月には始めていないとおかしいのだが…。
しかし、こうした映像作品業界関係者や、オタク各位からしたら疑問も出てこよう。
いくらなんでも半年前から企画スタートは遅いのじゃないだろうか。
素人の自分でも流石にそんな早く進められるわけがないと思う。
#似た例だと、円谷の「ウルトラマンネクサス」が急遽短縮打ち切りとなった為に急ぎ「ウルトラマンマックス」を製作した、というのがあるのだが特殊な例であろう。
しかも特撮ヒーロー枠だった超星神シリーズから、アニメ枠への復帰となると然程余裕がないはずだ。
なおセイザーXが3クールに短縮されていたのは元からであり、コンプリーションを読めばそのへんの経緯は書かれているので繰り返さない。
そしてそれを踏まえてみると、結局コナミが次作スポンサーになることを断念、つまり降りたわけだが
その後の「赤ずきん」は、コナミスポンサー作品でもある。
恐らくコナミ主導の企画として「赤ずきん」は製作されたのだろう。本シリーズでコナミがあまり関わっているように見えないのとは対照的に。
自分は過去の更新で「(セイザーXは)3クールに短縮したが、元来3年のプロジェクトの余った1クール分に、更にコナミの判断で2クール足した上で赤ずきんの製作をした」
旨の発言をしているのだが、この「赤ずきん」の後番組が全くコナミの関わっていない作品になったことを考えると、あまり間違いでもないような気もする。
するのだが、しかし妙な話だと思う。
コナミ主導だとしても、その割には製品企画も含めて急すぎる。
恐らく急ピッチで企画を進めていたのだろうが、しかし半年である。
製造工場の予定を押さえたり、おもちゃのデザインを進めるにしたってアニメ製作と同時進行なのはそりゃそうなのだろうが、
製造側がそこまで早いペースで金型製作から製造まで一挙に進められるものだろうか? そのへんは素人なので何とも言えないのだが。
なによりコナミ主導とはいえ、自分個人としては「赤ずきん製作はテレビ東京と読売広告社の意向もかなり入った結果」とも睨んでいる。
コンプリーションに戻ってもらいたい。
元々セイザーXは、東宝の意向で3クール短縮しており、その意図はコンプリーションを一読すればすぐわかるが、
テレビ東京は無理して3クール短縮を呑んでいる。
そして現実はコナミがシリーズ続行を断念した結果、4作目は消滅しコナミスポンサーの「赤ずきん」へと変化した。
テレビ局および広告代理店にしてみれば憤慨していいところだろう。
恐らくセイザーXの企画キックオフの段階では、テレ東も読広も「4作目を作ることを踏まえて」企画製作に携わったはずだ。
しかしコナミがスポンサーを降りたことで、実制作に関わったゼネラルエンタテイメント、製作委員会の幹事社である東宝は面目丸つぶれなわけである。
だがこの場合、ゼネラルエンタテイメントと東宝は「じゃ、失礼します…」と離脱すればいいだけの話だろう。
しかし枠をわざわざ無理して空けた(上に、3年目は東宝の意向で1クール短縮している)この土曜9時。
特にテレビ局は番組編成の都合が付かなくなったことに憤慨と混乱をきたしたことは想像に難くない。
しかもこの枠、超星神シリーズ開始後に大人向けホビー誌で出た情報として
「コナミがシリーズの為に3年枠を押さえた」
ものである。
となると、枠を持ってる立場であるコナミとしては、テレビ局への埋め合わせも兼ねて急遽「赤ずきん」の為に、半年追加で枠を取ったに違いない。
「3年目が9か月なのは東宝さんの都合なので…」と、逃げられなかった事情は、このへんにあったとしても不思議じゃない。
先述の話自体、セイザーXの前(少なくともジャスティライザー放送開始前)には既に年長の視聴者には雑誌やネットで伝わっている話である。
テレビに代表される電波媒体の契約について明るくないが、
仮に3年抑えた枠を3か月分と言えど急遽返上します、となった場合、それでも違約金発生はありえそうである。
#そういう厳格な契約が電波媒体で発生するのかは知りませんが。
違約金を払うくらいなら半年プラスして、何か埋め草的に販促アニメを作る方がマシかもしれない、とコナミが考えたのではないだろうか。
現実、コナミは遊戯王のアニメも好調でテレ東との関係も悪くはなかっただろう。
しかしこの為だけに当時の枠から遊戯王を移動させるほどでもない、というのはコナミが考えるよりもテレ東側が判断しててもおかしくない。
コナミもコナミで面子や実際的な部分を考えた結果生まれたのが「赤ずきん」なのだろうか。
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以上、現象面から、またコンプリーションを踏まえた考察である。
もちろん実際はどうなのか判らない。
実のところ「おとぎ銃士赤ずきん」のムックは今なお存在していない。
当時のアニメオタク諸氏が、業界から仄聞したであろう情報を持っている可能性もあるのだろうが・・・。
このような、あまりにも「赤ずきん」に関する情報が乏しい状況下では、ほぼほぼ現象面を踏まえた想像に頼るほか、考察は出来ない。
出来ないし、自分が今回この更新をした理由は
「いくら何でもコナミの動きが早過ぎる」ことに対しての疑問があったからで。
赤ずきんのテレビアニメ版製作については、一説によれば元々深夜アニメを念頭に企画製作されていたと言う。
それを、「おもちゃを売りたいがために」セイザーXの後釜とした、というのが一部アニメオタク側の解釈らしいのだが、企画のスライドはともかく玩具云々はちょっと違うようにも思える。
理由は既に述べたので繰り返さない。
だが要約するならば単に枠を押さえたコナミ側の都合で、急遽余った3か月+追加で半年分抑えた上で製作した、という所だろう。
さらに言えば、テレ東や読広から「この浮いた3か月分どうするんですか?」と、コナミ側に対して意見していたとしても謎ではない。
#それはそれでより酷い話なのだが。
しかし深夜の企画を急遽埋め草としてスライドさせるというのは無理があったようで、
結局こちらもセールスは振るわず、土曜9時のコナミスポンサード枠は合計3年6か月で消滅したことになる。
テレ東にしてみたら、この追加分の半年の間に「この次の番組企画」を待つor製作する間が出来たのは僥倖だったのかも知れない。
結果、後番組に元スクウェアのあの人と、ドラゴンクエストシリーズのキャラデザで著名なあの人が組んだ某ゲームのアニメ放送に漕ぎつけられたわけで。
#奇しくもそのゲームのTCGをコナミが販売している。 不思議な縁もあるもんだ。
・・・ひょっとしたらそのアニメも、元はもっといい枠をあてがいたかったのかも知れないのだが。 なんせ(機種こそXBOX360ではあるが)ビッグネームを揃えたゲームのアニメなんだし。
しかし元々深夜アニメの企画だった、とは言えまだ
・玩具の企画や製造の体制を整えるのが早い
というのはまだ謎として残っている。
もっと言うなら、深夜アニメとして企画したのが何時からで、どのタイミングであの枠へ移動させることが決まって、企画を女児向けへ無理くりに変化させたのか。
結構大きな謎ではある。
・・・まあ、何にせよ「東宝やゼネラルエンタテイメントの尻ぬぐいにコナミが急遽企画をスライドさせた」
という事なのだろうか。
これはスポンサーであるコナミの読みが甘すぎたのもあるし、東宝以下製作委員会側が能天気だったのもあるしで、何ともだが。
そりゃ、コナミもこの3年半に関して沈黙しつづけるわけだ。