2019年11月4日月曜日

レインボーマン・第十話

第十話 「やつらを殺(け)せ!」


<狂人>

前回ラストからの続き。
川島は更なる処置を施すべく、タケシを一度装置から解放。
暗い個室で、天井からの光の刺激により更に狂わせる処置を行う。
やがて壁に頭をぶつけだすタケシ。 とうとうタケシを狂わせることに成功したようだ。

その仕上げとばかりに、キャッツアイで狂った人間たちの中に放り込まれるタケシ。
頭だけでなく体力まで消耗しきったタケシ。
川島たちが居なくなったところで、ヨガの眠りの体勢に入る。


病院外では、ダイアナがミスターKに処置の成功をつたえる。
そのK、部下にアフリカと東南アジアに対して何かしらの強化を指示。
徹底的に日本人の進出を食い止めろとも伝えていた。
Kは、タケシの仲間二人についてダイアナに尋ねるが尾行程度で済ませていることを聞き
最優先で始末せよと叱責。  急ぎ団員を配備するダイアナ。


堀田のガソリンスタンド。 当の堀田が夜中に戻ってきたが
既に現地に来ていた死ね死ね団団員によりダイナマイトを仕掛けられていた。
導火線に火をつけ、堀田の爆殺を実行するが
たまたまダイナマイトを仕掛けた部屋に堀田が入り込み、急いで導火線を消そうとするも消えず
仕方なく窓からダイナマイトを放り投げ、難を逃れる。
爆発したダイナマイトに巻き込まれる団員の一人を置き去りに、負傷した団員たちが逃げ出す。

やがて警察が爆発さわぎを聞きつけ検分に駆けつけるのだが、
堀田の連絡を受けた北村も到着している。
北村が、死んだ団員の顔を見てその異様さに驚きを隠さない。
この事実はダイアナを経てミスターKにも知られることとなる。
A8号とナンバリングされた団員を、Kは遠隔装置により死体の処理を始める。

警察による死体の写真撮影が行われる直前、A8号はあとかたも残さず消滅させられた。


消滅までの一部始終を見た堀田は、これが死ね死ね団か、と驚愕。


<再生>

処理の完了をダイアナに告げ、続き堀田たちをさっさと殺すよう指示を飛ばすK。

翌日、堀田は自分の職場にて北村と死ね死ね団のことを話し合っていた。
まだ松尾精神病院に居るタケシのことが気になる北村たちは急行することになったが、
その会話は既に盗聴器によって筒抜けであった。
ダイアナも病院へ団員を配備。
一方その病院内では、タケシのヨガの眠りが終わろうとしていた。
汗とともにキャッツアイの成分が溶け出していく。

死ね死ね団・東京湾内の秘密基地。
いよいよキャッツアイ作戦も本格化することが、ミスターKの口から発せられた。
大量虐殺作戦。
まず村山貯水池へすべてのキャッツアイを輸送する旨、メイジャーアルへ指示。
時間は日時が変わる午前0時まで。 ダイアナの協力もある。


一方、ヨガの眠りから醒めたタケシだが体力が戻ったとは言いがたい状態である。
川島がビンタを張って確認してみるが、完全にイカれていると判断。
しかしわざと眠りこけることで目を欺くタケシだった。

先述の、輸送作戦の為に用意した大量のキャッツアイを隠した倉庫を確認する川島とダイアナ。
倉庫に温存されているキャッツアイを確認し安堵するダイアナ。
倉庫から出ると、一億円の報酬を川島に渡すことになっているのだが、
あと二人ほど始末してからだ、とダイアナ。
川島はその一億円を使って病院の院長になろうとしているようだ。

そこへ看護婦が現れ、堀田たちが面会に来たことを告げる。
ダイアナがうまく外におびき出すよう指示。


<戦闘>

川島は、タケシに異状が認められたため再度の検査を要すると堀田達に告げる。
面会自体は11時からで、それまで外に出て待っていてはと告げる。

一応タケシの身は無事そうだと安心する堀田達だが。
北村は駐車場でダイアナの顔を認め、追いかける。
とうとう死ね死ね団と対峙することになる堀田と北村。 応戦するがやがて数の不利で二人たおされてしまう。
二人にキャッツアイを飲ませ、狂わせ殺そうとするダイアナ。

堀田たちが連れ込まれていくのを見たタケシ。 いよいよダッシュ7に変化し
キャッツアイを飲まされそうになっている堀田たちを救い出す。
不動金縛りの術で団員の動きを止めると、ダイアナは形勢不利を悟って逃げ出す。
川島も一緒に逃げようとしたが、ダイアナに射殺される。

金縛りが解けた団員たちも逃げ出す。 堀田、北村と邂逅するレインボーマンことタケシ。
しかし正体は明かさず、タケシは無事である由伝え、死ね死ね団を追いかける。
逃げるダイアナを追うダッシュ7だが、それを足止めする団員達。
さらにその援護に現われる北村と堀田。


援護を受け、キャッツアイ倉庫までたどり着くダッシュ7。
倉庫内にも忍んでいた団員達との戦いが繰り広げられる。
やがて火炎放射器を持ち出し、焼死を企む団員だが、ダッシュ3へ変化し応戦。
火を上げ、爆発までするキャッツアイの中、懸命に消火を行うレインボーマン。
メイジャーアルとダイアナが隠し扉で脱出すると、アルは何かのスイッチをONにする。
恐らく倉庫ごと爆破しキャッツアイもろともレインボーマンを殺そうとしたのだろう。

そうとも知らず、証拠となるキャッツアイをひとつでも手に入れようと火を消そうと努力するのだが・・・。


【レビュー】

とうとう、堀田たちも巻き込まれていくことになる。
と同時にキャッツアイ作戦も本格的に進行しようとするのがこの回。
秘密基地の存在も視聴者に知られ、ここに至ってようやくヒーローものらしい体裁が整うことになる。
こうしてみると、なるほどヒーローものとしては珍しいくらいに話をじっくり展開させていることが改めて判る。

今回は精神病院の医師・川島が印象に残る。
死ね死ね団とは協力関係にあるが、それは一億円を手に入れるためであり
目的も、松尾精神病院の院長になりたいがため、という非常に現実味のある理由も提示されている。
ヒーローものの、こうした敵側協力者に関して自分の欲を優先するタイプは必ずしも珍しくはないが
割合現実的な部分を強調している点が興味深い。
一億円はおそらく賄賂なり、院長になるための工作資金にでもするつもりなのだろう。


一方の死ね死ね団との戦いだが、終盤唐突に持ち出した火炎放射器によるキャッツアイもろとものレインボーマンの処理という展開は急で、若干気になった。
その一つ前のシーンでは、堀田達によるレインボーマンの援護と言う展開は中々見せるものがあるのだが。


【特撮の見どころ】

・消される死ね死ね団員