2019年2月11日月曜日

悪いことは言わない。

老若男・・・ 女、は保留しておくとして、話を進めておきたいことがある。

大体男に多い事柄だから、というのもある。
と同時に、自分も男である以上同じ流れを現実に見てきているため食傷している。
だから言っておきたい。


悪いことは言わないから、「同じジャンルの娯楽が好きな人間同士だからといって」、「その他人がまだ見てない、知らないものを薦める」行為は止した方がいい。

これはオタクないしマニアを自認するようなタイプの人間に、実に多い。
あるいは特定作品、ただしマイナーなものを愛好するファンにも見受けられる。


例えばそう、ヒーローものというマイナーな娯楽ジャンルで話を進めよう。

東映の作品がスキで、戦隊がスキだという人間にこの超星神シリーズを薦めるというのはムダだ。
その人間のスキなものが仮面ライダーでも同様である。


何故ムダか。

まず一つに、仮令マイナーな娯楽ジャンルといえどもその中での「メジャー」を志向するという考えは、誰にでもある。
凄く雑にいえば、外車はBMWないしベンツ、野球は巨人、音楽はユーミンないしサザン、というように
メジャーなものにしか行きたがらない人間は、多い。
特に生活に関わるものや、企業同士の付き合いなどではこうした状況は至るところで見られるのだ。

これはいろんな考察も出来ると思うが、現象面だけを見れば事実としてメジャーなものだけ見てればいいという人間は、
オタク・マニア連中の想像をはるかに超えて多い。
ビデオゲームのハードで言えば任天堂かSCEだけでいい、というような具合。

これを踏まえてヒーローものの話に戻れば判る。
仮面ライダーか戦隊しか見ない、という自称「特撮好き」は、 「特撮マニア・特撮オタク」を自認する君たちの想像を超えて多い、ということだ。
そういう人間たちにこの超星神シリーズなどを薦めたって馬耳東風というもの。
ウルトラマン好きにゴジラやガメラを薦めてもムダ、というのと同じだ。

仮に見たとしても、「やっぱり東映のでいいよね」となって、結局ライダーや戦隊に戻るのがオチだ。


自分はこういう光景を現実に何度見てきたことだろうか。

そりゃまあ、オタクやマニアのクセとしての「知識自慢」の部分がこういう・・・ マイナー作品を薦めるという行為に繋がるのだろう。
これはヒーローものに限らない。プロレスでも見た。 ポップスでも見てきた。
メジャーな娯楽である漫画やビデオゲーム、アニメですらよくある光景でもあった。
「やっぱりジャンプでいいじゃん」
くらいのノリは、案外多いものだ。


いやホント。
頼むからもう、ムラっ気か知識自慢か知らないが、マイナーなものを薦める行為だけは是非やめていただきたい。
マイナーなものと言われているものたちをスキで見ている身としては、つらい。
ツイッターなどでこの超星神シリーズを薦める発言をしたことのある方々には本当にそのへん、ひとつお願いしたい。

ましてや「戦隊のあの作品っぽいから」「ライダーのアレっぽいから」という絡め手で薦めるのは本当にカンベンしてもらいたい。
これはオタクやマニアがやらかしがちなのだが、
「似ている=同じ」ではないのだ。

#まあオタクやマニアというのは、創作物単体の分析の過程で「この作品のこの要素は、昔のあの作品のあれを引用している」というようなことはよくやる。
#が、これは何処まで行っても個人的な分析程度であって、あくまで自分だけの楽しみに留めるのが無難だと思われる。

第一、その引き合いに出した作品のファンが本当にセイザーXなどを見たときに
「なにこれ!なにがどう似てるんだよ!」と感想を漏らされた場合どう返すつもりなのか。
「やっぱりマイナーなのはダメだわ。東映のじゃないと」とか返された場合どうするのか。
このへんも実は自分が過去に経験した事柄たちだ。 やられた側として。
#ちなみに自分の場合は逆で、セイザーXと某仮面ライダーが似てるから見て!といわれて渋々数話だけ付き合ったというもの。


そしてこうした状況下で、オタクやマニアがやらかす最大のミスは
「自分が似ていると断じた視点を全く修正しようとせずに、無理矢理こじつけようとする」
というもの。
確かにこういうことは自分にも思い当たるフシはある。
が、これは私見ではかえってお互いの溝を深めるだけの結果にしかならない。
自分の理論に奉仕している人、とでも言おう。

ちょっとマシなのでも、あのライダーとセイザーXはこの要素がこう似てて・・・
という解説くらいはするのだろうが、それはかえって反発しか招かない。
日本人は意外ときっちり言葉を尽くして解説されるのを嫌う。
短い見出しやキャプションで説明されるというのに慣れすぎというのもあるが。
#これはいわゆる「察する」文化のなせる業と言える。
#ただこれは、不気味な文化でもある。 オカルト的気質が残っているというか。
あとはそもそも興味がないから、というのも大きいか。

まあ、ツイッターやフェイスブックなどの短文投稿コミュニティが日本でも独特な受け方をしてる時点で判る気はする  と思う。
この10年前くらいは匿名掲示板だったことを思えば、まあやっぱり日本人はそういう、きっちり説明されるのを嫌がる民族性なのだろう。


だから頼む。
君たちから見て、メジャーであるが狭い娯楽ジャンルにしか興味のない人間というのが居る、
という事実を受け入れて欲しい。
そして、その上でマイナーなものを薦めないでほしい。

この問題は、マイナーな娯楽ジャンルの中だけの問題じゃない。
メジャーな娯楽ジャンルしか見ない人間に、マイナーな娯楽ジャンルのものを薦める行為も同様だ。
アニメしか見ない人間に特撮ヒーローを薦める行為がムダなように。
プロ野球やW杯のときにしかサッカーを見ない人間にプロレスや総合格闘技を薦める行為もまたムダなのだ。
残酷なたとえとしては、オリンピックにしか興味がないのに国体も見ろ、というのもこれに該当する。
娯楽と言われると疑問符が付くかもしれないが、「見る側」というのはそういうものだ。


ただ、救いの道がないわけじゃない。
それは、まず君自身がその娯楽ジャンルに精通している上に、ちゃんと上記のような、いろんなタイプのファンが居るのだ、という事実を踏まえた上で
相手から「この作品面白いらしいけど、見て楽しめるか?」
くらいの問いかけが来てから、薦める行為に入る。
このとき、君のバイアスを可能な限り取り除くくらいはして欲しいところだが。