2013年12月10日火曜日

グランセイザー・第四十四話

第四十四話「解明!超古代戦争の謎」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、早乙女蘭、神谷豪、反町誠、魚住愛、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、沖田総一郎
★<敵>ボスキート


<超古代戦争の謎>

炎のトライブが何処かの河原で休憩中。
ボスキートが自分達のルーツなのかどうかについて思い悩む三人。後味の悪さを感じているようだ。
そして研究室では博士が納得の行く結論を求め考えを巡らせている。
カプセルの破片を見たとき、水晶板を取り出す博士。
ボスキートを封印していたカプセルなら超古代文明の遺物であるわけで、もしかすると
水晶板と反応することで何かしらの情報が引き出せるはず。

少し後で、御園木を呼び出して破片と水晶板の反応を確かめる。お互いに光を放っており
もしここに蘭が来れば、きっと超古代戦争についての真相が明らかになるかもしれないと二人は確信をする。
その一方、沖田が兜山でハイカーが行方不明になったという通報を受ける。
既にボスキートは倒したはずなのだが・・・。
この情報は、豪も先輩刑事の澤村から得ており
ただちに他のグランセイザーにも知れ渡ることとなる。
ドライブ中の仁や休憩中の炎のトライブもそれを確認し、兜山へ急行することに。
まさか、ボスキートがまだ生きていたとでも言うのだろうか。

再び研究室。 今度は蘭が水晶板に手を触れ、超古代戦争の記憶を引き出す。
記憶が蘭の中に蘇った後、蘭の口からは「ウォフ・マナフが地球を攻めた本当の理由」が語られる。
超古代戦争、その真実や如何に。




<ボスキート、再登場>

兜山登山口。 既に誠が辿りついていた。
次いで仁も現れ、軽い会話を交わしながら、行方不明者捜索へ向かう。
そこへグランセイザー全員に向けて、蘭の口から超古代戦争の真相が語られる。

「地球人は進んだ文明を持っていたのは事実だが、それが原因で宇宙連合から敵対視されたわけではない」
「超古代戦争の真実、それはボスキートに襲われた地球を救うためのウォフ・マナフによる救援行動であった」
「ボスキートにより壊滅状態に陥った地球人は、ウォフ・マナフに助けをもとめる一方、ボスキートへ対抗するべく地下に逃れグランセイザーと超星神を作り上げた」
そして超星神が量産されないうちに・・・ そこまで語られた時、誠と仁がボスキートに襲われる。
たまたま兜山に単身乗り込んでいた直人が争う音を聞きつけ、二人のもとへ駆けつける。
事態は急転、御園木と沖田、そして蘭が研究室を後にする。
ひとり、破片を手にして思案する博士。

兜山。ボスキートと戦うゴルビオンとダイルだが
案の定二人がかりでも圧倒するに至らず、逆にその力により倒されてしまう。
二人のピンチを、タウロンが助け出しこれで三対一に。
マタドールバーストに対して同じような技を繰り出し相殺してしまうボスキートを見て
ゴルビオンとダイルは合体必殺技を繰り出すことに。

デ・ストームと大旋風波の合体技に対してバーニングファルコン様の技を出したボスキートだが
打ち消されるどころかその水の渦に飲み込まれ、凍り付いてしまった。
各トライブごとの力を合わせる事で活路を見出せそうだ。

戦いの後、三人は凍りついたボスキートを前に
他の九人が合流するまで待機することになったが、そこへ警官二人がやって来て三人に速く下山するよう求める
押し問答になりかかったその時、ボスキートが体温を上げて氷を溶かしてしまう。
そして警官二人を捕まえ捕食。
その後・・・ ボスキートは二人に分離してしまった。
一時的な対処でもどうしようもなく、生物がいる限り捕食・分裂による増殖を繰り返すボスキート。
キリがないと嘆くダイルだが、そんな三人の下に炎のトライブも合流する。

