2013年10月10日木曜日

グランセイザー・第二十七話

第二十七話「怒れ!炎の必殺剣」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、雨宮涼子、神谷豪、早乙女蘭
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、吉岡麻美
★<敵> ビズル星人


【剣個人エピソード回】

<異次元転送システムを探し出せ>

いつもの研究室。
前回から新たに蘭も加わり、ビズル星人のアジトを探し出し異次元転送システムを破壊する作戦を立てるグランセイザー。
そこで豪が警察官らしく、それまでの失踪事件の発生した地点を地図に書き込みそれらを線で繋いでみると
大体特定のエリアでのみ失踪事件が発生していることを突き止める。
そういうわけで剣と蘭以外のメンバーが手分けしてアジトを探すことになる。

アジトらしき地点へたどり着いた天馬と未加だがそこはすでに放棄された後。
時限爆弾を仕掛けており、爆発から未加を守る天馬。
豪へ失敗を報告後、未加が前回異空間で天馬と話した内容について問い詰めている。
のだが天馬なりのジョーク?で話を逸らす天馬だった。


<若者達のつかの間のひと時>

天馬や豪たち四人がビズル星人を追っていた最中、剣と麻美は何処かへ出かけていた。
アクセサリーショップで麻美にピアスをプレゼントしてあげる剣。
そして、剣は麻美に自分達の正体・・・ グランセイザーであることを告げる。
「麻美ちゃんなら信用できるもの。 眼が澄んでいて、人を裏切ったりウソつくような人の目じゃない」
と語っていたものの・・・。

しかし蘭はそんな麻美を警戒しており、豪に相談してみると
豪もまた不審な点に気づいたようである。その根拠は・・・
「彼女の自宅と、失踪事件を目撃した地点があまりにも離れすぎている」という点であった。


夜。
ビズル星人と何かを話している人物──── 麻美は、地球人はそれほど悪い存在に見えないと言うが
それを一蹴。 命令に背けば消滅させると一喝される麻美。
彼女の正体はビズル星人なのだろうか。


<ビズル星人の陰謀、開始>

研究室。 涼子や未加は次第に麻美に対して疑いを持つようになる。
前回、未加が身代わりになっていたことをなぜか知っていた上に
グランセイザーを狙っていたことがその根拠であり、確かにそのあたりを考えれば腑に落ちない点はある。
そういう話を部屋の外で聞いていた剣は激昂、自分ひとりで麻美を守ると息まいて出て行く。

しばらく後、麻美の素性を調べていた豪が研究室へ駆け込み
「本物の麻美は半年前に亡くなっていた」と告げるが、先に蘭に教えていたようで
蘭は一足先に剣や麻美と落ち合って麻美の正体を問い詰める。

そしてあっさりとビズル星人のスパイであることを認めた麻美は
既に次元転送システムが作動を開始したと二人に告げる。
剣がその位置を教えてもらうべく聞き出そうとすると・・・  ビズル星人がやってきて麻美を殺してしまう。

死の間際に、麻美によって次元転送システムの位置を聞き出す剣だが
身体が消滅し、指輪が遺された。
その剣と合流するほかの炎のトライブへ装置の位置を告げると、麻美を殺したビズル星人との決着をつけるべく剣が装着。


<地球人消滅計画を阻止せよ>

装置へ近づこうとするタリアス、ミトラス、ヴィジュエルの前に
大勢のビズル星人が施設からワラワラと現れる。
タリアスへ中にはいって破壊するよう促すミトラス。
そうして戦いは3面同時展開となっていく。

剣が飛燕斬で切捨て、ヴィジュエルやミトラスが外のほかのビズル星人を倒すと
タリアスも次元転送システムを破壊し施設外へ飛び出す。
そして 施設は木っ端微塵に破壊された。

施設破壊を受け、宇宙船が地上に居るグランセイザーへ攻撃を浴びせつつ逃亡を図るが
超星神ガルーダを召還しそれを追尾、 ドッグファイトをガルーダが制する。
こうしてビズル星人の陰謀は阻止された。

ラストは麻美へ想いをめぐらせる剣だが 蘭に促されみんなのもとに戻ったところでEND.


【レビュー】
剣メイン回もこれでラスト。
今回は特撮もそれなりに見せ場のある回であり、割と見どころは散りばめられている。

のだが、肝心の剣と麻美のエピソードはどうにも2,3歩くらい足りない気がする。
恐らく剣が一方的に麻美を信用している部分と
何故かそんな剣に影響され、地球人が悪い存在ばかりとは思えないと口走る麻美そのものの
描写の薄さがいまいち引っかかってしまうのだろう。
その上、麻美自身がビズル星人なのかどうか判然としない。
(ひょっとしたらビズル星人が作り上げたアンドロイドか何かかも知れないし、他の星から呼び寄せた存在かもしれないが・・・)

要するに剣の、麻美への思い入れがあまりに唐突過ぎるように見えるのである。
もっともこういう不自然に思いいれを込めている描写も
「剣がグランセイザーの中で若いが故の、未成熟な部分」を見せているのだとすれば
それはそれで悪くない書き方だとは思わなくも無いが・・・。
少々違和感を覚えてしまった回であった。


【特撮の見どころ】

・タリアスが外へ飛び出してから次元転送システムを隠していた施設が木っ端微塵になる描写
・ガルーダと宇宙船のドッグファイト

前者の、タワー状施設の破壊だがここは見せ方が東宝らしくて良い。
タリアスが飛び出してヴィジュエル・ミトラスのもとへ向かっていくシーンだが
「離れろ!爆発するぞ!」とタリアスが促した後ろで、出入口には既に炎が噴出しかけており
次のカットではその施設が木っ端微塵に爆発していく、という構成。
この「出入口から噴出す炎」という描写と、次のカットで細かい破片が崩れ落ちている破壊カットは良いカットだろう。
いきなり大爆発ではなく、タメを作っての爆発を見せるというセンスは良いものだ。

上記二つからもれたがVFXの部分でも、ダブルクレッセントに帯びた炎のエフェクトは
かなり綺麗なものとなっているため、細かいようだが見てみるといいだろう。