2019年11月4日月曜日

レインボーマン・第十一話

第十一話 「罠をかけろ!」


<戦いの後>

前回ラストからの続き。
爆発が拡がって行くキャッツアイ倉庫に見切りをつけたレインボーマン。ダッシュ7へ変化し脱出する。
外では堀田たちが団員たちとの銃撃戦を繰り広げていた。
ダッシュ7が合流した直後、北村が油断から撃たれてしまう。
残りの団員をダッシュ7が蹴散らしていく。

変化を解き、北村のもとに駆けつけるタケシ。
タケシの無事を確認し安心の表情を浮かべた北村だが、その直後
キャッツアイ倉庫が大爆発を起こす。

遠く離れた川から、メイジャーアルとダイアナが脱出しその爆発を見届けていた。


病院に搬送され、手術を受け一命を取り留めた北村。
俺が死ね死ね団のことを言わなければ、と悔やむタケシだが、あくまで北村を傷つけたのは死ね死ね団なんだ、と
タケシに冷静さを取り戻すよう促す堀田。


一方の死ね死ね団基地。
テレビのニュースでは、松尾精神病院の爆発と、北村の負傷が取り上げられていた。
さらには死ね死ね団の存在までニュースで知れることとなる。
これを眺めるミスターK以下一同。
メイジャーアルへの責任を確認後、死刑を宣告するK。
別室へ移動後、A8号にしたのと同じようにアルを消滅させてしまった。
そのサマを見て膝から崩れ落ちるダイアナ。

戻ったミスターKは、キャッツアイの在庫は秘密基地にある分のみとなったため
最小限の数で最大限の効果を発揮する作戦を指揮するよう、改めて
メイジャーブルへ指揮権を渡す。
ダイアナへは、チャンスを与えると称して工作部隊の結成を指示・タケシの抹殺に動くよう指示した。


<探索>

タケシの家では。
昨日誕生日だったタケシの誕生日パーティーを開いていたのに、当人が居ないことをたみやみゆきから咎められていたタケシ。
もう大人なんだから、忘れたじゃ済まされないことがあるんだよとたみが叱る。
淑江も心配そうに見つめるが、正造は二日連続で祝い事があるんだからいいじゃねえか、と能天気。

そこへ、夜中だというのに郵便が届く。
たみがタケシへその郵便物を渡すのだが、宛名に覚えが無い。
不審に思ったタケシが耳を当てると、時計の音。 時限爆弾か?
やおら家を出て、公園まで飛び出すとダッシュ6へ変化、地雷震の術で生じた地面の裂け目へその郵便物を埋めると
果たしてそれは地中で爆発した。

その状況を遠くで眺めるたみたちに、タケシは「あれは時限爆弾。俺を殺そうとしたんだ」と告げた。
とうとう家族や知人たちにも、死ね死ね団について話をせざるを得なくなった。
一方ダイアナは失敗を受け、即座に次の手を打つよう指示。

改めて家の中では、マカオへ行ったあたりからの経緯を皆に話すタケシ。
キャッツアイによる日本人の殺害事件を訴える真っ最中に堀田から電話があり
北村が亡くなった事が告げられる。
「頑張れ」 それが、タケシへ北村が遺した言葉だった。
知人の死まで発生した以上、たみもみゆきもすっかり怯えてしまっている。
警察に任せるべきだろう、と正造は言うのだがじっとしていればやられるだけだと反駁するタケシ。
そんな中、ボウガンによるタケシの狙撃が行われるも間一髪で逸れる。

もはや家庭という安住の場が失われたタケシ。
しかしこれに怯むわけにも行かないタケシは、淑江に協力を頼み込む。
たみは淑江まで巻き込もうとするタケシにうろたえるものの、淑江は申し出を受け入れる。
正造も信じた人の為なら命を懸ける、それが女の心意気だと淑江の協力を快諾。