一方研究室に残った博士は、カプセルのデータを参照中。
カプセルの能力を応用した、対ボスキート用の新しい武器が作り出せるかもしれない。

そして国防省。御園木は兜山からボスキートが脱出しないようユウヒを出場させ封鎖することに決める。
沖田を博士と合流させ、兜山での状況を逐一報告するよう指示する。
命令を受け、ユウヒが兜山に向けて空輸される。


<ボスキートの謎>

兜山ではなおもグランセイザー六人とボスキート二人の戦いが繰り広げられる。
戦いはじょじょにグランセイザー側に傾いたのか、兜山麓へ逃げ出そうとするボスキート二人。
そこへ博士と沖田が出くわし、ユウヒを使ってボスキート一体を倒す。
倒れたボスキートからは紅いコアのようなものが落ち、それが残りのボスキートへ吸い込まれると
沖田を倒しユウヒのコントローラーを強奪。 ユウヒを操りグランセイザーへ攻撃を加える。

不利な状態に追い込まれたグランセイザー、炎のトライブがガルーダを呼び出したが
それを見たボスキートが、なんとガルーダへダイヴインしてしまった。
動けないユウヒへ攻撃を加えるガルーダを見る一同。
信じがたい光景を目に、博士は呆然。
そして六人に向けてガルーダの攻撃が浴びせられ、ついに全員の装着も解ける。

ウォーリアモードへ変形したガルーダを、失神から目覚めた沖田がユウヒを用いて応戦するも
ガルーダの猛攻に苦戦を強いられてしまう。
ガルーダを奪われうろたえる天馬。 この異常事態にグランセイザーはどう対処するのだろうか?


【レビュー】

ボスキート戦ラストの前編。
そして、今回は第一話から繰り返し提示されてき続けた超古代戦争についての真相が明らかになる。
ここでいわゆる「コペルニクス的転回」とでもいうような真実────
実はウォフ・マナフVS地球ではなく ウォフ・マナフVS「地球を滅亡させようとしているボスキート」という構図が明かされる。

そして前回倒したはずのボスキートが再び現れているが、これは前回・前々回を見ていると
兜山の住民を捕食していたカットの時、すでにボスキートが一体分裂しかかっており、その際の一体が今回登場しているものと思われる。
(話の流れ上判りづらいが、そこで既に二体に分かれていたことがあるカットにて明かされている)

各トライブが合同で必殺技を組み合わせることでボスキートへ有効な攻撃を与えられることも、前回描写されたとおりだが
今回は二人の合体必殺技だったためか一時的に動きを止めた程度に収まっている。

終盤ではユウヒを声で操るどころか、ガルーダすら乗っ取ってしまうなど傍若無人な暴れっぷりを見せるボスキート。
グランセイザーにとっては真相が暴かれる回であると同時に最大のピンチとなった回でもあり
第四部の中ではかなり内容の詰った前後編となっている。


【特撮の見どころ】

・デ・ストームと大旋風波の合体必殺技で凍りつくボスキート
・空輸されるユウヒ
・ユウヒVSガルーダ

今回は巨大戦も加わり、見どころはそれなりに増える。
1番目はCGモデルのボスキートだが中々悪くない見た目じゃないだろうか。
(この時、氷のつき具合が薄めなのが後の展開を暗示しているようである)
ボスキートの氷が溶けてから動き出すまでは恐らくポーズを取ったアクターに氷を合成しているのだろうか。

ユウヒが空輸される一連のシーンは、いつもの出場シーンに輸送用ヘリを合成したり
空輸されるユウヒと輸送機のモデルを新造しているようだ。
いつもの格納庫のある国防省の施設から、兜山までは距離があるからかこういう描写も出てきたようで
普通なら既に現場に駆けつけている体にするところなのだが、空輸シーンを描くことでユウヒそのものに現実感を与えている点は評価できる。

兜山でのガルーダとユウヒの戦いは、遺跡現場や工事現場が近くにあるのか
トラックやスコップなどがミニチュアで配されている。
つくづく細かいところに気遣いをするスタッフだ。