2013年11月19日火曜日

グランセイザー・第三十三話

第三十三話「復讐鬼、ロギア再び」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、早乙女蘭、反町誠、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、沖田総一郎、加賀祐二
★<敵>ロギア


<蘇る闇の蛇>

OP前、国防省の科学技術研究所。
警備にあたっている隊員の後ろの壁が突如破壊。 その穴から出てきたものは
死んだと思われたインパクター・ロギア。
ロギアは研究所に格納されていたダイロギアンと、遺されたホロスナイパーを奪取し
いずこへと消え去ってしまった。
突如として蘇った彼の目的は一体?

OP後。 いつもの研究室。
ダイロギアンが奪われたという情報から、ロギアは生きていると確信する天馬。
確かに以前、天馬と共に自爆しようとした・・・のだが、結局一人で自殺する道を選んだはずのロギア。
そのロギアが何故今になってかえって来たのか・・・

同じ頃。国債情報通信社へ向かった誠は、そこで先輩カメラマンの加賀と1年ぶりに出会う。
外へ繰り出して会話に花を咲かせる二人。 加賀が「相棒として世界を回らないか」と誘う。
その申し出にやや難色を示したところに未加からの電話でロギア復活の一報を聞く。
直後、ロギアが誠へ強襲を仕掛ける。

装着してロギアと対峙するゴルビオンだが軽くいなされる。
そこへ天馬が合流・装着して戦いを挑む。
ホロスナイパーにより全く近づけないタリアスはかわすのに手一杯。
そうして流れ弾がゴルビオンに命中・ダメージを負う。
追い詰められた形のタリアスだったが、そこへレムルズが、次いでギャンズも駆けつけ形勢逆転。
分が悪いとみたロギアは光をまとって撤退する。

おそらくロギアは、グランセイザーの抹殺を目論んでいるに違いない。


<黒の策謀>

手当てを受けた誠。どうやら命に別条はないようだ。
そんな誠へ加賀は、戦いに身を投じた誠を叱責。 
最後には「ジャーナリストとしての資格はない。戦場カメラマンとして失格だ」とまで言い放ち立ち去る。
淀んだ表情を浮かべる天満と辰平だが、誠は加賀をかばい立てる。
誠にジャーナリストとしてのイロハを叩き込んだのが、他でもない加賀であった。
命の恩人であり、兄貴のような人なんだ、と。

一方、剣からロギアへの注意を促す連絡を受けた蘭だが
直後にロギアの襲撃を受け、気絶させられる。

蘭からの応答がないことを気にした剣は涼子、仁と合流。
そこへギグファイターが襲来、装着してこれに対応するのだが
戦いの最中にヴェルソーがロギアに気絶させられ、連れ去られてしまう。
一体どこへ連れ去られたのだろうか。
ほどなくこの事態は天馬たちにも伝えられ、天馬はロギアを追うために飛び出す。

辰平も同じように捜索に出かけていたが、近くでうろついているギグファイターに遭遇。
後を付けていくと工場のような建物へたどり着く。
装着して内部へ侵入すると、涼子と蘭が縛り付けられていた。 目の前には爆弾。
急いで助けようとするギャンズだが、ギグファイターを蹴り飛ばした直後に落とし穴へ落下。
辰平までもがロギアの手に渡ってしまう。

三人が捕まってしまった状況から、堀口博士は各トライブのメンバーを捕まえておくことで
ダイセイザーの出撃を阻止しようとしているのだと推察。
その上で最後のターゲットは天馬ではないか、と。


<暗黒を穿つ翼>

工場の敷地内。 天馬はロギアと遭遇。
三人の命も残り僅かだと言い放つロギアへ、天馬は装着して戦いを挑む。
その間にも囚われた三人に仕掛けられた爆弾のタイムリミットは迫っていくのだが
突如として蘭が「グランビークル」とつぶやく。
どうやら水晶板の記憶が、命の危機をうけて蘇ったようだ。

同じ頃、装着して三人を救おうとしているミトラスへ蘭が通信してグランビークルの存在を告げる。
ミトラスがクラウドドラゴンから召還し、グランビークル・フレイムトライバーへ飛び乗る。
工場へ直行したフレイムトライバーはギグファイターの一群を機銃掃射で蹴散らしていく。
爆発が残り僅かとなっていく中、ようやくたどり着いたダイルとリオンによって三人は助け出された。

