2013年8月28日水曜日

グランセイザー・第十八話

第十八話「最強の敵!ガントラス」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣(装着後のみ)、反町誠、魚住愛、三上辰平、伝通院洸
○<関係者・ゲストなど>堀口博士、和久井博士
★<敵> インパクター・ルシア、インパクター・ロギア


<ガントラスの猛威>

前回からの続き。
インパクターの手に渡ってしまったガントラスがタリアスとパイシーズの前にその威容を現す。
ガントラスから発せられたビームになすすべなく逃げまどうだけの二人だったが、
和久井博士の容態を案じたタリアスは博士を病院に連れて行くようパイシーズを促す。

装着を解いた愛が和久井博士を施設から連れ出したところで誠、辰平と落ち合い
辰平の車で博士を病院へ連れて行く愛。
その最中、実はガントローラーに今入っているチップとは別のチップを愛に手渡した博士は
そのまま意識を失ってしまう。

ダミーのチップが挿入されていたことで、途中でガントローラーが高熱を発してチップが解けてしまい
ガントラスは動きを止めてしまった。
それを察したロギアはルシアへ和久井博士からチップを奪うよう指示
当のロギアは天馬と誠、そして途中から合流した未加の足止めを行うこととなる。


<チップ強奪~ガントラス・再起動!>

洸の勤める病院に搬送された和久井博士。
無事に手術は終了したものの辰平との会話で「今夜が山だ」と告げる洸。
病室で愛と二人で少しだけ会話を交わす博士だが、その二人にルシアの影が迫り・・・
愛は気絶させられてしまうl。

一方のロギアは早速、他の三人を霍乱すべく森の中で神出鬼没の行動に出る。
姿を見せては瞬時に消え去り、そうして未加だけを分断したところでロギアが手を下す。
愛と違って戦闘に長けている未加は撃退を試みるも紙一重で攻撃をかわすロギア。

そして病院屋上。
和久井博士を連れ出しチップを出すよう脅すルシア。
愛がそのチップを持ち出して渡そうとするところで「やはり父親のことが大切らしいな」とつぶやくルシア。
交換で博士を救い出した愛だが、チップはルシアのもとへ渡ってしまう。

再度ロギア。
今度はグランセイザー側もロギアも装着して戦うのだが3VS1でもまったく物怖じせずに
むしろ圧倒される3人であった。
そこへルシアがチップを持って戻り・・・  再びガントラスが起動した。


<ガントラスの暴威>

序盤同様ビームによって苦しめられるグランセイザーだが、剣が合流し炎のトライブの超星神・ガルーダを召還。
ついに巨大戦の幕開けとなるのだがガントラスの攻撃力は強大で
ガルーダは押し込まれてしまっていた。
そこへ今度は水の超星神・リヴァイアサンが登場。
2VS1の戦いとなったのだが、そのハンデをものとそもせず
終始圧倒的戦力でガルーダ、リヴァイアサンの二体を完封してしまう。
この戦果に満足がいったロギアはガントラスを退避させ、何処かへ去っていった。

ラスト、病院にて愛と博士が改めて父子であることを確かめ合う。
こっそり天馬が拾っていた白いクマのぬいぐるみ(17話参照)が知らないうち?に置かれたところでEND.


【レビュー】
ガントラスの本格的な活躍、そして愛と和久井博士の本当の間柄など
ストーリーにひと波乱巻き起こった回である。
前回、そして今回とキャラクタードラマの部分だけで言えば完全に愛が主役となった。

一方ガントラスを手に入れたロギアたちの目的は科学的考証に基づいた…のだろうか?
酸素を凝縮・反応路で反応させつつ太陽に飛び込ませることで太陽の爆発を促し
地球をその炎に飲み込ませるというスケールの大きな作戦である。
果たしてグランセイザーはソレを阻止できるのだろうか?

【特撮の見どころ】

・ガントラスを見上げるタリアスとパイシーズ
・ガントラスに跳ね飛ばされるライブモードのガルーダ
・一方的にたたき伏せられるガルーダとリヴァイアサン
・ガントラスの地割れ攻撃

一番上は何気ないカットのように見える(実際東映作品などでも見かけないことは無い構図)だが
今作では奥のガントラスへピントを合わせ、手前のタリアスとパイシーズはあえてピンボケ気味にしている。
従来の作品であれば両方にピントを合わせるところなのだが、こうすることでガントラスそのものの威容を
視聴者にアピールしているようで、実際のカットは2秒程度のものだが巨大感の良く出た演出で感心させられる。

また、前半でゴルビオンが地上からガントラスへ攻撃を加えるシーンや
後半のゴルビオンがリヴァイアサンへダイヴインするシーン。
これは地上の画(実景)からミニチュアの森へカメラを速く移動させることで比較的違和感なく
1つのカットとして繋がっているように見せており、なるべくカットに頼らないこだわりが垣間見える。

ガルーダがライブモードで吶喊したのを右腕で跳ね除けた次のシーンでは
下手から流れてきたガルーダはミニチュア・途中で旋回してウォーリアモードへ変形するガルーダはCGと
この一連の流れも1つのカットとして見せている。
以前から評しているが「遠景で、なるべく状況を流れで長めに見せる」という見せ方が
巨大戦においては効果的に作用していると言っていいだろう。

ただ、ガルーダとガントラスが空へ舞い上がるシーンなどは足元までちゃんと見せてしまっており
しかも足首の力の抜けたポーズでない(つまり、普通に地上に立っている足首の状態)ため
やや詰めの甘い部分も見受けられる。
もっともリヴァイアサンが合流した後、ガントラスが地割れを起こすべく空へ舞い上がるシーンはちゃんと足首の力が抜けていたのだが。

その地響きを起こしてガルーダとリヴァイアサンを吹き飛ばしたシーンも
しっかりセットを二つに割り、さらに地割れからの衝撃波でガルーダとリヴァイアサンがそれぞれ倒されていくが
こちらもワイヤーで吹き飛ばし、リヴァイアサンにいたっては山へ激しく打ち付けられ山が崩落するカットも見られる。
そして岩の瓦礫の隙間から覗くガントラスのカットは、その力への恐怖感をも覚えさせるかのようだ。

最後、ガントラスがツインクラッシャーを放ち超星神を蹴散らすシーンだが
なぎ倒された木々を手前に配しており、森の惨状をも同時に現す良い映像である。

三話ぶりの巨大特撮だが、わりとアッサリ流した感のある十五話と比べると明らかにボリュームに満ちた回だ。