2013年6月2日日曜日

グランセイザー・第一話

第一話「目覚めよ!星の戦士」
登場キャラクター
【●…グランセイザー ○…グランセイザー関係者およびゲストキャラ等】

●弓道天馬 獅堂未加 獅堂剣 伝通院洸 雨宮涼子
○堀口博士 御園木篤司 佐伯カリン


<古代文明時代の戦い>

超古代文明が栄えていた時代の地球に進攻してきた「宇宙連合」との、古代地球人との戦いが
OPアバン~OP、Aパート開始数分程度まで繰り広げられる。
ここでは量産型?と思しき超星神二種類が大量に格納庫に並んでいる。
OP中の「宇宙連合」との戦闘シーンで出てくる量産型と
本編では数話後に出てくる超星神・ガルーダとは微妙に造りが異なっているようである。

このシーンの特撮はTV作品にしては相当ボリューム感があり、格納庫のシーンでの
奥側にもズラっと並んでいる超星神たちはインパクト大。
「宇宙連合」の攻撃シーンもできる限り敵の大部隊を配置しており
いかにも「全力で地球を制圧する」という雰囲気が良く出ている。



<群馬県・兜山遺跡で発掘されたもの>

本編序盤。現代の日本。

群馬県にある兜山遺跡では、宇宙考古学研究者・堀口博士が助手の獅堂未加と共に現れた。
現場には多くの報道関係者が詰め寄っており、発見されたものはオーパーツ、あるいは伝説の金属・ヒヒイロカネと関係があるのか?とその中の一人が問うも「ノーコメントだ」と憮然とした表情で立ち去る博士。
現場のテントへ入り、オシロスコープを睨む博士。
しばらくすると、不思議な波長を検知したため重機を止めさせる。

その波長を検出した地点を掘らせると、やがて金色の物質が現れる。
これを見た博士は未加に告げる。 マスコミの連中には「発掘は失敗した」、と伝えろと。

バイク便運送会社「ジェット便」で働く弓道天馬は、東京にあるホテルの一角で御園木篤司の依頼を受ける。
これを茨城県・兜山遺跡の発掘現場にいる堀口博士へ荷物を2時間で送り届けるようにと言われバイクを走らせる天馬。
部屋のテレビには、堀口博士が発掘失敗した件が報じられており、批判が高まるのではないかとレポーターが報告をしていたのだが・・・。


一方、某所では白衣に身を包んだ謎の女がこの一報を嘘と断言。
電話である人物に、兜山遺跡で「超星神」を見つけているに違いない為、何か手を打てと指示。
彼女は一体何者なのか。


遺跡へ通じる道の途中、立ち入り禁止の金網が張られており
なにやら物々しい空気を醸し出している。 そこにたどり着いた天馬だが守衛に止められてしまう。
その最中、獅堂未加が天馬から荷物を預かって遺跡の方へさっさと引き返す。
堀口博士自身に渡したい天馬が柵を乗り越え未加を止めるが、振り向いたと思いきや即座にハイキックを浴びせられ気絶してしまう。


特撮ヒーローモノでは定番といわれる「採石場」だが、本作の場合はやや見慣れない岩の色をしている。
自分はあまり鉱石には詳しくないのでコメントしにくいが、普段特撮ヒーローでよく見る採石場は
だいたい白っぽい灰色か… ちなみに本作では若干土色が混ざってるように見える。
だが、そのせいか「何かを発掘調査している場所」という説得力は出ているのではないかと思う。

<夜の兜山遺跡>

遺跡のテントでは、博士と未加が昼に掘り当てた物質・・・ 「超星神」について話をしている。
天馬から奪った届け物の中から着信音が流れる。開けてみると携帯電話だが
特殊な電波に変換されることで盗聴されないようにしてあるというもの。
電話の主は御園木。彼が言うには堀口博士以外にも「超星神」を起動させようと企んでいるものがおり
正体は判らないものの、用心して欲しいと念押しする。

御園木は博士の研究のスポンサーだと言う事だが・・・?


目が覚めると既に夜だった。
天馬の傍らには未加の弟、剣が居る。
何が何でも堀口博士からサインを貰いたい天馬は、剣とともに遺跡へ。
しかし途中でさらに金網の柵が。それを超えれば博士の居るテントは近いのだが・・・。
二人を尻目に、謎の男が軽くジャンプして柵を飛び越えていった。
続いて柵を乗り越えようとした天馬たちだが警備システムに引っかかりサイレンを鳴らしてしまう。


発掘現場では、既に作業を終えたショベルカーなどが静かにたたずんでいたのだが
サイレンの響く中、先ほどの謎の男―――――― 伝通院洸が姿を現す。
警備員が数人で彼を取り囲んでしまうのだが
やがて左手の甲に現れた謎の手甲をかざし、姿かたちを変えてしまう洸。
警備員を吹き飛ばし、発掘現場の重機を竜巻でなぎ倒していってしまう。

