2015年3月22日日曜日

ジャスティライザー・第三十三話

第三十三話「究極幻星神、光臨!」

[カイザーハデス]

監督:鹿島 勤    脚本:稲葉一広


<カイザーハデス最終決戦>

冒頭。前回から引き続いて神野を助け出す翔太。
何故自分を助けると問う神野に、やられてたら敵も味方もねえよと答える翔太。
そしてガントたちに合流し、装着するグレンに澪はシロガネへ変化するよう促す。

シロガネとカイザーハデスの戦いは空中戦へ、そして大気圏外へ飛び出し宇宙へ。
そして地上では、澪がガントとカゲリに守られつつジャスティパワーを放出。
だが、既に大気圏内に突入していたソニッククラッシャーが上空を飛来。神野の目に映ると同時に
神野の記憶が蘇っていく。


宇宙では、シロガネに対しハデスが地球とライザー星について語っていた。
地球とライザー星・・・ 正義の波動に満ちた二つの星により、宇宙全域の秩序維持に影響を及ぼしていた。
ハデスは、二つの星の持つ強大な力を手に入れることで宇宙最強の存在となり、宇宙の全てを思いのままにできると豪語する。
シロガネはそれを阻止するために斬りかかる。

その一方、ソニッククラッシャーがマグネシールダーへジョイントを行いつつあった。
それをジャスティパワーによって防いだ澪だが、ザコールの一団は尽きず
やがて澪の体力が尽き、ジャスティパワーの放出が途絶える。
それは、ソニッククラッシャーの再起動も意味していた。


再度地上に降り立っていたハデスがその様を見届けていたが、カゲリが挑みかかる。
ジョイントまで残り10秒となったところでシロガネが飛来、ソニッククラッシャーを阻止するために滑り込み・・・
ジョイントの阻止に成功する。
マグネシールダーとソニッククラッシャーをジャスティアームズで撃砕し、ハデスの作戦を打ち砕いた。

澪たちに襲い掛かるハデスだったが、地球は滅びないと澪が言い放つと、近くにいた神野のクリスタルと澪のクリスタルが共鳴し、新しいヴィジョンが浮かんでくる。
神野の正体は一体・・・?

やがてシロガネが合流し、ハデスに斬りかかったその時シロガネの変化が解けてしまう。
澪が気絶してしまったようだ。
さらにトドメを刺すべく、ハデス自ら巨大化する。
ライゼロスさえあれば・・・と嘆くカゲリを、澪の元へ行くようにグレンが促す。

ハデスが地上のグレンなどに目掛けて火球を放つ。絶体絶命の危機だが・・・


<正義の皇帝>

気絶した澪を囲むカゲリとガント。
気がついたものの息も絶え絶えの澪に対し、自分達のジャスティパワーも一つに纏めようと
カゲリが、ガントが澪の手を取りジャスティパワーをともに放出。
やがて光芒一閃、宇宙で待機していたシェイドスターへ届き、ついに地球内へ姿を現した。
初めてその姿を認めたジャスティライザー。
そしてシロガネへの再変化を果たしたグレン。

ノルンの声が響く。新たなる力―――――― 星神獣・リュウトの召還が可能になったことを告げる。
二首の白い龍が現れ、巨大ハデスへ雷撃を放ち圧倒する。
続いてシェイドスターがライゼロスの石化を解除。
それは、究極幻星神への合神が行えることを意味していた。


リュウトが二つに分離し、ライゼロスへ合神。
リュウトに乗り込んでいたシロガネが叫ぶ。 幻星神・ジャスティカイザーの名を!

巨大ハデスを圧倒し、ジャスティノヴァによって撃破するジャスティカイザー。
しかし、爆発の際に一つの火球が上空高く舞い上がっていったが・・・。

戦後。シロガネの力を長く使い続けて体力が損耗しきっていた翔太と澪。
ユカが、これで戦いは終わったとつぶやく。
長きに渡った戦いも終わりかと、四人がその喜びをかみ締めていた。
伊達電器店への帰り道、源太郎が、そして麗香が出迎える。
源太郎のおにぎりを皆で食べ、改めて戦いの終結を喜び合う一同だった。

しかし
火球を手にした一人の影。 ハデスを弟と呼び、自らを魔神ダルガと称した。
どうやら、戦いはまだ終わりそうにないようだ・・・。


【レビュー】

カイザーハデス最終決戦。
色々細かいことは中間総評(ゼネラルバッカス編)に譲ることにする。

カイザーハデスとの決戦では、空中戦あり宇宙戦あり、巨大化し怪獣っぽくなったハデスに対して最強ロボの登場ありと
縦横無尽な展開が目を引く。
前作グランセイザーの、ベルゼウスとの決戦に比べればだいぶ「それらしい」雰囲気をまとわせることに
ストーリー上、ドラマ上でも成功しているといっていいだろう。
#前作比較で言えば、ボスキート戦くらいのテンションになっていると思える。

最後の戦いの後、出迎えたのが源太郎と麗香の二人というのも、あまり大袈裟になり過ぎない程度にはいいシーンだ。
もっとも、ニュースになるほどの騒ぎになっているのにイマイチ周囲のリアクションが薄いが
こういう点はヒーロー物にはついて回る難点なので仕方ないというべきか。
#最終回など、ターニングポイントになる回では民衆のリアクションなどを小規模ながら挟んだりすることはある。
#本シリーズは案外劇中メディアが活発に動いているので、もうちょっとそこらへんに気遣いしても良かった気はするが・・・。

また、神野の謎は今回ではまだ明らかにされないものの次回以降でようやくその謎の真相が明らかになっていく。
今回までは、徐々に記憶が蘇っていく神野というドラマが展開されていたが
これが、次回からの新たな戦い以外の注目点としてうまく作用している。


とはいえ魔神ダルガ・・・。


【特撮の見どころ】

・ハデスとシロガネの空中戦および宇宙戦
・巨大ハデスVSジャスティカイザー

前者は合成なのだが、背景を早く動かしてみたりする一方で
同じく高速移動しているハデスとシロガネの映像は違和感のない合成となっている。
ただ、仕方のない部分とはいえ若干光源との兼ね合いが甘いのは惜しい。

こうした合成は本作では特に多用されているが、三十二話で空中に浮かんでいるハデスが
地上に降り立つ一連の動作を1カットで見せきる部分など、わりと合成に違和感がないカットも見受けられるため
求められているシーンによっては得手不得手がはっきり出てしまうのだろうか。
#ワイヤーで吊らしているのかとも思ったが、それにしてはあまりに揺れていないため合成と判断したが・・・?

後者はジャスティカイザー初披露ということで、激闘が予想されたが
随分あっさりと片付いてしまった。
最強ロボたるジャスティカイザーは前作のダイセイザー同様、巨大怪獣ロボという風体で
このあたりが本シリーズと他社作品との明確な差別化として大きなポイントと言ってもいい。

とはいいながらも、必殺技はそのダイセイザーと同じようなものになったのはややヒネリがないのだが・・・。

星神獣・リュウトは首が一本ないキングギドラ。
メカガイガンと放送当初からあだ名されていたライゼロスといい、メカニコングのリメイク的なブルガリオといい
当たり前といえば当たり前だが東宝特撮怪獣のオマージュをふんだんに盛り込んでいるサービスも心地よい。