2015年8月19日水曜日

セイザーX・第二十二話

第二十二話「脅威の変形!ドリルアングラー」

[ネオデスカル:ガレイド]
アリゴード登場

 演出:池田敏春    脚本:稲葉一広


<11個目のコスモカプセル>

冒頭。ライオキャリアー内ではレミーが拓人に対して問詰めている。
コスモカプセルの授業を度々サボることに対して怒りを露にするレミー。
アドやケインが好き好きに拓人をフォローするが、逆にフォローされた気にならない拓人。
レミーは憮然とする。
そんな時、カプセイザーG2がコスモカプセルの存在を察知。

カプセルの反応はガレイド艦でも察知。アクアルは自ら出撃を志願。ついでにジャッカルを倒すとも
言うが
グローザが制止。 ジャッカルはセイザーXと戦わせるという利用価値があるとガレイドに提案。
そして以前の怪我が癒えないグローザ本人にかわりアリゴードを出撃させることに。

さらにドリルアングラーでも反応を察知。
しかしコスモカプセルよりシャークの命を狙うジャッカルは興味がない様子。
だったが、カプセルにつられてシャークも現れるだろうと考え直し、現地に向かおうとする。


今回のコスモカプセルは今までのものとは違い、未発見の2個のうち1個の模様。
カプセル反応に近い場所へ先に向かった拓人とレミー。シャークからの通信では敵に用心して
二人で行動しろと指示があったのだが、拓人一人で反応のある場所へむかってしまう。
果たして拓人はカプセルを発見、手に入れるがその手を掴み制する男―――――― ジャッカル。
生身での奪い合いになったがまるで歯が立たず、ジャッカルの掌底が拓人の左胸に当たり動きが止まる。
うずくまる拓人へジャッカルは、明日の三時に第三埠頭へ一人で来いとシャークに伝えろと言い残して立ち去る。


ライオキャリアーへ戻り、手当を受ける拓人。
単独行動をとったことについてシャークが問詰めるのだがレミーと拓人でそれぞれかばいあう。
ラチがあかないと見たシャークは、ジャッカルが何か伝えてきたのか拓人に聞くが
何もないと嘘をつく。
そして・・・

一方ドリルアングラーでは、先ほどの戦いについてやりすぎじゃないかとブレアードが意見する。
意にも介さないどころか、あくまでシャーク撃破に拘り続けるジャッカル。
そんな彼に、お前友達いないんじゃねえの?と軽口を叩くブレアード。
睨みつけるジャッカル。


<独走・拓人>

第三埠頭へは一人で向かった拓人。
レミーの呼びかけに応えないのは通信を切っているからのようだ。
そしてジャッカルが手にしたカプセルの反応を認めたグローザも、アリゴードを出撃させる。

シャークへは無断で、ジャッカルと再度対峙する拓人。今度は装着しての戦いとなる。
やはり圧倒されるライオにブレアードが檄を飛ばすのだが、その目の前にアリゴードが登場。
ブレアードからコスモカプセルを奪い去ってしまう。 追いかけるブレアード。
そしてライオはジャッカルに叩き伏せられてしまう。
トドメを刺されかけたそのとき・・・。 ジャッカルの背後へ光弾が放たれる。
それをはじいたジャッカルが攻撃の先を見ると・・・  シャークが居た。

シャークも装着し、ジャッカルと戦うことに。 ライオにはカプセルを取り返すよう指示。
そのカプセルを奪ったアリゴードは、ブレアードを捕らえていた。
無傷でガレイド艦へ拉致せよというグローザの命令どおりにおびき寄せた上での捕縛だったのだが
そのアリゴードの背後からはイーグルとビートルが。
アリゴードの手元にあるカプセルを見た二人はただちに奪おうとするが、逆に飛び蹴りで一蹴される。
続いてライオが合流し、ブレアードを捕まえたデスメードを一掃。
お前の相手は後だ!とブレアードに言い残しアリゴードへ向かったライオだが、遊んでいるヒマはないのとアリゴードは撤退。


<変形!ドリルアングラー>

第三埠頭では、シャークがジャッカルを圧倒し殴り倒してしまう。
貴様の負けだと言われたジャッカルだが、どんな手を使ってでもお前を倒すと叫び、
ドリルアングラーを召還するジャッカル。
さらに、ドリルアングラーが巨大ロボへ姿を変えてしまう。
地上にいるシャークへ砲撃をくらわせるドリルアングラー。しかしそこにコアブレイバーが飛び掛る。

だがコアブレイバーとのサイズ差が顕著で、まるで歯が立たない。
そこへビートバイザーが到着しマグナビートへ合神。
遠距離砲撃でダメージを負わせようとするが、その砲撃をいつの間にか掻い潜ってマグナビートへ飛び掛り・・腕のカッターと膝蹴りでダメージを負わせるドリルアングラー。
そこへライオキャリアーとアドルイーグルも援護に向かうのだが、マグナビートはダメージを負い過ぎて動けない状態。