工場の外ではなおも戦いを続けるタリアスとロギア。
ファルコンボウでの乱れ撃ちから連続でバーニングファルコンを掠らせ、直後に間合いを詰めて一撃を加える。

形勢が不利と見たロギアはダイロギアンを召還。
超星神をまだ呼べないタリアスへ攻撃を仕掛けていくダイロギアンを確認した沖田は
近くのビルからユウヒの出動を要請。
やがて対峙する両者だがダイロギアンの素早い攻撃には歯が立たないユウヒは
その動作を停止させられてしまう。

再び危機に陥るタリアスだったが、そこへグランビークルが駆けつけダイロギアンを牽制する。
フレイムトライバー・ウインドトライバー・アーストライバー・アクアトライバーと
四つのトライブにそれぞれ用意されていたとヴィジュエルが説明する。
しかしビーム攻撃が主体の為、ダイロギアンの装備であるリフレクターで攻撃を吸収されてしまう。
戦況は膠着状態に陥るが、ガルーダ以外の超星神三体が駆けつけると
ダイロギアンはあっさり引き下がってしまう。

その一部始終を、工場の向かい側にあった港でカメラを撮り続ける加賀だった。

装着を解除した、洸以外のメンバーがロギア撃退を決意したところでEND.


【レビュー】

ロギア復活編。と同時にロギアとの戦いは次回「倒せ、ダイロギアン」へと続いていく。
その一方で誠の個人エピソードの側面も持ち合わせており
グランセイザーとして戦う誠を一喝する加賀との関係があっさり目ではあったが描かれていた。

自爆したはずのロギアが復活した点が当時はネタ扱いされている(今現在もだ)が、
この唐突な復活という部分は首を捻らざるを得ない。
その上ウォフ・マナフからの任を解かれた彼が復活してグランセイザーと対峙するという構図は
ともするとストーリーの進行が停滞してしまうマイナス点ともなり、物語上必ずしも必要があったとは言いにくい。

ただし、ストーリー進行の箸休め… もっと言えば娯楽編としてみた場合、その評価もまた変わってくる。
何せインパクター編最大の敵であるロギアの復活は、ネタとして扱われるきらいはあるものの
やはりインパクトはある。
さらに今回はグランセイザーとロギア、ギグファイターの戦いも小刻みながらたっぷり見せており
巨大戦においては新メカ・グランビークルの初披露というイベントもあって
ここ数話分の鬱憤を晴らすかのような、痛快なエピソードとなっている。

ロギアの作戦も、ダイセイザーを呼ばせないために各トライブから1人ずつ(実際は炎以外)拉致し
自分に不利な局面を作らせないなど、謀略家の部分も垣間見せているのもポイントだ。


【特撮の見どころ】

・グランビークル初登場
・ダイロギアン召還~タリアスへの猛攻
・ダイロギアンVSユウヒ そしてグランビークル

久方ぶりの巨大戦。 そして新メカの初登場回ということもあり見せ場は多い。
ことにグランビークル・フレイムトライバーを駆ってギグファイターたちへ攻撃を浴びせるシーンは
コクピットからの主観視点のカットが挿入、おそらくカメラの視点はクレーンを使ってあげているのだろうが
これが臨場感のあるいいカットとなっている。
もっとも、フレイムトライバーが縦方向に宙返りしているシーンの背景の雲が、
どう見ても90度傾いてしまっているのは撮影上のミスであるが・・・。
せめてグリーンバックか何かで、後で空を合成するわけには行かなかったのだろうか?

ダイロギアンがタリアスを蹂躙しようとする一連のシーン。
ダイロギアンが着地した際、工場の器材(クレーンのようなもの?)が割と違和感なく抜けており
相変わらず合成技術の確かさを見せ付けてくれる。
タリアスが踏み潰されそうになるシーンも、さほど違和感のない合成だ。

判り易い特撮およびVFX・CGにばかり目が行きそうになるが、本シリーズにおいては
上述のいっけん地味な合成カットも是非注目していただきたい。
何故本シリーズが「TV特撮番組としてはハイクオリティ」と称されるかがお分かりいただけるだろう。


ところで、VFXというとひとつ気になる点がある。
ロギアのホロスナイパーだが、ほぼ毎回プロップから火花を散らすことで射撃したという画が多く
ここは少々いただけない部分だろう。
せめてビームエフェクトの合成でもしたほうが良かったとは思うのだが・・・。
(火花と立ち込める煙という画のほうが、見栄えはしやすいという点を考えたにせよ)