2013年11月28日木曜日

グランセイザー・第三十八話

第三十八話「超古代からの訪問者」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、秤谷仁、神谷豪、早乙女蘭
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司
★<敵>オメガ

<ロボット発掘>

国防省兵器研究所。
御園木と堀口博士が施設入口で何かを待っている。
やがて国防省の車輌が到着、後ろのドアを開けて運び出されたものは、金属製のロボットのようなもの。
黒神山の採石場で発掘されたものらしく、御園木はこれを調査するために博士を呼んだのだ。

しばらく後、いつもの研究室から未加が兵器研究所へ訪れる。博士の着替えなどを持ってきて。
博士はつぶやく。 ロボットの内部構造はとても奇妙なもの・・・まるで宇宙である、と。
未加がロボットの側へ近づくと突如として起き上がり、言葉を喋りだす。
それまでの二人の会話をサンプリングし、続いて「言語による意思疎通は可能である」とロボットが結論付けた。
この一連の行動を見るに、どうやらロボットには自立思考型のコンピューターが搭載されているようだ。
そして彼は名乗る。「オメガ」と。



<オメガの情報収集>

しばらく後、未加と別れた博士は横たわるオメガから目をはなし、解析にいそしんでいた。
パネル上にはいくつものメカパターンが映され、博士はそれにいちいち驚嘆の声を上げる。
オメガを見やろうとしたが、そのオメガが既に居なくなっている。
すぎ近くに居た研究者に行方を尋ねると、外に出て行ったという。

だが・・・。 その研究者こそがオメガの姿を変えた姿だった。

街中へ繰り出したオメガは、別の人間の容姿をスキャニング。
未加が街中を歩いていると、先ほどスキャニングした男の姿に変わったオメガが現れる。
彼は言う。 情報収集を行うべく外に出てきたのだと。
この時代「も」、はじめて見るものばかりであると言うオメガだが、彼は一体何時から居たのだろうか?

場所は変わってカフェテラス。のんびりと昼下がりの午後を満喫しているような仁。
巡回中の豪と軽い会話を交わしている最中、二人は意外な光景を眼にした。
未加が知らない男・・・オメガと出歩いている。
その二人をオメガが先に発見、走って二人へ近づくと 仁と豪・・・風と大地のトライブであると認識する。
その際、胸のランプがそれぞれのトライブの色に光ったように見えたが
彼はグランセイザーと何かしらの関係があるのだろうか。

兵器研究所。 御園木と博士がオメガについて推察をする。
封印された12のプログラム。それがオメガに搭載されており、これを解除するのは不可能であるが
未加を認識したとき、そのひとつが解除されたという。
そうしたところからグランセイザーとの関係性を推察するのだが・・・。


場所が変わって、オメガは本を何冊も積んで読んでいた。
声を出して読むオメガに苦い顔をする未加。道行く人たちも笑っている。
日常会話に支障をきたさないための情報収集のようだ。
そこへ国防省のスタッフが現れ、オメガを回収しに来るのだが
もとの姿に戻ったオメガはそのスタッフを箒で気絶させてしまう。
まだ見たいものが沢山ある、と未加に言うオメガだが何故そこまで地球のあらゆる物を見聞きしようとするのだろうか?

<オメガの正体>

いつもの研究室。 天馬と剣が発掘現場の映像を眺めている。
そこへ未加とオメガが入ってきて、談笑。
しばし会話を楽しんでいる一同のもとへ蘭も混ざる。差し入れを渡しながらオメガを見やる蘭だが
その時、超古代の戦争の記憶がフラッシュバックする。
記憶の中ではオメガが戦闘機らしいものに乗っている映像も浮かんだのだが
滅亡する映像のあとに蘭が気を失ってしまう。
オメガもまた、何かを思い出したのか小刻みに震えたと思ったら無言で研究室から立ち去ってしまった。

走り出していくオメガを追いかける未加。やがて追いつくのだが
オメガは「私はウォフ・マナフのロボットです」と告白する。
同じタイミングで蘭が目を覚まし、オメガはウォフ・マナフのロボットであり
グランセイザー十二人と出会うことでプログラムの封印が全て解除されると、博士に告げる。
そしてそのプログラムとは、グランセイザー抹殺のためのものであると。

オメガは語る。自分は四億年前の大戦争で、グランセイザーと戦ったことがあり
大戦が終結してからウォフ・マナフにより回収され、地球へ隠されていた。
グランセイザーが再び地球上に現れたとき、再起動し抹殺するために。

天馬や剣の通信が響く中、未加は問う。オメガにこれからどうするのかと。
それには何も答えず、もとの姿に戻り未加に攻撃を加えるオメガに対し装着して応戦する未加。
しかしオメガの攻撃は的確にミトラスの体へヒットし、まるで歯が立たない。
蘭は仁や豪にも未加を探すよう通信。
そして・・・天馬と剣が一足先に合流し、装着したところで続く。


【レビュー】

第三部終盤は前後編。そして未加個人エピソード回になるのだろうか。
しかし未加そのものの描写はかなり抑え気味・・・というより普段天馬などとやりとりしている姿の
延長線上の描写以上のものは何もなかった。
ただ、ロボットであるオメガとの触れ合いと、今回終盤の、オメガが自分の正体を明かしたときの
未加の問いかけなど、オメガをあくまで自律思考型のロボットとして扱っている点は一貫している。

本作の前後編のエピソードの常として、どうしてもその回のグランセイザー側メインキャラの影が薄くなる傾向があるようで
今回は未加、それまでも剣や誠といったメンバーが、下手をするとその話のフリ扱いで終わっている感じもあり
残念なことに今回も未加の存在はたんなるフリ程度になってしまった。
(剣の時は天馬と未加が目立っており、誠にいたってはロギアに全て持っていかれてしまっている)

そして次回でいよいよ第三部も終了。それと同時にウォフ・マナフが本格的に動き出すのだが
果たしてどういう結末となるのか。


【特撮の見どころ】

・なし

強いて言えば終盤の戦闘にて、ミトラスのスワンセクターが一瞬炎を纏ったカットくらいか。
いつもの超古代の戦争の記憶も、今回はオメガがらみで別のカットが挿入されているだけで
これといって注目する点がないのは物足りない。

アクションは既に方向性も定まりきった状態であるため、安定している。
一瞬股割きポーズから立ち上がってのジャンプキックなど、ワイヤーアクションもガンガン入れている。
しかしそのバトルシーンも今回は2分あるかないか程度で終わっているため
どうにも不完全燃焼感の否めない話となってしまった。