2013年9月2日月曜日

グランセイザー・第十九話

第十九話「出撃!ガンシーサー」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、神谷豪、早乙女蘭
○<関係者・ゲストなど>堀口博士
★<敵> インパクター・ルシア、インパクター・ロギア


<直人は何処へ?その2>

堀口博士の研究室。
前回ダメージを受けたガルーダやリヴァイアサンはクラウドドラゴンが回収・修復に当たっており
またガントラスの行方を水のトライブや国防省が捜しているものの
以前手がかりはつかめない状態だと言う。
そこで、堀口博士は和久井博士から提供を受けたガントローラーの研究データを取り出し
ソレを分析することでガントローラーの電波を受信できるかもしれないと言うのだが。

一方某所。 ロギアとルシアは以降の作戦を練っていた。
前回はエネルギー不足による撤退だったことが明かされる。
彼等の作戦の為には酸素を大量に溜め込む必要があり、大気圏まで出てしまえば
チャージのチャンスは失われるため、今のうちに溜め込んでいるうちに
風および大地のトライブに攻撃を仕掛けようと企む。
誰か一人でも欠ければドルクルスもカンシーサーも使えなくなるからだ。

そしてある林の中にある神社前。
健太少年に稽古を付ける直人を尋ねた蘭。 大地のトライブも結集して
皆とともに戦うことを促すも頑なにこの場を動こうとしない直人。

少年は学校でいじめられており、直人と偶然知りあったのである。
その直人は赤ちゃんの頃に両親に捨てられて養護施設で育てられたため
少年とは何かひかれるものがあったのだろう。
「本当の強さを身に着けるまでずっとそばにいてやる」と、少年に稽古を付けることを快諾したのである。


<ルシアの凶行・戦いを決意する直人>

少し後、蘭と健太少年がルシアに襲われ追い詰められる。
蘭と直人がそれぞれ戦いを挑むも歯が立たず、健太がルシアへ攻撃を仕掛けると
返り討ちに逢い、蹴り飛ばされてしまう。
間一髪で地上に激突するところを天馬が受け止め、さらに涼子も合流。
ここで2VS1の戦いとなるが涼子と天馬の攻撃が流れるように1カットで繋がっており
地味な殺陣ながらもスピーディな展開を見せ付けてくれる。

病院。健太は軽い打撲と脳震盪で入院する。
天満たちは直人に一緒に戦うように頼むが頑なに拒む。
涼子は「健太があんたを必要としているように、私達もあんたを必要としているのよ」
とだけ告げると直人はどこかへ立ち去る。
涼子はあくまで直人を信じているようだ。
「直人は必ず来る。私と同じだから…」と意味深な言葉を呟くと
未加からガントラス出現の一報が入る。


<ガントラスVSドルクルス>

ガントラス出現地と思しき地点では既にトラゴスとミトラスがルシアと戦っており
更にガントラスを阻止するべくドルクルスが出撃。
戦いは二面作戦の様相を呈してきている。

ガントラスはドルクルスを空中で跳ね飛ばすと地上へ着地。ドルクルスもウォーリアモードへ変形しロボ戦へ移行する。
ガントラスの圧倒的な力に押され、やや焦りが隠せなくなったレムルズ。

一方、病室にて健太に促されグランセイザーのもとへ駆けつけた直人。
ルシアとの戦いに挑むタウロンだが先にガンシーサーで戦うようタリアスから指示。
ここにドルクルス・ガンシーサーVSガントラスの戦いが繰り広げられる。
この時レムルズからヴェルソーへパイロットが切り替わっている。
一度はガントラスを倒すところまで追い詰めたものの即座に再起動がかかり、
さらなる猛攻を見せるガントラスは、ドルクルス、そしてガンシーサーを次々と倒していく。
そうしてまた立ち去ったガントラス…。

戦いの後、涼子を抱きかかえて歩み寄る直人の姿を皆が見守る。
クラウドドラゴンもまたガンシーサーとドルクルスを回収し、これで超星神はすべて倒されてしまった。
一人再び立ち去る直人へ涼子が言葉を投げかけ、さらに全員でこれからの戦いの作戦を
軽く語り合うところでEND.


【レビュー】

今回見返した際、改めて評価が高くなった回。
特撮もさることながらヒーローのアクションも割と楽しめる回であり
(もっとも特撮パートのほうが多いため、アクションの部分はやや少ないのだが)
ここでは四大超星神が全滅してしまう重大なトラブルに見舞われながらも
あまり深刻になりすぎずにロギア探索・撃破へ全てを賭けることとなったグランセイザーの前向きさが印象に残った。

そして涼子と直人の間に奇妙?な信頼のようなものが垣間見える回となった。
ヴェルソーの乗ったドルクルスが大打撃を受けたときに思わず「涼子!」と叫ぶタウロンに
その一部分が覗き見えるようだ。

ちなみに今回直人と健太が着ていた道義の胸に刺繍されている「拳王流」は
「七星闘神ガイファード」に出てきた拳王流そのもの…なのだろうか?


【特撮の見どころ】

・ロギアとルシアが話し合っている時に出てくる、ガントラスが収納されている森林のシーン
・ルシアのブーメラン状の剣が林の木を切り倒して蘭たちに向かってくるシーン
・ルシアに蹴り飛ばされる健太
・飛んでくるガントラスに空中戦を挑むドルクルス
・ドルクルス、ガンシーサーVSガントラス

箇条書きしたが割と観るべき部分は多い回かと思う。
1つ目は最初に森を空撮的な構図で映した後、大穴の中のガントラスを穴の中から映している。
アップになったとき、よく見ると穴の内側にも木々があるのが確認できるが実に細かい。
2つ目はなんてことないカットなのだが
ブーメラン剣が木に当たる際タイミングよく木の枝の塊を落としている部分に感心させられる。
3つ目は遠景気味だが下手から吹き飛ばされてきた健太をスライディングで天馬が受け取るシーンを1カットで見せている。

さて4つ目。
ガントラスにドルクルスが空中で立ち向かうシーンはCGモデルとミニチュアを織り交ぜている。
ここでは急降下してガントラスへ吶喊するドルクルスなど、単純に横から突っ込むだけに留まっておらず縦横無尽に動き回っている。

5つ目。 空中戦を制したガントラスが後ろに若干引きずられながら着地するあたりの表現が目を引く。一方でドルクルスは地上に墜落してすぐウォーリアモードへ変形。
やはり光線攻撃の圧力に手も足も出ないドルクルス。火柱が周りに巻き起こっているほどに
その攻撃力は凄まじい。

ガンシーサー召還。今回は新しい映像になっている模様。一体どこの大地から登場しているのか?
変形後のとび蹴りを経て、ドルクルスの援護を受けつつマタドールバーストで圧倒するガンシーサー。
ミニチュアワークが実に細かく、コンクリートのガレキの中にはちゃんと鉄骨も混ざっている。
ガンシーサーの援護射撃を行うドルクルスを手前に配してカメラを横へ動かしたり
出来る限りテレビで行える程度のスケール感を出そうとしているカットが良い。

とはいえただ褒められるシーンばかりではなく、ガントラスから発せられたミサイルが
分散してチルドミサイルがドルクルスを襲うシーンなどはやや安直な感じも受けた。

総合的には第八話・第十二話に並ぶ特撮を堪能できる回といって差し支えは無いだろう。