2013年11月19日火曜日

グランセイザー・第三十四話

第三十四話「倒せ、ダイロギアン」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、伝通院洸、松坂直人、神谷豪、反町誠、魚住愛、三上辰平
○<関係者・ゲストなど>堀口一郎、御園木篤司、沖田総一郎、加賀祐二
★<敵>ロギア


<強襲・ダイロギアン>

OP前、いつもの研究室。
グランビークルなどを用いての捜索が行われるのだが一向に姿を見せないロギア。
それに苛立ちを隠せない天馬は、自分がオトリになって奴をおびき寄せると息巻いて外へ出る。

OP後、カフェテラス。
誠の前に加賀が現れ、前回撮影した写真を見せ付ける。
そして再び、ジャーナリストとしての心構え… 武器じゃなくてカメラを持つべきだと諭す。
その様子にうろたえる誠だったが・・・。

一方国防省・兵器研究所。
突如としてダイロギアンが飛来し研究所の敷地内へ侵入する。
その情報はただちに豪によりいつもの研究室にもたらされ、未加とともに現地へ向かうことに。
襲来を受けた国防省は、沖田がユウヒを出動させダイロギアンへ対処する。
同じ頃、バイクで現地へ向かう天馬の前にギグファイターが立ちふさがる。
しかしこの行動、ロギアは何を企んでいるのだろうか?

国防省の戦車などが必死に応戦するも、ダイロギアンはすかさず一掃。
その直後にユウヒが立ちふさがり応戦。
しかし前回同様、素早い攻撃を繰り出すダイロギアンには分が悪い。
フルパワーで反撃に出ようと指示する沖田だが、そこへギグファイターが襲い掛かる。
沖田を護衛する隊員たちを分断させた次の瞬間、遠くでギグファイターによって首筋に何かを打ち込まれる沖田。
倒れた沖田へ駆け寄る洸と直人は、装着してギグファイターとの戦いへなだれ込む。

そしてユウヒ。 沖田の指示が入らないため停止してしまう
それを見たダイロギアンは、「ゲームの始まりだ」と叫んだと思うと いずこかへ飛び去ってしまった。
ゲームの意味するところは一体何なのか?


<ロギアの策謀・その2>

国防省。 
ダイロギアンの撤退を受けた御園木は、警戒をさらに厳しくすることと
総力を挙げてダイロギアンを捜索せよと沖田へ指示。
国防省を叩き、グランセイザーの孤立化を図っているのではと予想する沖田だが、
さらに嫌な作戦を企てているのではないかと危惧する博士であった。

ところ変わって、加賀が一人で誠を待っていると・・・ ギグファイターに襲われた。
ギグファイターは一体何をしようとしているのだろうか。
その誠は、探し回っていた辰平や愛と落ち合うも歯切れの悪い返事と思いつめたような表情を見せるだけ。
そんな誠を案じる辰平たちは、研究室で天馬と相談するが
「誠と直接会って話してみる」と飛び出していく。 うまくいけばいいのだが。

国債情報通信社から出て行った誠だが、その近くで
加賀がギグファイターに拉致される姿を目撃する。 向かった先は国防省・兵器研究所。
急いで後を追う誠は、研究所の林の中でギグファイターともみ合いになる。
直後にロギアの攻撃を受け、絶体絶命のピンチに陥ったがすぐに天馬が駆けつける。
そしてタリアス・ゴルビオンとロギアの戦いへもつれ込む。

ゴルビオンを銃撃であっさり蹴散らし、1VS1の戦いへ移行。
タリアスの炎を纏った一撃に崩れ落ちたロギアだが、即座にダイロギアンを召還。
戦いは前回のような不利な状況へ陥るのだが
グランビークルが一斉にタリアスの援護へ向かっていった。
次いでドルクルス、ガンシーサーもダイロギアンへ向かっていく。

山を焼き払っていくダイロギアンに対して、タリアスとゴルビオンは
それぞれの超星神を召還し対抗しようとしたが、加賀がゴルビオンを制止。
それを振り払ってリヴァイアサンへ乗り込み、ついにダイセイザーへの合神を果たす。


<激戦!ダイセイザーVSダイロギアン>

ダイセイザーとの戦いとなったダイロギアン。ユウヒと違って攻撃力も防御力も段違いで
ダイセイザー相手にはやや不利なように思われた。
攻撃を繰り出そうとした矢先、加賀が地上からゴルビオンへ戦いを止めろと叫ぶ。
その声に気が逸らされた瞬間、ダイセイザーの動きが鈍くなってしまった。
ダイセイザーは、四人の心を集中させなければ動かせないという欠点を持っていた。

