2019年11月6日水曜日

レインボーマン・第十二話

第十二話 「危機一髪!!」


<死線>

前回ラストからの続き。

ダイアナのサーベルを腕に受け、落下するレインボーマンだがとっさにダッシュ1へ変化。
串刺しになる寸前で回避・光線によりブレーカーを破壊する。
暗闇の中、落とし穴から脱出するダッシュ1は団員たちとの小競り合いの後、
隠し扉を偶然見つけまわりこむ。  入った部屋には淑江が居た。

直後、追いかけてきた正造も事務所内に入り込み、ダイアナたちに出くわしてしまう。


意識の戻った淑江と対面するレインボーマンは、タケシの友人であると告げるが
直後にミスターKの声がスピーカーから流れてくる。
仮に淑江を助けたとしても別の部屋に捕われている正造までは助けられん、とレインボーマンを挑発する。
怒りに震えるレインボーマン。 一方で正造はダイアナのムチで痛めつけられる。
それをモニターで見て、早く逃げてと淑江が叫ぶのだが・・・。


ミスターKが、面白い実験と称してガス状のキャッツアイをレインボーマンたちの居る部屋に流し込む。
もし外に出たら、たちまち液状化しお前達二人を蝕む死の雨となるであろう。
レインボーマンは脱出困難の状況をどう切り抜けるのか?


<仮死>

タケシの家では、夕食を準備して待ち続けているたみとみゆき。
何処に行ったのかしれず、町中へ探しに出るみゆきであったが。

一方、レインボーマンはガスに耐えきれず咳き込む淑江を励ますのだが、どうしようもない。
やむを得ずボディブローで気絶させると、ダッシュ1は人口呼吸によりキャッツアイの毒を淑江から全て吸い出す。
この荒業により淑江は救われる。
その状況をモニターで見ていた正造も、スキを衝いて団員から拳銃を奪い、やたらめったら撃ちまくると
隠しドアが開いた。

そこにはレインボーマンと淑江が。 団員のボウガンを脚に受けながらも淑江と正造は邂逅。
しかし、液状化したキャッツアイと、ダイアナたちに囲まれ絶体絶命の状況に陥る。
しかも体力をほとんど使い切ったレインボーマンは、とうとうヨガの眠りをむかえつつあった。
ダッシュ7へ変化し、煙を打ち出しダイアナたちを怯ませると
淑江たちを先に脱出させ、自身は団員の足止めに。

逃げ出す淑江と正造だが、別の道から団員が現れボウガンを撃ち込み、すんでのところでかわす。
再度撃ち込まれたが間一髪、ダッシュ7が全てのボウガンを身に受けつつも
不動金縛りの術で団員たちの動きを止めると、急いでアジトから二人を脱出させることに成功。
しかしこの時、力を全て使い果たしたレインボーマンはとうとうアジト内でヨガの眠りにはいってしまった。


<復活>

朝。
みゆきは夜を徹して探していたのだが、やはり見つからない。
探す途中、夜空に輝く虹に不吉なものを覚えていた彼女なのだが・・・。
一方、正造と淑江も病院に向かっていた。
アジトでは、ダイアナがタケシを仕留めた旨ミスターKに報告するのだが
Kは念入りに、完全なる抹殺を企てる。  最高の処刑方法とは一体?

直後、死ね死ね団員によって拉致されるみゆき。
タケシは死んだと告げた彼らだが、一体どうしようというのか。

病院内では淑江が、タケシのことを思い煩う。
その様子を見た正造が、お前の目で見たタケシだけを信じればいいんだ、と淑江を励ます。
人間は弱いからなぁ、俺たちの武器は信じることしかできねえんだ、とつぶやく正造であった。
元気を取り戻す淑江に、笑顔で返す正造。


一方みゆきは、団員によってタケシの居る荒地へ連れ出されていた。
これほど戦慄に満ちた、残酷な夜明けもあるまい。 と不敵に笑うミスターKの指示で
タケシの周囲に炎が付けられる。
ヨガの眠りの中、焼き殺されようとするタケシ。
悲痛な叫びを、兄を呼ぶみゆき。

力を振り絞り、やがて倒れこむみゆきだが、
妹の呼ぶ声がタケシの耳に届く。
ヨガの眠りが醒めるのも近い。 

そしてタケシは眠りから醒めた。 ボウガンを全てはじき出すと同時にダッシュ7へ変化。
みゆきの元へと飛びだし救出に成功した。
狼狽するミスターKだが、冷静に状況を分析。 5時間も死んだフリが出来るわけがない。
まさか、とレインボーマンの秘密に気付いた。

逃げ出していた死ね死ね団員。 変化を解いてみゆきと無事を確かめ合う。
自宅へ帰ると、正造が大怪我したんだからこれからお見舞いにいくように言うたみ。
正造は元気なところを三人に見せる。
そこへ淑江が現れ、タケシの無事を喜ぶ。 五人に安堵の空気が流れるのであった。


タケシと淑江は外へ出、昨晩の話をしている。
本当はタケシに助けに来て欲しかったという淑江に、人口呼吸によって毒を全て吸い出した時のことを思い出すタケシ。
照れを隠すかのように背伸びをするタケシに、突如ボウガンの矢が目の前をかすめていった。

矢には手紙が結わえ付けてあり、それを見ると・・・
十年前、消息を絶った父によるものであった。
その文面は、タケシに動揺を与えたのだが、果たしてその内容は?


【レビュー】

危機一髪、脱出劇が描かれた回なのだが
やはり自分がレインボーマンとは名乗れないタケシの、淑江とのすれ違いが描かれている。
ただしケンカに発展するというものでもなく、どちらかと言えば父である正造のアドバイスによって
タケシを信じて待つことを決意する淑江のドラマに焦点があると言える。

一方で今回の終盤、ミスターKがレインボーマンの弱点に気付く展開もあり、
対レインボーマンというストーリーラインが地味に進んでいる点も記憶されて良い。
実際この後、ヨガの眠りに入ったであろうタケシを捜索し、殺そうとする展開も出てくることになる。

また、ダッシュ1の特殊能力が遺憾なく発揮される回としても記憶される。
淑江が吸い込んだキャッツアイを、人口呼吸の形で毒を全て吸出し、更に自らの背中から放出させるという荒業が見られる。
ナレーションでも自らの体力を蝕む危険なワザ、というふうな紹介もあり
こういった能力を見ると、ダイバダッタほどじゃないが人命救助のための秘術を体得していることが窺える。
#だいぶ後の話でも、類似の展開があることは覚えてもいいかもしれない。


【特撮の見どころ】

・なし

ダッシュ1の光線技や、不動金縛りの術の際のカットなどがあるが
まあ、特筆するところでもないであろうか。