2015年8月28日金曜日

あえて一纏めにしていた事柄として

考察?が立て続けに更新されているが他意はない。
考察、に「?」が付いているように、基本は個人的主観に基づいたものであり
更には想像の部分で書いている部分があるためにこういった表記をしているものである。
恐らくこのタグの付いた記事をいくつか拾い読みして頂ければわかりそうでもあるが。


前置きはこの辺にして、今回の更新は「超星神シリーズに携わった会社」について。
ただし考察というよりは事実確認のような、軽い内容ではある。

本シリーズ、スタッフ表記をよく見れば判るが東宝一社だけで製作がなされているわけではない。
そこには製作プロダクションがあり、企画協力がある。
そして特撮映像に関しては、東映における特撮研究所のような会社もある。

製作プロダクションと言えば特撮関係だと円谷プロダクションの名前がすぐ出てくるものだが
さて本シリーズでは・・・
 


本シリーズ三作の制作プロダクションは「ゼネラル・エンタテイメント」という会社。
この会社、実は本シリーズを手掛けるまで実写ドラマの経験がない。
1994年に創立したこの会社、本来はゲームソフトメーカーであり、本シリーズ制作以降は映像事業へ軸足を移していた。
いた、というのは2011年に破産しており、現在存在していない企業となったから。

本シリーズ以降は「風魔の小次郎」「ここはグリーン・ウッド」など、
本シリーズでも活躍した文芸・演出および各種スタッフが参加した作品を手掛けていた。
特に市野監督を起用することが多かったようだ。
セイザーXからの流れで使い続けたのか、たまたま知己だったのをセイザーXから使うようになったのかは判らない。

本シリーズ制作に関わることになった経緯は不明だが、グランセイザーが映像作品デビューということで、スタッフは様々な苦労を強いられたろう。
スタッフの事情を差し引いてもどうして同社が急に本シリーズの制作を受け持つことになったのだろうか?
せめて映画でもテレビドラマ、テレビアニメを一本でも手掛けてから参入するべきだったようにも思えるのだが。


そして企画協力に名前を連ねている「ガンジス」という名前。
調べてみると大月俊倫が興した会社である。
アニメや実写の企画会社なのだが、いまいち実態のわからない会社でもある。
そもそも個人の会社なのか、複数スタッフがいるのかすら素人が調べた範囲では判らない。
企画者として大月名義ではなくガンジス名義でクレジットされることが多いということから、大月本人が直接企画に携わっているとも取れる。

ここで大月が出てくるのはなんとなく流れが予想できる。
スポンサーであるコナミはキングレコード(大月の所属しているレコード会社)と長らく関係のある会社であり
恐らくはコナミ側からのオファーもあったのだろう。
ただし、「企画協力」という肩書が示すように主体として関わっているようにも見えないところが謎ではある。

アニメでは実績を多く積んでいる大月だが実写は本シリーズが初めてである為
ガンジスの名前を使ってクッションを置いたというのは穿ち過ぎか。
実写ヒーロー物初参加、という意味では先述のゼネラル・エンタテインメントと同じだが・・・。


そして特撮映像関係を主体として引き受けていたのが「ドリームプラネットジャパン」
実際はVFXやCGなどは他の会社なども関わっているようだが詳細は不明。
川北紘一の「特撮魂」によれば、東宝の定年退職後に自分自身が映像の世界で仕事をするために興した会社である。
そこだけ見ると個人プロダクションのようにも見えるが実際はスタッフを幾人か抱えているし、
現在も残されたスタッフがツイッターを更新中らしい。


川北が特技監督として関わった「ガンヘッド」のDVD化に関わるなど、本シリーズ終了後もいくつかの仕事を手掛けている。
「Kawaii!JeNny」や「装甲巨人ガンボット」(川北の遺作)、前述したガンヘッドがコトブキヤからプラモデル化されたときに製作したプロモーション映像、
そして企画は頓挫したが、実写版ゾイド(プロモーション映像としてだったらしいが)など。

