2020年4月27日月曜日

レインボーマン・第十七話

第十七話「妖術・人間化石!!」




<ヘドロの怪物>


前回からの続き。
トラックもろとも爆殺されたと思われたが、直後にダッシュ7に変化し脱出していた。
それを水晶玉で確認するイグアナ。

即座に第三の刺客・ヘロデニア三世と第四の刺客・アイスリーを差し向ける。




レインボーマンが降り立った地は、彼も知らない土地だった。
滝の近くで戸惑っていると、滝の上にヘロデニア三世が待ち構えていた。
壺からヘドロンを召喚しレインボーマンを襲わせる。


遠当ての術、不動金縛りの術、ダッシュ2の火炎放射の術すら通じないヘドロン。
術を使えば使うほど術を吸い取り、レインボーマンすら吸い取ることで巨大化するとヘロデニア三世。
なすすべのないレインボーマンは滝の中へ逃げ込む。
レインボーマンを化石化し、必ず持ち帰ると誓うヘロデニア三世だが。




滝の裏側に通路があり、抜け出てみると集落を見つけるタケシ。
降り立ってみると、口のきけない少女と出会う。
村へ行く道を尋ねるもやはり答えない。 しかし何かを悟ってかタケシを案内しようと先に道を歩いていく少女。


やがて古い民家にたどり着く。 どうやら少女が住んでいるところのようだ。
近くの民家へご飯をもらいにいくと手真似で告げると去っていく。
後姿を見送るタケシだが、あの子まで敵じゃないだろうなと疑いだすも
すぐさまその考えを打ち消す。
とはいえ気になるタケシは、後を追うように外へ出ていく。




<南朝貴族の隠里>


少女は、顔見知りの老婆の家までご飯をもらいに行く。
ご飯の包みをもらった少女だが、老婆から鎮守の森へは決して近づくでない。鬼が棲んでおるでな。と注意。
そこに「若」と呼ばれた少年がすれ違い、老婆の家に入っていく。


少女が立ち去ると入れ違いにタケシが老婆に話しかける。
この土地のことを聞くと、南朝側の軍勢が落ち延びた集落だという。
その子孫たちがここに細々と住んでいたのだという。
続いて先ほどの少女のことを尋ねると、夕べおびただしい流星群の後に
村の中に一人だけ居たのだという。
星の申し子、と老婆は呼ぶ。




さらにタケシにも鎮守の森について注意を促す。
しかしタケシは、そこにこそ御多福会の拠点があるに違いないと判断。
一路、鎮守の森へと足を運ぶ。


神社の入り口前。鎮守の森はすぐそこである。
入り口へ入ろうとするタケシだったのだが、バリヤによって体にダメージを負わされてしまう。
倒れこむタケシに、赤いゴム毬が転がってくる。
少女がタケシを追ってきたのだ。
ここは危ないから、と一緒に立ち去るタケシ。 




<ヘドロンとの決戦>


神社内にある御多福会本部の監視所。
秘密工場にて作られた贋札を搬出するさなかであった。
そこへ現れるヘロデニア三世。 


御多福会幹部・クイーンの話では、すでにM作戦の第一号作戦は遂行されつつあるという。
それを阻害するレインボーマンをなんとしてもこの村にくぎ付けにする必要がある。
不敵に笑うヘロデニア三世。 




翌日。
寝ている少女を起こさぬようタケシが先に起き抜け、鎮守の森へ向かう。
ダッシュ7へ変化し、バリヤや高圧電流の流れる階段を無効化しながら進んでゆく。
気づいた死ね死ね団員は即座に展開開始。
さらにヘロデニア三世まで行く手を阻む。


鎮守の森方面での不気味な光を見た村人たちが、武器をもって森へ向かっていく。




ヘドロンを召喚しているヘロデニア三世に対しレインボーフラッシュを浴びせダメージを負わせるレインボーマンは
気体から固体化するまでの間が弱点だと指摘。
しかし、それだけではヘドロンそのものの対策にならない。 ヘドロンは召喚されてしまう。
その中、村人たちが鬼を退治しようと駆け寄るのだが、あろうことかレインボーマン自身を取り囲む。
とんだ茶番だと嗤うヘロデニア三世。 やがて村人の一人を吸収し、化石化した死体を残す。




<決着・ヘロデニア三世>


逃げ出す村人たちをかわし、レインボーマンは再度レインボーフラッシュでヘロデニア三世にダメージを与える。
ヘドロンが強かろうともヘロデニア三世さえ死んでしまえばヘドロンも消滅するとレインボーマン。
しかしヘロデニア三世も最後の力を振り絞ってヘドロンを二体召喚。
三体となったヘドロンに囲まれるレインボーマン。 術を使えば使うだけ巨大化するヘドロンに対してなすすべがない。
そのさまをあざ笑うヘロデニア三世。


そこに少女が現れる。 ゴム毬を追いかけてレインボーマンの方へかけていくのだが
レインボーマンの言うことがわからないらしい。
そこで、一か八かの賭け・・・ ヘドロン三体に囲まれながらも結跏趺坐することによる防御で凌ごうとしたのだ。


苦しみだすヘロデニア三世。 やがて力尽きたヘロデニア三世は煙となって消え去ってしまう。
そしてヘドロンも消滅。 
その残骸を眺めたレインボーマンだが、ふと振り返ると少女の姿がない。
何処へ行ったのか?




やがて鎮守の森へと向かうレインボーマン。
既に配備完了した死ね死ね団員。 クイーンからは追加の兵士すら与えられぬ必死の攻防となる。
そしてアイスリー。


鎮守の森をめぐる戦いはなおも続く。




【レビュー】


殺人プロフェッショナルが一気に二人送り込まれ、レインボーマン包囲網を構築しだす。
南朝貴族の隠れ里という村にタケシを封じ込めておくことで、M作戦の遂行をよりスムーズにしようという構えであった。
今回はヘロデニア三世の登場~決着までが描かれるのだが、
その舞台としての「南朝貴族の隠れ里」の提示が、作品世界の広さを見せつけてくれる。


そして口のきけない少女・・・アイスリーは次の回でレインボーマンを追い詰めていくことになる。


ストーリー展開としてはややゆったりになった感のある回でもあるが、
ヘロデニア三世との戦闘を堪能する回ということでもあるのだろう。
実際この回、それまでと比べると合成が多く、それなりに見ごたえもある。




【特撮の見どころ】


・ヘドロンとの第一戦
・鎮守の森でのバリヤ、高圧電流の階段
・ヘドロン第二戦


1つ目は壺からの召喚と滝を下りるヘドロンにはアニメーションを用いている。
昔から特撮技術の一つとしてのアニメーションがあるのだが、今の若いファンには案外そのへんは認知されていない。
♯まあ自分も興味をもって調べるまでは独立して発展したものとして認識していたが。


3つ目は最終決戦となるが、三体のヘドロンを見るにつけ
ヘドロン自体せめてアニメーションで処理してもよかったのでは?とも思わないでもない。
ヘドロンに取り込まれた村人の死骸の処理などは悪くないと思うし、ヘドロンの不気味なイメージを持たせるなら
あえてアニメーションという手もないでもないのだろうか。
もちろん、本作当時の技術的限界を踏まえた話でもあるが。


順序が前後したが、2つ目はいつも通りの光学合成。
階段はよく見ると格子状の光が見える。