<発覚>

ダイアナは、二度の失敗を受け団員を叱咤。
失敗すれば私達も死刑に処されるのだから、チャンスを見つけて確実に殺すよう指示を飛ばす。
はたして翌日、さらなる包囲網を張ってタケシを尾行していくことになる。

家を出て行くタケシを尾行する女性隊員。
途中、デパートへ入ったところまでで報告が途切れる。
一方、例のマッチ箱に書かれていた店・ファッションショップケイへ淑江が入店し色々探っている。
とうとう女性隊員はタケシを見失ったと報告。タケシ自身はうまく巻いたことを確認後、ダッシュ5へ変化し
東京湾内を飛行・死ね死ね団のアジトを探索していたのだが・・・。

夜。正造の家に戻ると淑江もタケシも成果がないことを互いに報告。
そう簡単に基地が見つかるもんじゃねえさ、と正造。 気長に探すことだと応援。
淑江も協力を続けることになる。

そうして、日々レインボーマンは東京湾の空を偵察しているのだがまるで成果はなし。
平和な東京の空をただ眺めるだけで終わってしまいそうである。

一方、淑江はケイへ調査に来ていたのだがそこへミスターKが現われる。
ダイアナとミッチーへ新たな作戦の指示を出すのだが、同時に淑江のことを気にするK。
ダイアナが改めて顔を見ると淑江であることにようやく気付く。
店内にて、淑江に拳銃を突きつけ別室へ連れ込むダイアナ。


<誘拐>

夜。 正造の家では淑江の帰りを待つタケシと正造。
そこへダイアナから電話がかかり、淑江を人質にしている旨タケシに伝える。
ケイへ急ぐタケシ。ダッシュ7へ変化し現地へ潜入。
ある一室に捕らえられている淑江を認めたダッシュ7は、そこへ飛び込んだものの落とし穴の罠に引っかかりかける。
手だけでなんとか逃れているダッシュ7を囲うダイアナ達。
マジックスクリーンに映った淑江を使った罠。 
絶体絶命のピンチがレインボーマンに訪れていた・・・。


【レビュー】

この回で、とうとう家族や恋人・知人へと死ね死ね団の存在が明かされることになる。
とはいえその存在を飲み込めているのかどうかには個人差が出ている。
たみやみゆきは、とにかくタケシが危ない目に逢う事を恐れている。
正造は最初こそ警察に頼るべきだと現実的な提案をするのだが、タケシの反駁に折れてか
淑江への協力を快諾する所まで態度が変わる。

その淑江もタケシを案じこそすれ、タケシの役に立てるのならと提案を受けることになる。
もっとも彼女が、レインボーマンのピンチを誘発することになるのだが。


死ね死ね団の策動も、ここからはレインボーマン抹殺へウェイトがかかることになる。
どうやらミスターKから見ても最大の障害になりうるのは実質レインボーマンのみであると認識しているようである。
今回はかなりな所までタケシ=レインボーマンを追い詰めることに成功したダイアナ達だが
いかんせんレインボーマンはまだこの時点では能力を最大限発揮していないことに、まだ気付いていない。
#ということは、視聴者から見てもレインボーマンの能力はまだ未知数であるとも言える。

ミスターK自身の冷徹さが改めてこの回で提示されてもいる。
致し方ないとはいえしくじったメイジャーアルを処刑し、それを見て怯えるダイアナに対しても
チャンスをあたえると称して、(ダイアナから見て)死刑の機会を引き伸ばす一方
作戦に対して堅実さを求める現実感もまた、ミスターKの人物像として記憶される。

今回はつまるところ、人物像の提示に走った回とも言える。
ただし話自体は停滞しているわけでもない。前回までと比べるとややスロー化したとは言えるが。


【特撮の見どころ】

・地雷震の術による地面の亀裂

本作は施設爆発と、一部ライブフィルムの多用以外は特撮パートが極端に少ないのが特徴か。
#合成は除く。
一応拙レビューでは、本作だけで作られた特撮パートのみに的を絞ってレビューすることになる。