2013年11月4日月曜日

グランセイザー・第三十一話

第三十一話「お嬢様、危機一髪!」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、秤谷仁、神谷豪
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、友田辰夫、アヤ・ステイシー
★<敵>キラード星人

【豪メインエピソード回】


<困ったお嬢様>

冒頭。車の中でアヤ・ステイシー博士と友田が記者会見の打ち合わせを行っている。
友田の提案に皮肉で返すアヤ。
そのやりとりの最中、謎の異星人が車の前に立ちはだかり
SPと運転手を消滅させてしまう。
アヤと友田も車から出て行くが、その際アヤはドコへとも無く消えてしまった。

国防省。
国防省・科学分析センターの視察を行うアヤの録画映像がニュースで流れている。
彼女は18歳にしてノーベル物理学賞を受賞している若手天才科学者とのこと。
そんな彼女の類稀なる頭脳を、国防省は技術提携の形で協力を依頼し来日させた。
アヤの失踪はトップシークレット扱い・・・公にでもなれば国際問題になりかねない為の処置である。

彼女が異星人に狙われた理由は、所持している水晶のかけらが原因と睨む御園木だが
それは堀口博士が持っている水晶板と同じく超古代文明の記憶装置であろうと推察された。
水晶のかけらによって、グランセイザーとウォフ・マナフとの関係がまた一つ明らかになる。
しかしそれにはアヤの保護が先決であり、もはや国防省というより国そのもののメンツに関わる問題でもあった。


舞台は変わって街中。 仁の合コンの誘いに今ひとつ乗り気じゃない豪。
その眼前に、タクシーの運転手と押し問答をしているアヤの姿があった。
二人を引き分け、事情を聴こうとするがそのスキを突いてアヤが逃げ出す。
やがて追いつくが・・・。


<振り回すお嬢様>

いつもの研究室。
もとから博士が持っていた水晶板と、アヤが持っている破片の写真を見比べると
どうも一部かけらが当てはまる箇所を剣が見つける。
アヤの協力があれば、先述のとおりさらなる謎の解明に繋がることが期待されるだろうと考える博士。
もともとアヤ自身は日本人とのハーフで、母親の生まれ故郷である日本を一度訪ねたかったというのも
来日の動機のひとつとしてあった。

一方、豪とアヤ。
家出したと勘違いをしている豪とのやりとりの最中、未加から電話がかかる。
アヤの失踪をそこで知ることになった豪だが、ふと振り返るとアヤはもう居なくなっていた。
その一部始終を物陰で見ていた謎の男。 

タクシーについで売店でもアヤと店員の似たようなやり取りの後
再び逃げ去るアヤだったが、その前に謎の男が水晶板のかけらを奪取するため詰め寄る。
そこへ豪が立ちはだかりアヤを救い出す。 次いで天馬と仁も駆けつけ、
豪とアヤで逃げ出していく。 その際にイヤリングを落としたことに気づいたアヤだが・・・。

謎の男の招待はキラード星人。彼はアヤや博士の持っている水晶板・・・記憶装置の破壊の為に
ウォフ・マナフから派遣された尖兵である。
生身で立ち向かう二人だが当然ながら歯が立たず、キラード星人のビーム攻撃をかわすだけで精一杯であった。
しかし、かわした次の瞬間には既にキラード星人は消えていた。


<お嬢様の思慕>

逃げている最中、アヤは「自由な時間を、お母さんのふるさとの日本で過ごしたい。せめて1日だけでも」
と、懇願された豪は・・・
アヤと二人、カフェテラスで会話に花を咲かせる。
研究所では所員や友田がアヤの身の回りを整えてくれるような立場であり、
彼等以外で彼女に近づくのは、自分自身の年齢不相応な能力に好奇のまなざしを向ける人々ばかりで
彼女自身、自分が愛されていないと感じていたようである。
そんな彼女へ、自分ひとりで歩けるクセに何時までも受け身なままじゃ誰も愛してくれやしないと意見する豪だが
そんな彼にビンタを見舞い、走り去ってしまうアヤ。

アヤに再びキラード星人が立ちふさがるが、今度は豪がすぐに合流しアヤをつれて逃げる。
例え甘ったれでも、自分は警察官だから見捨てるわけには行かないと語る豪は・・・。

研究室。博士や天馬と話す豪は「今日一日だけでも彼女に自由な時間を過ごさせてやりたい」と告げ
遊園地にて二人で自由に遊び回る。
プリクラも撮ったりして、はしゃぎ回っているアヤと豪。
しかし三度キラード星人の襲撃を受けてしまう。

<お嬢様との別れ>

アヤを逃がし、立ちふさがる豪だが軽くいなしてアヤへ追いつくキラード星人。
水晶のかけらも破壊し、万事休すかと思われたが天満と仁が合流、装着し戦いが始まる。
つづいて豪も装着しようとアヤを残すが一人はイヤだとぐずる。
「人は最後には一人になるが、だからこそ人と人は支え合って生きている」
「一人で生きる勇気、人の為に何かをする勇気、それが大事なんだ」 と諭し、豪は二人の下へ駆けつける。
キラード星人へ必殺技を叩き込み、撃退する三人。

戦いの後、警察官の顔に戻る豪はアヤを国防省へ送ると告げる。 休暇はもう終りなのだとも。

後日。 いつもの研究室内のテレビを見る一同。 記者会見の模様がニュースで流れる。
水晶板のかけらは破壊されてしまったが、アヤの命は救えたことでひとまず安堵する。
その記者会見の席上「色んな国へ周られたと思いますが、どの国が印象に残っていますか?」という
記者の質問に「東京です。いつかもう一度逢いたい人が居ます」と、アヤが自分の言葉で答えた。

会見後、アヤを乗せた車は空港へ向かう。
ある地点の歩道橋で豪はその車を見送っているのに気づいて、アヤが車を止めさせると
二人無言で敬礼をとってEND.


【レビュー】
豪メイン回。
話そのものは典型的な「ゲストによって振り回されるヒーロー」というものだが
豪自身が警察官としての立場を忘れていない言動が散見され、また
後半のカフェテラスやキラード星人との決着での豪の発言などは、ヒーローとしてよりは
人間・神谷豪としての言葉のように感じられる。

劇中、アヤが持っていた水晶板のかけらが結局破壊されてしまったあたりなど
ストーリーそのものの進展は見られないのだが今シリーズは個人に的を絞った話が多いため
こういうものと思ってみておいたほうがいいかも知れない。

もっとも今回はグランセイザーとしての戦闘シーンもかなり短く、物足りない印象は拭えないが・・・。


【特撮の見どころ】

なし。

VFXは大旋風波とバーニングファルコンで、ペネトレイトサンダーはバンクの一部を使用。
この程度の記述で終わってしまうほどに今回はかなり物足りない。
まあ、豪そのものを掘り下げた回と考えれば致し方ないのか?
あまりそれまでの豪のキャラクターに、もう一つの面を見せたようには感じられないが・・・。