装着した洸・・・ セイザーレムルズはその後、天馬を見て何かに気づいたのか
天馬を連れ去っていってしまった。


<グランセイザー>

博士はこの一件をすぐに御園木へ連絡。
二人目のグランセイザーが現れたが、それは乱暴モノで手がつけられないと博士。
天馬を連れ去ったことについては博士がグランセイザーではないかと推察する。
グランセイザーは仲間を探しているから、恐らくそうだろうということだが…
しかし、「二人目」というのが引っかかる。

翌日、天馬を探すために未加が単独で現場から飛び出す。
そうして左手甲に現れた手甲をかざし・・・装着した。
彼女がグランセイザーの一人・セイザーミトラスだったのだ。
そうして飛び立っていくミトラス。


某所では、先ほど戦ったセイザーレムルズこと洸と、もう一人の仲間と思われる女性・・・雨宮涼子も居た。
覚醒していないだけで、グランセイザーに違いないと睨んだ洸だが
涼子はその資質については程度の低そうな男と一蹴。
さらにそこへ、先日現れた白衣の女が現れグランセイザーのことで話し合うが
天馬は付き合ってられないと飛び出していく
それを追いかけていく涼子。

やがて天馬と涼子が対峙し、さらに涼子が装着を果たす。 彼女もグランセイザー・セイザーヴェルソーであった。
天馬へ、自分がグランセイザーならその証を見せろ。そして戦え・・・自分の宿命ならばと挑発。
ヴェルソーイリュージョンにより宙を浮かされなすすべのない天馬は激昂。
左手甲にホロスコープが浮かび上がったと思いきや、未加たちと同じ手甲・・・ ナックルライザーが現れる。
そして炎を纏い装着――――――  天馬は、セイザータリアスへ変わってしまう。

ヴェルソーへ拳を叩き込み吹き飛ばすと、そのまま居ても立っても居られないのか走り出して何処かへ去っていくタリアス。
それを、建物の屋上から見守っていたミトラス。
やがて装着を解いた未加がつぶやく。あいつもグランセイザー・・・。

一方この一連の戦いを見て、白衣の女・・・佐伯カリンがつぶやく。
あれは炎の戦士。 仲間には出来ない存在であるため抹殺するしかないと洸に指示を出す。


グランセイザーとは何か、そして滅ぼされた超古代文明でも登場した「超星神」とは?
様々な謎を提示し、ここに長きに渡る戦いが始まろうとしていた。


【レビュー】

第一話としては無難。
これから先のストーリーで重要な存在となっていく御園木も、この時点では正体は明かされていないが
堀口博士の研究・・・ 宇宙考古学への出資を行っていること
そしてそれは「超星神」および「グランセイザー」という存在ともかかわりがあることが提示されている。
その「超星神」を、堀口博士以外にも謎の女・佐伯カリンを筆頭としたほかのグループも狙っているようで
「超星神」をいち早く奪われることを危惧していた御園木だったが
まだこの時点では、御園木自体の人物像と正体が明かされていないため謎として機能していることが伺える。


そしてドラマの部分だが、良くも悪くも勢いで見せきっているのは伝わっており
例えば本編紹介では省いた、ヤクザと口論する天馬に割ってはいってきた未加とのくだりや、
ラストの「何処かへ駆け抜けていくタリアス」の唐突さにも現れている。
だいたいどういう人物なのか?というのは簡素ながら説明しているが
今後天馬たちはどうなっていくのか?という興味を引くかというと「・・・」という部分が感じられてしまう。


【特撮の見どころ】

・兜山遺跡、吹き飛ばされる重機たち
・タリアスVSヴェルソー


本編、初めて装着したセイザーレムルズ・伝通院洸の放つレムルズトルネードによって
吹き飛ばされた警備員、そしてショベルカーのシーンは特撮パートの仕事として
ミニチュアセット上のショベルカーが吹き飛ばされている。
カメラも下手から上手へ流れるように、丁寧に周辺をなぎ倒しながらという見せ方をしており
細かい部分でもアナログ特撮をアピールしていることがよく伝わる。

天馬がセイザータリアスへ装着してからパンチを放つがここはいわゆる「バレットタイム」による映像。
マトリックス(1作目)で有名になった撮影方法である。
もっとも今見るとCGでそれっぽく見せているだけ…なのだろうか。ポリゴンモデルじゃないのは判るのだが…。
そのパンチで壁をつき破り吹き飛ぶヴェルソーと、破壊された壁はCG。
同社「電脳警察サイバーコップ」にも似たようなシーンはあるが流石に進歩している。

その後、ヴェルソーと戦っていた建物から出て駆け抜けるタリアスはVFX処理しているのはわかるし
中々高速移動感が出ていていいのだが、 何処へ行くのかタリアス。

特撮全般はまだこの回ではそれほどのものでもないのだが
それでも兜山遺跡のミニチュア特撮など、派手さはないもののアナログ特撮のアピールは欠かしていない。
アナログ・デジタル両方の特撮については第一話にしては良いクオリティかと思う。
これは、回を経るごとに段々とスケールアップしていく点だけは見逃せない。