2013年9月5日木曜日

グランセイザー・第二十二話

第二十二話「見よ!合体超星神」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、秤谷仁、雨宮涼子、松坂直人、神谷豪、早乙女蘭、反町誠、三上辰平、魚住愛
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司
★<敵> インパクター・ルシア、インパクター・ロギア


<戸惑い>

冒頭。 ほぼ完治したルシアに対してグランセイザー抹殺作戦から外れるよう命令するロギア。

一方病院では、誠と愛、洸の口論。
「死にそうになった人間を助けるなと言うのか!」と問う洸に
「戦いは、どちらかが倒れるまで終わらないんだ!」そう答えて揉みあう二人を
「殴られたら殴り返すが、相手が倒れたらそこで終りだ!」
天馬がそう叫び、二人を別ける。
グランセイザー間でも、今回の戦いにおいて意見の食い違いが露になったその頃・・・

ルシアとロギアのアジトでは、「アクセラレーター」という強化アイテムをルシアが発見。
それを見つめて思いつめた顔をするルシア。


<ルシアの戦い>

数人のグランセイザーたちが、それぞれ別行動をしている後ろでルシアがカードを置き・・・
最後に天馬の目の前に立ちはだかり戦闘へ。
仲間を呼ぼうとするタリアスだったが、呼ばれたメンバーもまた「ルシア」と戦いの最中であった。
別の場所で同時に戦いが巻き起こったカラクリを、レムルズが暴き
「ルシア」発生装置となっていたカードを破壊。

タリアスと合流したほかのメンバーとルシアが対峙。そこに水のトライブも合流する。
愛はルシアに自分の星に帰る様説得するもルシアは強化アイテム・・・アクセラレーターを手に叫ぶ
「もう私にはこれしか残されてないのよ」
駆けつけたロギアの目の前でアクセラレーターを身体に取り込むと巨大化、石油コンビナートなどのある街を荒らす。
グランセイザーも四大超星神を召還しこれに対抗する。


<超古代文明・最高の守り神>

しかしルシアの能力は高められており、四体を相手に光学迷彩を用いて翻弄。
そのルシアに対して四体の必殺技をぶつけた瞬間に小型の分身が幾つも現れ、
集団で四体を切り刻むなど序盤は圧倒的な攻撃力を見せ付けたルシア。
一度はクラウドドラゴンから発せられたバリアによって窮地を凌いだものの
ロギアの制止も空しく、ルシアは更なる巨大化まで見せつけ
超星神たちにはなすすべが無くなってしまう。

だがクラウドドラゴンの上に載っていたガントラスが突如起動。
さらに四体の超星神がライブモードへ変形し・・・
ガントラスのもとへ集合・合体。
黒い巨大な怪獣型ロボットへとその姿を変形させたのだ。

ルシアの攻撃を打ち返し、小型分身すらなぎ倒した巨大ロボットだが操縦しているはずの四人
タリアス・レムルズ・タウロン・ゴルビオンには一切の制御が出来ない状況であった。
さらに巨大ロボットは倒れたルシアに対し噛み付き、振り回すなどその狂乱振りを見せ付ける。
それを見守っていたヴィジュエルが、何かを感じ取ると同時にグランセイザーたちの頭の中に
あの超古代文明が壊滅していく光景がまたも浮かびだされた。

ダイセイザー

乗り込んだ四人のグランセイザーが心を一つに合わせたとき、ダイセイザーは彼等に従う
とヴィジュエルが呟くと
さらにダイセイザーはルシアへ打撃を加え続ける。
ロギアは既にルシアが助からないことを悟り、その場を去る。

パイシーズは語る。
「インパクターを倒しても誰かが敵を取りに来るのなら戦いは続く。 そうすれば私達も超古代文明と同じ末路を辿るかも・・・」
そしてタリアスは
「終わらない戦いなんて悲しすぎる」とこぼし・・・ 四人の意思のもとダイセイザーの動きを止めた。
その手から崩れ落ちたルシアは、もとの姿に戻ると最後の力を振り絞って川岸に倒れこみ
そして 焼け焦げたカードを遺して姿を消した。
遺されたカードを手に、悲しみに身も心も包まれるロギア。

