2019年10月4日金曜日

レインボーマン・第五話

第五話 「死ね死ね団の陰謀」


<逃避>

朝焼けの中、さくらの自宅へと歩もうとするタケシなのだが
さくらに肩を借りなければ満足に動けない有様。
ヨガの眠りを取らなければレインボーマンへの変化に必要なエネルギーを回復できないのだ。

一方死ね死ね団アジトでは、自分たちの存在を知られたことで怒りを爆発させるミスターK。
黄色い豚ども=日本人皆殺し計画としてのキャッツアイ計画を前に
極秘に作戦を遂行する為にも、タケシを殺さねばならんと息巻く。
幹部達に指示を出す。


さくらの家、結跏趺坐し瞑想の姿勢のまま白くなり固まってしまったタケシ。
脈拍も少なくなり、呼吸も少なく、冷たくなった様はまさに石のごとく。
タケシが死ぬのではないかと恐れたさくらは、抱きしめて体を温めようとする。


死ね死ね団アジトでは、ミスターKを中心にロコを拷問にかける。
ムチで叩こうが火で炙ろうとしようが頑なに口を割らないロコに
ミスターKは家に帰そう、と突如束縛を解く。
君の家は?と訪ねうっかり自宅の位置をしゃべってしまう。

早速部下をロコたちの家に向かわせるミスターK。


<欺瞞>

さくらとロコの家に向かった死ね死ね団員。
車の音を聞いたさくらが動かそうとするのだが全く動じないタケシ。
そこで機転を利かせ、タケシに法衣のように布をかぶせることで石仏にしてしまう。

さくらとタケシのいる部屋に入り込んだ団員たち。
念仏を唱えるさくらを見て、本物の石仏であると勘違いする彼ら。
かなり時間をかけて探したようだが、結局見つからないと判断して撤収。

それを見ていたさくらだが、ふとベッドに目をやると結跏趺坐を解いて倒れこむタケシ。
ヨガの眠りが終わったのだ。
甦ったことに感涙するさくら。


昨夜(前回)、プロレスショーのあったビル近くで倒れていたのだとさくら。
タケシはロコのことを尋ねたが、昨晩から行方不明だと言う。
どうも死ね死ね団に捕まったのではないかと察したタケシは、岬のふもとの別荘が怪しいのではというさくらの話をもとに
ロコを捜索に出かける。

ダッシュ7となってその現地へ足を踏み入れたのだが・・・


<遭遇>

敷地内に入ると、センサーの反応。
アジト内部ではブザーが鳴り響く。 

アジト内では、変化を解いたタケシがある一室に入るのだがだれもいない。
部屋から出て行こうとするのだが、そこにミスターKが現われる。
初遭遇を果たす両者。
プロレスショーの、残りの賞金の話などをしつつ気を逸らしていると
死角からタケシの左胸めがけてボウガンが撃ち込まれる。

胸にボウガンの矢を受けつつも逃げ出すタケシ。
追う団員たち。
その一方、さくらがいてもたってもいられずバイクでアジトまで向かっていた。


林の中まで逃げ込むタケシだが、ボウガンの矢が胸深く刺さったからか抜けない。
呪文を唱えながら抜き取る。
団員に見つかるも格闘によって倒し、逃げ出すタケシ。

さくらもアジトへたどり着いたが、女性幹部に見つかりつかまってしまう。

中々タケシを捕まえられないミスターKが業を煮やし、ロコを連れ出すがそこにさくらを捕まえた幹部も合流。
二人を広場に連れ、タケシをおびき寄せる。
10数えるうちに出てこいと挑発するミスターKに、再びダッシュ7へ変化するタケシ。
ダッシュ5へ変化し、レインボーフラッシュにより目を眩ませる。
縛られているさくらの手元近くにナイフが落ち、ロープを切ると
レインボーマンに狙いをつけている団員を見止め、さくらが身代わりに撃たれてしまう。

ロコが、撃った団員をパチンコでたたきおとすのだが、さくらは左胸を撃たれ意識が薄れかかっている。
変化を解いたタケシも駆けつける。
日本にタケシと行きたかったこと、ロコのことを任せると言い、絶命する。


自分の命を救うために死んでいったさくら。
怒りに震えるタケシは、死ね死ね団との戦いに邁進する決意を固めたのだった。


【レビュー】

この回と次回は、レインボーマンの弱点でもある「ヨガの眠り」を軸に話を進めている。
一方で、死ね死ね団との因縁がここで改めて提示されることになる。

まだこのシリーズにおいては、死ね死ね団が何故ここまで日本及び日本人に怨念を露にしているのかがはっきりしない。
#第四クールにて少し触れられることは覚えておいていいだろう。
しかし、ミスターKを中心に過剰なまでに拘っているさまを見ていると
この時点でも、数ある特撮ヒーローものの悪の組織・集団の中でも最も出色であると言えよう。

一方本編展開は、ここから三話分くらいコミカルな話の流れが入ってくることにも注目したい。
今回は、さくらがヨガの眠りに入ったタケシを石仏にした下りであろう。
実のところ、東宝ヒーロー作品がイマイチ他社作品と比べてもどうにも中途半端な印象をもたれがちなのは
こうした流れが入ってくることが多い点にある。
それは、拙blogのメインたる超星神シリーズからしてああなのだから、まずはこのレインボーマンが嚆矢といえそうではある。
#このあたり、東宝という会社の陽性なイメージと言えばそうなのかもしれないのだが・・・。


とはいえ本作に限って言うと、案外流れを邪魔しない程度のソレであるためか
思った以上に違和感というものはない。


【特撮の見どころ】

・なし