2013年10月20日日曜日

グランセイザー・第二十九話

第二十九話「出動、五式支援機士」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、沖田総一郎、椿征二、久我栞
★<敵> クローンアケロン人


<クローン逃亡>

前回からの続き。
タリアスの回し蹴りで外へ吹き飛んだクローンアケロン人との小競り合いを演じるタリアス、ミトラス。
ブラントルネードをシールドで跳ね返されダメージを負うミトラスをかばい
シールドを張る間を与えずにバーニングファルコンを打ち込んだタリアスだが
ダメージを負ったクローンはすぐにその場を離れてしまう。

その戦いを見守っていた椿はグランセイザーを国防省の管理下におくべきだと御園木に提案するも
御園木と沖田はそれを否定。
望んでグランセイザーになったわけでもない彼等は、それでも国防省の代わりに戦ってくれるのだと。

戦いの後、栞と天馬、未加の会話。
元々椿も穏やかな人物だったのだがアケロン人の研究を進めるうちに
未知のテクノロジーに触れ、次第にその技術で日本を世界一強い国に出来るのではないかと思うようになったと言う。
それは間違いだと言う未加だが、天馬はそのうち判ってくれるさと諭す。


<クローン包囲網>

椿指揮の部隊は、山中のある地点までクローンを追い詰めることに成功。
その情報を沖田から聞いた天馬たちはそこへ急行する。

追い詰めたはいいものの、山中の施設内で見失う部隊。
そこへ御園木たちも合流するが栞だけは車の中に残していく。
部隊を総動員しながらも未だに見つからない。

そんな中、車へ忍び寄るクローンは栞から水晶体を奪い取り再び逃亡。
それに気づいた部隊は行き止まりまで追い詰めた。
椿の命令でバズーカ砲を打ち込み、水晶体ごと爆破したのだが・・・
今度は砕けた水晶体のエネルギーがクローンへ吸収され、クローンアケロン大星獣へと変化していく。
大星獣の進路には街があり、そこまで入り込ませると大変なことになる。
グランセイザーも天馬と未加しか居ない状態で、博士へ連絡して全員を呼ぶにも時間はかかる。
どうすればいいのか?


<五式支援機士・出場>

御園木はこの事態に、五式支援機士ユウヒの出動を沖田へ指示。
「長官の命令が必要です」とつぶやく沖田へ これは我々が引き起こした問題、責任は俺が取ると沖田を促す御園木。
そうして遂にユウヒが実戦へ投入されることとなる。

クローンアケロン大星獣相手にミサイルや滑腔砲といった実弾兵器で立ち向かうユウヒ。
さらにパンチで大星獣を押し戻そうとするが、光線の威力に圧倒され
力押しでも若干劣勢、少しずつ街のほうへと押し込まれだすユウヒだったが

そこへドルクルス、ガンシーサー、リヴァイアサンが駆けつけ大星獣へ攻撃を仕掛ける。
ついでガルーダも合流し、いよいよダイセイザーへ合神。
クローンとは言え以前戦った大星獣だが流石にその時と違いグランセイザー側の戦力も強化されており
ハイパーバーストで大星獣を粉砕してしまった。

戦後。
更なる改良が必要だが、この力の扱い方を間違ってはいけないと御園木は沖田へ語る。
夕日に照らされる五大超星神、そしてユウヒの勇姿を見つめながら。

後日、栞は研究室へ戻ると博士達へ告げて帰る。 この戦いがはやく終わるよう、自分の方法で戦うと。
続いて天馬は仕事場へ戻り、何故か博士も未加へ掃除を押し付けてどこかへ行こうとするところでEND.


【レビュー】

ユウヒ初出動の回。
大まかな話は前回で既に終わっているためか、今回は話らしい話はほとんどない。
というより前回で出てきた「グランセイザーや異星人の力を国防省が流用する」というテーマを
強調するかのように再度提示している回ではある。
しかしそれはラストの御園木の「この力の使い方を間違ってはならない」という言葉で
今回提示されたテーマは決着を見せている。

久々の巨大戦は、ユウヒメインで進んでおりダイセイザーはトドメ担当。
しかしユウヒの戦いはしっかり長丁場で見せており、しかもユウヒ自体も能力的には
若干劣っていることもあってか、どことなく緊張感のある戦闘となっている。
そのおかげであまりダラダラした感じがなかったのは良かったのではないか。

一方椿の部隊などの行動描写は、前回もそうだったがこの手の作品にしては
割合に細かい動きが見られるのが特徴だろうか。
椿が部隊長に対して「隊長」ではなく「小隊長」とハッキリ言っているシーンもそうだが
ほかの作品には見られない、ミリタリー色の濃さが前回・今回には溢れている。
しかしバズーカ砲まで持ち出すか…。
(従来のヒーロー物だと精々自動小銃程度で、重火器はごく稀。分隊支援火器のようなものになるとほぼ皆無)


【特撮の見どころ】

・クローンアケロン人のシールド
・ユウヒの出動
・ユウヒVSアケロン大星獣
・ユウヒをサポートする戦車と戦闘ヘリ

後半からは巨大戦ばかりで、当然特撮もガッツリ見せている。
クローン大星獣が街を目指して歩こうとしているカットでは、山の間に街が見えるが
こういう部分は実に芸が細かい。
ユウヒをフォローするべく戦車や戦闘ヘリが援護射撃を行っている画も良い。
クローン大星獣の光線攻撃の熾烈さと爆発の多さも迫力に満ちているが
個人的には、フルパワーで大星獣と取っ組み合ってるユウヒの関節から白い蒸気のようなものが
勢いよく噴出している画に感心させられていた。

一方で前半の戦いはわりあいアッサリ目。
ブラントルネードを跳ね返したシールドだったが、バーニングファルコンの時は間に合わずに
貫通してダメージを負うなどといった細かい見せ方が特徴的だが
クローンの光線が通り過ぎて、階段に当たったときに
「当たったエフェクトだけ」で終わったのはちょっと惜しい。
破壊された階段の跡を見せてもらいたかった機もするが視点が動いていたシーンなのでそれはいいとして
せめて破壊された階段の破片が飛び散るくらいはあって良かったかな…。