2014年1月13日月曜日

グランセイザー・第四十九話

第四十九話「宇宙連合軍進撃開始!」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、早乙女蘭、神谷豪、反町誠、魚住愛、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、沖田総一郎、アケロン人・ルビー、ロギア
★<敵>ベルゼウス、ゴーギャン


<残された時間と手段>

ベルゼウスと、部下のゴーギャンが宇宙戦艦内と思しき場所で話し合う。
蘭よりも先にルビーを抹殺しなければ、ウォフ・マナフへこれまで自分が仕掛けた策謀および
地球を足がかりに全宇宙を支配するという自らの野望が知れてしまえば失脚は免れない。
そうなる前にルビーを殺そうという考えであろう。

国防省。
既にウォフ・マナフの艦隊が行動を開始しかけており、もはや国防省としても対応を決めなくてはならないところまで来ていた。
国防会議では対応の協議中であったが、先ほど終わったようで御園木が呼び出された。
国防省の別室では蘭が水晶板に手をかざして交信を試みるのだが、成果はない。
そうこうしているうちに、残された時間は10時間を切ってしまう。
国防会議の決定やいかに?

いつもの研究室では、天馬と未加が博士にグランセイザーと超星神の本当の役割について話をしている。
「敵の侵略には、力を持って立ち向かわなくてはならないと思っていたがそれは間違いだったようだ」
そういってうなだれる博士に、未加は自分達も同じ勘違いをしていたことを告げ
天馬もまた、ここまで戦ってきた仲間なんだから博士も落ち込んでいる場合じゃないですよ。と励ます。
今自分たちの役割に気づいたのなら、俺たちはまだやれることがあるはずだ。

しかし、まだひとつの疑問が残されたままだった。
クラウドドラゴンからの問いかけ──── グランセイザーがなぜ12人居るのか。
この問いへの答えを博士とともに考えている最中、御園木からの連絡が舞い込んでくる。


<狙われるルビー>

国防省はウォフ・マナフの攻撃に対して迎撃行動をとることになった。
国防会議での決定を博士達に伝えた御園木。 当然中止を要請する博士達だが
決定事項である以上は既に御園木一人の力ではどうしようもないところまで事態が進んでいた。
御園木はつぶやく。俺はこういうことしか出来ないのだ、と。

一方のグランセイザーも出来る限りのことをしていた。
12人が水晶板に手を合わせて、交信を試みていたがこれも不発。
ルビーは、交信の手段については一切口を閉ざしたままだった。
彼女はグランセイザーを信用してはいないのだろうか?
病室の前で見回りをしていた涼子と仁がそんな話をしていると、ゴーギャンが突如ルビーに襲い掛かってくる。

国防省の隊員をなぎ倒し、立ちふさがるダイルも倒しルビーを追い詰めていくゴーギャン。
ヴェルソーも吹き飛ばされ絶体絶命のピンチに陥った時、タリアスとミトラスが駆けつけてくる。
しかしゴーギャンの守りは固く、タリアスに続いてやってきたレムルズ、ゴルビオンでも歯が立たない。
ゴーギャンの攻撃がミトラスへ向けられたとき、横から緑色の光弾が弾き返す。
ロギアだ。

形勢逆転し、ついにゴーギャンを追い詰めたロギア。ホロスナイパーでトドメを刺そうとしたとき
横からタリアスが制止。 そのスキにゴーギャンは逃げていく。

なぜトドメを刺さない。あそこで生かしておけばまた何度でも襲い掛かってくる。
そういうロギアに対して天馬は 「あいつを倒してもまた新しい敵がやってくる。同じことの繰り返しだ!」と反発。
一度始まった戦いは、どちらかが死に絶えるまで終わらないと断言するロギアへ
戦いは終わらせることが出来るんだと言う天馬だが…。

国防省の病室へ戻り、ルビーと今後について話し合う天馬と未加。
蘭がウォフ・マナフと交信が出来ない限りはどうしようもないというルビー。
そのウォフ・マナフとは実体のない存在・・・「宇宙の大いなる意思」なのだ。
普段は船団の中心にある母艦から指示を出しているということなのだが
それを聞いた天馬は、単身母艦へ乗り込んで直訴しようと目論んでいた。
止める未加に対して、たとえ自分がダメだったとしても他のみんなが、自分達の意思
「戦いを止める」という意思を伝えて行くしかないと説く天馬だった。

入れ替わりで入ってきた御園木たちは、ルビーからウォフ・マナフの戦力を教えてもらおうとしていた。
いざとなればルビーを交渉のカードに使おうともしていたのだが、ルビーは言い放つ。
ウォフ・マナフは宇宙の大いなる意思。感情に動かされることなどありえない。

そして、ウォフ・マナフの総攻撃タイムリミットは刻一刻と近づいていく。
残り時間、8時間・・・


【レビュー】

いよいよ大詰めに差し掛かる最終3話。その1である。
ベルゼウスの宇宙支配の野望────その目論見を看破し、生かしておけばウォフ・マナフへ報告する危険性があるルビー。
彼女が今回のキーパーソンとなっているが、
むしろ「いかにウォフ・マナフへ自分達の戦いたくないという意思を伝えられるのか?」
というグランセイザー側の思惑がドラマ上ではメインとなっている。
その一方で、ウォフ・マナフの総攻撃が迫っている中の国防省側の対応と
後半のロギアとの問答が、戦いを終わらせるという状況の困難さをさらに引き立てている。

ここでは心情的にはグランセイザー側につきたいであろう御園木の、しかし上層部からの命令には逆らえないという
軍人としての立場との板ばさみに苛立つシーンも簡単ながら挿入されており、ただ単なる軍人というだけではない
複雑な部分も見せているのが特徴的だろう。
国防会議のシーンでも、グランセイザー達がなんとかしようとしている事を長官に伝えているシーンもあり
そうした部分を無視してしまうと御園木個人の人物像を誤解しかねないだろう。

その上でグランセイザー側も、国防省も、そしてロギアもそれぞれ個々の考えにブレが無いところが良い。
そしてルビーが交信については一切協力しない点と、ウォフ・マナフという存在が実体の無い「意思」そのものだと教えるなど
最終回に向けての謎は単純ながらも未だ残されているあたりは、終盤の盛り上がりを加速させる。

もっともウォフ・マナフ=宇宙の大いなる意思 という点が若干オカルト要素が入ってしまっているのが
少々引っかかるところなのだが…。


【特撮の見どころ】

・なし

ウォフ・マナフ艦隊はこれまで出てきたものなので割愛 と言いたいが
戦闘機などが飛び出しているシーンは新しいものだろうか。
また、国防省が所有している迎撃用人工衛星も久しぶりに登場している。
ウォフ・マナフの戦艦と迎撃用人工衛星はミニチュアのように見えなくも無いが
CGモデルなのだろうか?