2019年10月4日金曜日

レインボーマン・第七話

第七話 「キャッツアイ作戦上陸す」


<出発・死ね死ね団>

潜水艦内。 死ね死ね団アジトの島が爆発していく様をモニタするミスターK以下幹部。
いよいよ、キャッツアイと共に特殊潜水艦により一路日本へ向かうのだった。

一方レインボーマンは、間一髪のところで脱出することに成功。
光となってマカオの海岸ちかくへ到着した。
ロコは何故生きているのだろう?とタケシに問うと、正しい者は死なない、と返す。


日本では、たみとみゆきが何時までも帰ってこないタケシを思い煩っていたのだが
どんぐり園でも、とうとう借金の返済期日が明日に迫っていた。
金を作れずに悔やむ正造。 淑江も悲しむ。


マカオの街中では、宿を借りて泊まるタケシとロコ。
タケシとさくらが結婚したお似合いだったろうなぁとロコがつぶやくのだが
本当のお兄ちゃんになってやろうか?とタケシ。
つまり、日本に連れて行こうということだったのだが
ロコは、まだ姉が死んだばかりだし一人ぼっちには出来ないとその申し出を断る。

宿の部屋を出て行くロコ。 追うタケシ。
ロコに、困ったことがあったらいつでも日本においでと云うと
ダッシュ7へ変化し、日本へ飛び立っていくのだった。


<狂気の発生>

東京へ舞い戻ろうとしているタケシだったが。 既に到着していた死ね死ね団。
これから諸君等にはバンバン日本人を殺していただきたい、そう高らかにキャッツアイ作戦の開始を宣言するミスターK。

東京へ到着するタケシ。 だが彼の前に明らかに正常な状態ではない男が現われる。
フラフラと歩いていく彼はやがて車道に飛び出しはねられてしまう。
人が集まる中、何事かが起こっているのかと訝しがるタケシだったのだが、足元に転がっているマッチに気付き、拾うと
どんぐり園に急ぐ。


どんぐり園では、任侠一家の組長と鉄を交えとうとう土地明け渡しの段階に入ろうとしていた。
そこへタケシが現れ一万ドルを組長の前に突き出す。
淑江にはその金をどうしたのかと問詰められると、プロレスの賞金であると明かす。
約束を反故にしたことに淑江は訝しがるし、みゆきの脚のことを持ち出され苦悶するタケシ。

そこで結局、組長が強引に一万ドルを受け取ることで話を終了させてしまう。
たちさる組長たち。 
マー坊たちが待っていると淑江を促すタケシ。
正造は、どんぐり園が救われたことをタケシに感謝するのだった。


実家に舞い戻るタケシは、たみにおにぎりをぶつけられ裏手に引っ張りこまれる。
三日も四日も家を無断で空けたきりのタケシに対し、なんの連絡もなしにいなくなったものを待つ身にもなってくれと泣いて怒るたみ。
見かねてマカオに行き、プロレスの賞金を手に入れてどんぐり園の借金を返したところまでは話したものの、
自分がレインボーマンであることと、その使命自体を話せないことに内心苦慮するタケシであった。

みゆきには、これからウンと働いて金を稼いで脚を治してやるからな、と誓う。


<作戦の経過>

スナックにカモフラージュした、死ね死ね団のアジトでは。
キャッツアイは一日でたった1ダースしか使えていない。
日本人の一日あたり新生児出生数約5000人に対して、キャッツアイによる殺人は全くといっていいほど進まない。
作戦の進行具合について業を煮やしたミスターK。
一人100人殺すまで私の前に姿を見せるな、と言いつけ隊員達を送り出す。


あくる日。
早速バイトをするために堀田の職場へ向かう。
職場にある朝刊を見ると、轢死体写真が載っている。
タケシがその写真を見ているとポケットからマッチ箱が出ているのを確認。
昨日轢かれて死んだ男も同じくマッチ箱を持っていたことに気付き、拾ったそれと写真のマッチ箱の柄を確認、
一致していた。

恐らくミスターKの仕業に違いないと察したタケシ。
堀田に今までのいきさつを話す。 すると車がやってきた。
それにはミスターKが乗っていたのだが、タケシが来たことに気付き車を急いで出す。
作戦は既に始まっているのにここでジャマをされるわけにいかない。

ミスターKは女幹部・ダイアナに、何が何でも今日中にタケシを殺すよう指示。
ダイアナは車から出て何処かへ向かう。


職場内では、堀田とタケシの話し合い。
おとといまで死ね死ね団はマカオに居た。 そして12人も死んだ今回の事件は先日起こったものだからつじつまは合う、とタケシは云うのだが
だからといって死ね死ね団が日本に来ているとは限らないだろうと疑問を呈する。
堀田はどうやらこの死亡事件は偶然のものとしていたようだが。

夜中、職場から出て行くタケシだったが
ダイアナと死ね死ね団員に付けねらわれていることに気付き、追い詰められる。

タケシの読みは正しかった。
しかし今や早速絶体絶命の危機が迫っていたのだった。


【レビュー】

とうとう始まるキャッツアイ作戦。
今回は最もコミカルテイストが強い回でもある。
それは前半の任侠一家のくだりと、後半のミスターKと団員たちのやり取りから見てもよく判る。
特に、やり取りの中でマンパワー不足に困ったり、やはり女性隊員を増やすべきでは・・・という泣き言が見られたりする後者は
組織の片隅で働くものから見ると、中々身につまされるものも感じる。

その一方、家族にも自分の使命をいえない辛さをさりげなく提示して見せたり
堀田との話し合いの中では、それほどアッサリとタケシの話を信用しない下りがあるなど
コミカルな展開の合間を縫ってシビアな展開と、タケシ自身のドラマを掘り下げる描写を織り交ぜており
かなり好感の持てる構成をしている。

つくづく何故後年の東宝作品じゃこれが出来なかったのか、と首を捻らざるを得ないのもまた事実なのだが。



【特撮の見どころ】

・なし