2013年8月26日月曜日

グランセイザー・第十七話

第十七話「危機!人類抹殺計画」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、反町誠、魚住愛、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口博士、和久井博士
★<敵> インパクター・ルシア、インパクター・ロギア


<和久井博士の行方は?>

和久井博士が攫われたという話でもちきりの水のトライブたち。
天馬たちのミスをあげつらう誠、自分が居れば倒せたであろうと鼻息の荒い辰平に反して
携帯のメールを見つめている愛。 前回からではあるが一体誰からなのだろうか。
少し後、堀口博士の研究室へ集まる水のトライブと天馬・未加。
今度は天馬を目の前にミスを非難する誠。 それを制止する博士だがその最中に
携帯の呼び出し音により外に出る愛であった。

場所は変わって謎の施設。
ロギア・・・星山が和久井博士に「国防隊がガントラスを軍事利用している」と吹き込みつつ
ガントローラーの修理を促すロギア。 助手としてルシアを紹介している。
ロギアはガントローラーを修理させてどうするつもりなのか・・・


<愛の過去と、Dr.ベア>

しばらく後、愛は未加に自分の家庭事情?を語る。
母子家庭らしい愛は、養育費を「Dr.ベア」から援助してもらっていたこと、
そのDr.ベアから今から逢えないかと連絡が来たことを告白すると
それをいつの間にか聞いていた辰平が、自分たちのことはいいから逢って来いと愛を送り出す。
そんな辰平を未加が冷やかすが、流石女性らしく恋心に敏感?と言った所か。

いっぽう、和久井博士の居所はわからなくてもとりあえず探し回ると言い出す天馬。
「あいつはわからん奴だ」とこぼす誠を尻目にバイクで飛び出すと
途中で愛と落ち合い、ある場所まで送ることに。
「未加さんがうらやましいなぁ」と冷やかす?愛であった。
そこはDr.ベアとの待ち合わせ場所。
大きな白いクマの人形を抱えたDr.ベアが愛と落ち合うのだがそのDr.ベアは・・・。

そしてロギアとルシアが目をはなしたスキに和久井博士が居なくなっていた。
そこでガントラスについて「超古代人が作り出した巨大兵器である」と告げるロギア。
おそらくそのガントラスが目的なのだろう。


<和久井博士・再び拉致される>

愛と会話する和久井博士。
もうすぐ日本から離れるかもしれないから、最後に会いたかったと語る博士の前に
ロギアとルシアが立ちふさがる。
装着して立ち向かう愛だが相変わらず戦闘に不慣れである為、前回同様ルシアに圧倒されるパイシーズ。
ロギアによって連れ去られる和久井博士はとっさに「愛!」と叫び・・・

パイシーズからの通信を受けて天馬が現場に駆けつけたが既に和久井博士は連れ去られてしまった。
急ぎバイクで車を追う天馬は、しばらくしてある施設にてガントローラー修理を行っている和久井博士を見つける。
そこでロギアの手によって気絶させられる天馬。
その間、愛と和久井博士が実の父子同士であったことがロギアの口から明かされる。

和久井博士はロギアに騙され、なおかつ愛を人質に取られた状態でやむなくガントローラーの修理を続ける。
ロギアが再び訪れ、ガントラスを用いた作戦を目覚めた天馬と和久井博士に告げる。 
酸素をエネルギー源とするガントラスを用いて、酸素を凝縮・反応させた状態のガントラスを
太陽に突っ込ませることで反応路が凝縮した酸素と作用・地球を飲み込む大爆発を起こさせるというものである。


<ガントラス・起動>

ガントローラーを奪おうとするロギアの前に、束縛からとかれ装着したパイシーズが立ちはだかる。
しかし2VS1では分が悪く、ふたたび倒されそうになるも
和久井博士によって縄をほどかれた天馬は装着しロギアたちを追い詰める。

外へ出るロギアたちは高台からガントローラーを使用しガントラスを起動。
ついに現れたガントラスはロギアの元へ降り立ち、その威容を見せ付けたところでEND.


【レビュー】

愛と和久井博士の関係が明かされつつ、ついにガントラスが姿を現した回。
ここからガントラスを巡る攻防が繰り広げられていくのであった。
どこかボンヤリとした愛の幼少期、そしてDrベアこと和久井博士との関わり合いが軸となっており
実のところ話としてはガントラスと愛のエピソードで進んでいるだけではある。

しかし一方、ロギアが「国防省がガントラスの力を軍事利用しようとしている」と吹き込んで
和久井博士を別の場所へ連れ出すなど、ロギア自身の策謀家的側面もうかがい知ることが出来る。

そしてようやく登場したガントラス。
本編紹介でも書いているがガントラスのエネルギー源は酸素。
詳細は明かされていなかったもののそのために太陽にぶつけ大爆発を起こさせる道具として扱われているようで
ロギアの目論見を聴いた和久井博士が「君は燃えている火にガソリンを撒くつもりか!」と叫ぶシーンにも見られるように
出てきている材料は単純明快ながら若干科学的な要素を盛り込むなど、往時の東宝特撮らしい部分が垣間見えるのもこの回だ。
無論、円谷作品にもこうした要素は生き延びていたものでもある。



【特撮の見どころ】

・ガントラスがアンデス山脈の遺跡から起動するシーン

遺跡が二つに割れ、中から何かしらの封印を開き覚醒するガントラス。
炎のエフェクトを纏い、ロギアたちの居る森へ降り立つカットで土が舞い上がるあたりは
「平成ガメラ」や「ウルトラマンガイア」などで定着した演出法だが
不思議なことにこの当時の東映作品ではこれが用いられた記憶が無い。
逆に東宝作品、かつ後発である本作では(少なくともテレビ作品では初めて)用いられている。
巨大感を出す良い演出ではあるのだが、当時はあまりに使われすぎたせいもあってかややマンネリ感は否めない気がする。
良い演出技法は他社でも取り入れるという姿勢はいかにも川北紘一らしい・・・のだろうか。

ラストカット、足元のロギアがガントラスを見上げているシーンの合成はやはり違和感が少なく見事である。