「切り札は最後に取っておくものだ」
そうダイロギアンがつぶやいた時、背後からユウヒが突如襲いかかってきた。
ゴルビオンが精神を乱されてしまい、全く対応不可の状態で攻撃を受ける一方となったダイセイザー。
グランビークルによる引き離しも、ユウヒ相手にはあまり意味がなかったようだ。
ギャンズがダイロギアンへ攻撃を仕掛けるもやはり歯が立たず、逆に攻撃を受けそうになる。
間一髪でかわしたが、その先には加賀の姿が。 吹き飛ばされた加賀の姿を見てゴルビオンは驚愕する。
それは、ギグファイターが変装したものだった。
怒りがこみ上げてくるゴルビオンはようやく戦いを決心。
ユウヒを振りほどき、ダイセイザーが再び動き出す。

一方地上では、ギグファイターと特殊部隊の小競り合いが続く。
ユウヒを操る沖田には明らかに異常が認められていた。
パイシーズが沖田へ飛び掛り、首筋に打ち込まれた物体・・・ リモートコントローラーを取り外す。
意識を取り戻した沖田はユウヒをダイロギアンへと向かわせる。 形勢はここに逆転した。

ユウヒがダイロギアンへパンチを打ち込むが、近距離での光線を浴びせられ倒れてしまう。
直後にダイセイザーがタックルを仕掛け、ダイロギアンのリフレクターを破壊するべく
胸部へのパンチを打ち込んでいく。
そしてハイパーバーストを叩き込まれ、炎に包まれるダイロギアン。
「オレは負けん、貴様等を倒すまで何度でも蘇ってやる!」と叫び、天高く舞い上がり…爆発して消えるダイロギアン。

レストランにて、水のトライブと天馬、洸、直人が会食し談笑するシーンでEND.


【レビュー】

復活ロギア戦後半。そして誠個人エピソード回のラストでもある。
ロギアについては後述するとして、誠のエピソードがだいぶ薄くなってしまったのが残念ではある。
また、今回途中でギグファイターとすりかえられた加賀の安否も結局わからずじまいなのも気にかかる。
せめて既に殺されたなり、実はどこかに居たなりの描写があれば良かったのだが。
どうも前回・今回と誠は話のフリに使われているだけのように見えてならない。

一方のロギアに目をやると、ユウヒの操縦者である沖田をコントロールし
また加賀とギグファイターを摩り替えておいて誠の心を乱しにかかったことで
ダイセイザーの動きを一時的に鈍らせるなど、策士振りは今回でも健在である。
もっとも、沖田はともかく加賀についてはうっかりで正体をバラすこととなってしまい
ツメの甘さも露呈していたのだが・・・。

前回はグランセイザーとロギア、ギグファイターの戦いを多く見せていたが
今回はダイセイザー、ユウヒとダイロギアンの戦いを長く見せており
この二回分は第三部の中では一番見ごたえのあるエピソードだと言ってもいいだろう。

とは言うものの前回のレビューでも書いたように、ウォフ・マナフとのストーリーが停滞しているのが気になる点ではあるが・・・。


【特撮の見どころ】

・ダイロギアンに立ち向かう戦車
・山を焼き払うダイロギアン
・編隊飛行を行うグランビークル
・ダイロギアンVSユウヒ
・ダイロギアンVSダイセイザー

目白押しである。
特に戦車とダイロギアンのシーンは注目に値する。
最初こそごく普通に、戦車を前斜めから写し砲撃を見せるカットとなっていたものの
ダイロギアンを奥に配し、戦車が砲撃を当てていくカットが素晴らしい。
戦車の砲撃が、ダイロギアンへ向かっていくさまを1カットで見せておりそれを1画面で何発分も見せているのだ。
実際の戦車の弾の軌道は不勉強にして無知だが、弾道も見たところ違和感のない飛び方をしており
(一直線ではなくちゃんとゆるやかな弧を描いて、ダイロギアンへ当たっていく)
流石はメカの川北紘一と感心させられる。

山を焼き払うシーンや、ユウヒやダイセイザーとの戦いでは惜しみなく火薬を使用。
特にユウヒへ光線が当たった時の発破は、ユウヒの顔が見えなくなるほどの迫力。
若干VFXで継ぎ足してるかもしれないが、そうした迫力優先の合成は歓迎するところだ。

ダイセイザーが右腕(ガンシーサー)でダイロギアンを殴るところでは口から炎を纏わせており
なかなか説得力のあるケレン味あふれるカットも見せている。
タックルで飛び掛るダイセイザーはCGだが、タックルが当たり、上述のようなパンチ攻撃を繰り出してから
肩のキャノン砲を二発撃つと同時にハイパーバーストのスタンバイを行うなど
ダイセイザーの戦闘描写のハイスパートぶりもまた、一見の価値がある。