東宝を退職後の川北の、超星神シリーズ以降の仕事を羅列したが
いわば晩年期と言える人間の仕事としては割と恵まれているほうなんじゃないかと思わなくも無い。
そして彼が平成VSシリーズで起用したスタッフ各位を集めたからこその本シリーズの映像だったとも言える。
西川伸司をデザイナーとして使い続けたり、故・大澤哲三氏をシリーズ通して起用するなど
気心の知れたスタッフを集結させられたのは、川北個人の人脈・人徳によるところも大きい。

もっとも川北亡き後、残されたスタッフの中から新しい特技監督が生まれるのだろうか?
こればかりは判らない。
ひょっとしたら川北以外の映像スタッフが居ないか、育っていないか・・・?
HPを見るとCM製作も業務内容に入っているらしいのだが、本シリーズ以外の商品でCMの仕事をしているのかも判らない。
さらには各種施設・建造物の企画・設計に携わっているようでもあるがやっぱりこれも見えてこない。
ドリームプラネットジャパン社はあまり表に出てこない仕事主体だったりするのだろうか。


西川と言うと「YAT安心!宇宙旅行」のアニメ版原案およびコミカライズを担当。
同作はNHKのアニメで、主な脚本家は林民夫。
当時のセイザーXにまつわる情報や西川個人のコメントなどを知らないので想像だが、「YAT」での縁で林民夫をセイザーXに呼べたのだろうか? 
もしそうだとすれば面白い偶然だろう。


さて以上のように三つの会社(?)を羅列してみせた。
にもかかわらず拙blogでは製作の主体がさも「東宝」一社のように書いている。
これは、仕事の発注を行ったり仕事を取りまとめた最終責任者として扱っている側面が大きい。
よって拙blogでは、よほどのことが無い限り上記三社をレビュー内で扱わず
「東宝」の仕事として語る形式をとらせていただく。
#まあプロデューサーも東宝側から出しているし、理屈は間違ってはいないだろう。

そして東映や円谷と違って東宝の特撮ヒーロー物に関する仕事が総体として語られにくい部分が、こういった部分に現れている。
何せ東宝の過去作品を振り返ってみても企画の主体がまちまちである。 よって作品ごとに著しくカラーが異なり、
「これが東宝のヒーロー物だ」という一本筋の通ったものが見出せない。
東映や円谷には良くも悪くもそういった一本筋の通ったものが、素人目から見ても判るのだが。

そうは言っても最終的にゴーサインを出して自社の名前を出して製作しているのは他でもない東宝でもある。
見ようによっては「実際に作品を手掛ける企画者やプロダクションによってカラーが変わる」が東宝という会社の作品である、とも言えるが・・・。


そして、東宝とコナミによる本シリーズではあるがこの二社によって以下スタッフの系統樹が生じていると考えるのはあながち間違いでもないと思う。

コナミ → ガンジス(大月俊倫) 企画協力
東宝 → ドリームプラネットジャパン(川北紘一) 特撮映像 
・川北との仕事の流れからデザイナー・西川伸司、演出・鈴木健二、特撮美術・大澤哲三など多数
・東宝の過去作品の流れから演出・村石宏實 および 脚本家・石井博士、稲葉一広
 
実態は必ずしも上記の通りとは言えないだろうが、素人が調べられる範囲内でのつながりはこういったところ。
そしてここまで書いて思ったことが一つ。


・・・ゼネラル・エンタテイメントはどこからの繋がりでやってきたんだ?
なんとなくガンジスからの繋がりを想像したが、調べた限りでは本シリーズ以前から大月と同社の繋がりは見えてこないし・・・。
川北からか?とも思うがドリームキャストのゴジラゲーム製作の際に縁が出来たのだろうか?
それともゴジラゲームからのつながりで直接東宝から依頼されたのか・・・。
どうも謎だぞ、ゼネラル・エンタテイメント。