2014年1月14日火曜日

グランセイザー・最終話

第五十一話「復活の日」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、早乙女蘭、神谷豪、反町誠、魚住愛、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、沖田総一郎、アケロン人・ルビー、ロギア
★<敵>ベルゼウス


<超星神・全滅>

前回からの続き。
ウォフ・マナフの地球総攻撃までのこり僅かとなり、船団が次々と地球へ押し寄せようとしていた。

その地球上、奥多摩山中ではキャブレオンによって残り二体の超星神も倒されてしまう。
もはやキャブレオンに対抗できる戦力はなく、この状況に落胆するグランセイザーたち。
とくに蘭は、交信を成功させられないこともあって酷く自責の念に囚われていた。
しかし博士は言う。もう一度皆で力をあわせれば必ず交信できるはずなんだ。
最後まで、諦めずに頑張るんだ。

誠たち水のトライブは、博士たちとは別地点に居たようで
愛と辰平が誠を探していたのだが、その最中にベルゼウスが地球へ降下。
パイシーズへ装着して戦うのだがベルゼウスには歯が立たず、かるく吹き飛ばされてしまう。
戦いの後、誠が二人のもとに合流。そこで他のメンバーにもベルゼウスの登場が伝えられる。
狙いは蘭に違いない。


一方、死んだと思われた天馬はとある場所に居た。
そこにはルビーも居り、さらに彼等の頭上にはウォフ・マナフの思念体と思しき光球が居た。
天馬は戦う意思は無い、ボスキートの子孫ではないと直訴するが
「地球からの交信がない限りは無駄だ」と冷たくあしらわれる。
我々を信じることだ、そのためには戦いの鎧を脱ぐことだと告げるウォフ・マナフはこう続けた。
「我々が求めているものは調和だ」

そんな中、ベルゼウスは地上で次々とグランセイザーを倒していく。
ヴェルソーとトラゴスが倒されていき、次第に蘭が追い詰められていく。
その状況を見て天馬は激昂。 感情を爆発させた後に…
蘭に呼びかける。祈るんだ、と。

その声に蘭は応える。 皆に力を貸すように呼びかけた蘭の頬から涙が零れ落ち、水晶板に弾けた。
その時────────


<調和>

すると、グランセイザー全員のナックルライザーから星座のマークが飛び出していき水晶板へ集結していく。
それはウォフ・マナフを取り囲むように集まり、12人の心の調和がここに現れる。
蘭による呼びかけがウォフ・マナフへ届く。
地球人は宇宙の仲間。他の星の人たちと同じなんです。 愛する人を守るために戦うときもありますが、
決して戦いや争いを好まないんです。だから、私たちの地球を奪わないで欲しいんです。

交信は成功、ウォフ・マナフはグランセイザーを地球人の子孫・・・すなわちボスキートではないと認めたのである。

キャブレオンとベルゼウスは我々で倒すと告げたウォフ・マナフに対して
それでは四億年前と変わらないから、奴らは自分達の手で倒す。そう天馬が返す。
そうして、天馬は地球へ戻った。
超星神も五体全て復活。12人全員でダイヴインし、ダイセイザーへ合神する。
12人分の力を込めたハイパーバーストを浴びせられキャブレオンが大爆発。
さらにベルゼウスの戦艦をも撃破するダイセイザー。

その光景を見たベルゼウスは力なくよろめく。  
目の前には、ホロスナイパーを構えたロギア。
タリアスが制止しようとするが、すぐにホロスナイパーを納めベルゼウスへ打撃を加えた上で連れて帰ろうとする。
ウォフ・マナフの裁判にかけるのだといったロギアは、オレも戦いはゴメンだとつぶやく。
そして天馬へ分れを告げ、ダイロギアンへ乗ってウォフ・マナフの船団とともに帰還していった。

ここに、長きに渡る戦いは終わった。
国防省内では御園木と博士が握手を交わす。後のことは我々が引き受けたと言う御園木。
その後、仲間か…と博士が最後につぶやいた。

グランセイザー12人は「戦うための鎧」を失い、普通の人間としての生活に戻っていく。
超星神たちも、クラウドドラゴンと共にいずこかへ「還って」いった。
これで、全ては終りを告げたのだ。
宇宙の平和、地球の平和は取り戻された。 地球人がおろかな振る舞いをしない限りは
宇宙人が再び攻めてくることもないだろう。

さようならグランセイザー、ありがとう超星神。


【レビュー】

最終回。
死んだはずの天馬とルビーが生きており、ウォフ・マナフと直接「対面」
しかし直訴ではダメで、地球と宇宙の「調和」のためには12人全員の意思を、交信によって伝えなくてはならない。
実際の交信成功は、ややベタな手法ではあるが蘭の涙が水晶板にあたることで、
水晶板から不思議な力が放出・そして12人の「戦う鎧」の力がウォフ・マナフへ集まっていくことで
戦う意思はないことを視覚的に見せている。

最終決戦はかなりあっさり気味だが、これは仕方ないところかもしれない。
またストーリー説明では省いたが、ED映像では日常に戻ったグランセイザー12人の映像も流れている。

どうしても引っかかるのがウォフ・マナフという存在がオカルト的なものになってしまった事と
案外勢いで話を進めてしまっているところだ。
別の話のレビューでも触れたが、なによりベルゼウス自体に積み重ねが無い(オメガやルカあたりから策謀は張り巡らせていたが)
ことが、最終回でようやくグランセイザーの前に現れてもいまいち緊張感が薄いところに現れてしまっている。
もっとも、実際に対峙したのはパイシーズ、ヴェルソー、トラゴスの3人くらいで
タリアスはロギアを制止するときでしかベルゼウスと顔をあわせていない。
数あるヒーロー物の中でもこうまで最終ボスのインパクトが薄い作品もそうそうないのではなかろうか。
(平成ライダーにも似た傾向はあるが、流石に本作のベルゼウスほどでもない)

インパクトが薄い原因も、今回で言えば山奥の河原での遭遇という
イマイチ印象に残りにくいロケーションだったことも、ベルゼウスにとっては不幸なことだろう。
せめてそれらしい廃屋なり建物、または天候での対峙であればソレ相応に雰囲気も出せたが
晴天の河原ではどうにも「日常」感ばかりが先行しすぎて興ざめしてしまっている。

とにかく、これでグランセイザー全五十一話は完結。
次作「幻星神ジャスティライザー」へとバトンタッチしていくことになる。


【特撮の見どころ】

・キャブレオンに倒されていく超星神

前回とそう変わらない見どころになってしまった。
強いて言えばリヴァイアサンの技がキャブレオンに当たった際、
エフェクトと共に実際の煙が流れていくように広がった点が目を引いたくらいか。

VFXや合成の部分も、ウォフ・マナフ母艦内での天馬とルビーの合成がわりと普通に見れるくらいで
最終回の特撮映像はなんとも寂しいものになってしまっているのが厳しい。