シャークがセイザーXに、自分が動きを止めるからその一瞬に賭けろと指示。
スワン6によるスワンブリザードを放ち、ドリルアングラーを凍りつかせた。
そのスキにマグナビートから分離、アドルイーグルの背中に乗るコアブレイバー。
急降下したアドルイーグルから降下・飛び蹴りを放ちドリルアングラーを倒す。
倒れたドリルアングラーへ戦艦3隻とコアブレイバーによる集中砲火を浴びせる。
ダメージを負ったドリルアングラーは遂に退却。
それを眺めていたブレアードは、一人ぼっちじゃ勝てねぇんだよとジャッカルへこぼす。
果たしてその声はジャッカルにとどいたろうか――――――


戦後、埠頭にて倒れたシャークへ駆けつけるセイザーX。
シャークリーガーで寝かされたシャークが目覚める。 全員の無事を確認し微笑む。
単独行動を詫びる拓人に、俺たちは一人で戦っているんじゃない、何でも一人で背負い込もうとするなと諭すシャーク。
素直にうなずく拓人。

カプセルは残り一つ。 その残り一つを探すよりはセイザーXの持つカプセルを奪ったほうが良さそうだとガレイド。
そしてセイザーXは、ネオデスカルより先に最後の一つを回収すると改めて意気込む。
落ち込んでいた拓人は皆に謝罪するが、アドたちは気にするなと返す。
また俺が取り返すぜ!と気合が入るが、レミーがそれをたしなめると再度みっちりレクチャーしますか!と拓人へ詰め寄る。

いよいよ残ったカプセルは一つ。 果たしてどちらの手に渡る?

【コスモカプセル入手状況】
セイザーX:7     ネオデスカル:4    未発見:1


【レビュー】

久々に新しいコスモカプセルが現れる。 それによりストーリーも動くが
更にジャッカルの戦艦・ドリルアングラーのロボット形態初披露という大きなトピックもある。
ジャッカル個人にスポットライトが当たっているかのような物語となっており、
それはブレアードがジャッカルに残した言葉・・・ 一人ぼっちじゃ戦えないというセリフにも現れている。
あまりにシャークへ拘り過ぎて状況が見えていないジャッカル。
彼自身のドラマがどう転ぶのかも気になるところである。

そしてセイザーX側でも、まだまだ独断で戦う傾向のある拓人に対して改めてチームで行動することを諭すシャークが描かれており
ここからは徐々に拓人自身の変化が描かれていくことになる。

今回はやや影の薄いネオデスカルだったが、なんだかんだで目的のひとつであるコスモカプセルを奪うなど抜け目がない。
さらにはセイザーX側のカプセルを奪ったほうが効率は良さそうだと企むガレイドなど、今後の展開へのフリも効いている。


【特撮の見どころ】

・第三埠頭での一連の戦い
 1.ジャッカルと拓人が同時に装着する時の、二人の影
 2.ブレアードの目の前に現れたアリゴードの出現およびカプセル強奪シーン
・ドリルアングラー登場!

上の1は、久々に見られた演出・・・ 横から装着する二人を遠くのカメラで撮影する構図。
そして二人の奥から太陽が照り付けており、カメラ側には二人の影が落ちている。
この時、拓人とジャッカルが同時に装着する合成がなされており、エフェクトで隠しながら装着後のスーツが現れるというのを1カットで撮っているのだが
しっかりと影も装着に合わせて徐々に変化していたことが目を引いた。

グランセイザー以来久々に見た構図だが、演出に対して特撮側もしっかり反映させるところはさせていて眼を見張ったカットだ。

アリゴードがブレアードからカプセルを奪った時、手持ちの薙刀にカプセルを這わせるカットがあるが
これも案外違和感がない。
強いて言えば薙刀そのものの角度が、転がるカプセルに対してちょっと変なところくらいか。
切先が手前に来て、アリゴードの手元が奥にあるカットなのだが転がるカプセルは当然CG。 手元に転がるカプセルが実に自然だ。


そして遂に現れたドリルアングラー・ロボット形態。
胸のドリルが特に目を引くスタイルで、武器も当然このドリル。そして手足のカッターと
シリーズにおいてはニンライザーに近い立ち位置・・・ 白兵戦メインのロボとなった。
機動性と防御力に優れており、マグナビートの砲撃に耐えつつもすばやく上空に飛び上がり
カッターの攻撃を喰らわせるシーンはそんな性能が端的に現れている

マグナビートと分離してからはコアブレイバーによるライダーキック的なとび蹴りと
そこからの集中砲火というシーンが迫力満点。
本シリーズは砲撃主体の攻撃の多い回ほどオススメできる。
コアブレイバーがアドルイーグルから飛び降りキックといった一風変わったシーンの演出が見られるなど
本作は前二作以上に自由な特撮演出をしている点も見逃せない。

巨大戦は埠頭での戦いであり、つまりは海なのだが
この時点では東宝名物・大プールは既に撤去されたあとである。
しかし遠景シーンでは海が映りこんでいるため、恐らくCGによる合成だろうか。
またこの回の巨大戦は、コアブレイバーやドリルアングラーがアップになるカットでオープンセットによる撮影が織り交ぜられている。
基本的にはスタジオセットのようだが、光源による印象が大きく違うため特に違いが目立つカットだ。