合神獣王ダイセイザー、そしてそれを見つめる素顔の12人を映してEND.
今回はエンディング途中までラストカットのカメラアングルのまま少しだけ話が進む構成である。


【レビュー】

ルシア退場編、そしてダイセイザー初登場編である。
だが今回、ストーリー上では
「グランセイザーとしての戦いについて、意見の食い違いが見られた回」としての意味合いのほうが大きいようにも思われる。
最後まで徹底抗戦をするべきと主張したいような誠と
もう決着がついた以上、戦わなくてもいいだろうとする天馬
命を助ける立場の洸に、ルシアの為にインパクター星へ帰ってほしいと願う愛と
各人のエゴ抜きで、この戦いについて激しくやりあったドラマパートは
今後の展開においても、またこの作品そのもののポイントの一つとなっていく。

今回見て思うのは、誠の発言内容は思春期後半の男子高校生みたいな雰囲気が強すぎて
今見るとちょっと「現実は所詮そういうもんなんだよ!」といわんばかりの態度が鼻につく・・・。

この作品は門外漢から見た職業のイメージから来る性格付けが極端な面があるが
洸と誠、愛の口論などはまさにその典型と言っていいのではないだろうか。
もっともそういう部分は、本作に限らず他社作品でも程度の差はあれ見受けられるものだが。


【特撮の見どころ】

・巨大ルシアの多彩な戦術
・ダイセイザー、合体!

ダイセイザー登場というトピックに隠れ気味だが、実はこの回で初めて四大超星神が出揃っている。
と同時に四体が一斉に空から召還されていくバンクも用意された。

しかし四体同時に攻撃したのを最後に、特にいいところ無くルシアに翻弄されてしまう。
そのルシアだが最初は光学迷彩で四体を惑わせる。
ここでは、実際に光学迷彩でルシアが動いているように見える合成を用いているl
(光学迷彩ルシアの向こう側に超星神がちゃんと透けて見えているが、歪んでも見えているあたりが細かい)

四体同時必殺技に対しては小型分身を用いて、四体を一斉に切り刻んでいく戦法へ。
やはり小さくても数は数である。
映像としては、小さなルシアたちが暴れているように、それぞれ一体ずつ違う動きをしているモノを合成でくっつけていて
その光景を遠景で映しているのだが、あるタイミングでさらにカメラ側から奥へ向かっていく小型ルシアが2人ほど映る。
地味目に映り勝ちな遠景のアングルだが、そうした動きも同じフレーム内で入れていることで
奥行き間や画の変化をももたらしている。

さらなる巨大化はそのままなのでノーコメント。 だが超巨大ルシアの影がちゃんとミニチュアへも落ちていることに注目したい。

ダイセイザー合体シーンはCGによるバンク。
合体終了時、上空へ炎を吐き、右腕を突き出すことで背後から効果が入るシーンなど
本作も中盤にさしかかるにあたってようやく派手目なカットを取り入れるようになった。

ダイセイザーがルシアを噛み付いて、振り回すシーンだが
この時ルシアのCGモデルが棒立ちなのが気になってしまう。
(あるいは棒立ちルシアを切り取って合成しているのだろうか?)
他はいいだけに、カクカクした動きで振り回されるルシアを見ると興ざめしてしまうが
その噛み付いて振り回すダイセイザーという画のインパクトのせいで気になりにくい   と思う。

巨大戦は、超星神やルシアが倒れるたびに地鳴りや土ぼこりが舞い上がる画もちゃんと入っており
それも土だけでなく砕けたコンクリートなどもあり、地味に芸が細かい。
ただ、ミニチュアというか戦う舞台が若干似たようなものになりつつあるのは気にもなるが…。
(石油コンビナートだったり、港を思わせるような舞台が第二部の巨大戦では多い)