2013年6月6日木曜日

グランセイザー・第五話

第五話「燃えろ!警官魂」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、神谷豪、早乙女蘭
○<ゲストなど>堀口博士、御園木篤司、佐伯カリン 

監督:村石宏實      脚本:大川俊道


<カリン暗躍>

パトカーで連れられている早乙女蘭。
幼馴染のジュンヤがその強盗事件に関与しているとのことで参考人として呼ばれている最中。
パトカー内で刑事と言い争っているところに紫色の隕石がパトカーにぶつかり
次の瞬間、蘭が紫の光とともに外に放り出され… 少ししてからパトカーが爆発。

爆発したパトカーを河原で眺める蘭。
それを眺めていたのは、佐伯カリン。

研究室では御園木が博士へ一連の状況を伝える。
遂に宇宙からの攻撃が始まったのか?と顔を強張らせる博士だが・・・。
天馬と未加に、隕石騒ぎのあった地点を調査するよう指示。

神谷豪は警察官。 蘭のダンス仲間であるジュンヤ捜索のため先輩警察官とともに遊園地のような公園へ捜索へ。

一方、冒頭でパトカーから放り出された蘭もその公園に居たが先輩警察官に呼びつけられる。
犯人と目されるジュンヤが後ろから先輩警察官を気絶させたところで豪が登場。
ジュンヤが先輩警官から奪った拳銃を豪に向けた時、豪がセイザートラゴスへ覚醒する。
そのスキに蘭も逃げ出すが、公園まで通りかかった天馬と未加が銃声に気づき、停止。
左手甲に反応を認めた二人だが、公園から飛び出した蘭に気づいた天馬が彼女もグランセイザー?と察する。


ジュンヤの発砲に怒りを露にする豪。
しかしその時、豪の左手甲にホロスコープ。山羊座のものが輝き出し、豪がセイザートラゴスへ装着を果たす。
ジュンヤの銃撃をその体で受け、平然と歩み寄るとジュンヤを投げ飛ばしてしまう。
彼に追撃しようとするとそこへ天馬が到着。 タリアスへ装着してトラゴスを制止しようとするが
俺達の仲間だ、と諭そうとするタリアスへ殴りかかるトラゴス。
そのスキにジュンヤは逃げ出す。

タリアスが殴り飛ばすと、トラゴスは倒れ装着解除。
起き上がった豪は先輩警官の下へ駆け出す。


<蘭・覚醒間近>

河岸まで逃げ込む蘭。追いかけた未加だが、蘭の様子を探るためにあえて隠れている。
そこへ佐伯カリンが登場。 あなたを助けたのは私、あなたは私たちの仲間だから助けたのと蘭に詰め寄る。
一緒に来れば全て判るわ。と欄を促すカリン。 カリンから離れろと未加が蘭に駆け寄ろうとするが、
途中で障壁を発生させ未加を跳ね飛ばしてしまう。
蘭がそれを見て逃げ出す。   逃げても無駄よ、セイザーヴィジュエル・・・ とカリンがつぶやく。


研究室。
豪を連れてきていた天馬。 博士から事情を聞かされることとなる。
地球を守る使命を語られても、自分には警官としての職務があるんだとグランセイザーの使命を受け入れない体制。
その正義感の強さは天馬を辟易させるが、博士はいずれ合流するだろうと能天気に構える。

そこへ未加たちが来る。
カリンと顔を合わせたことを報告するが、佐伯カリンの名前に何かを思い出そうとする博士。
しかし、まずは豪が話をしていた蘭のことが気がかりだと炎のトライブに蘭の捜索を指示。


橋の下で、蘭がジュンヤに連絡。 ジュンヤは倉庫に居るそうだが
蘭は警察に事情を説明したほうがいいと諭す。 だが強盗の首謀者・内藤リュウジに捕まってしまう。
倉庫で待機させられることになるジュンヤだがそこに捜索中の豪が現れる。

リュウジは蘭に、お前も警察にマークされてるんだからヘタに動くなよと脅す。
連絡が途絶え、うろたえる蘭だったのだが、そこへカリンが現われる。
そして例によって自分達の陣営に引き寄せるカリン。 だが仲間になる代わりにジュンヤを助けて欲しいと懇願する蘭。
涼子と洸はそれを聞き入れなかったが、仁のみ協力を買って出ることになる。


<燃えろ警官!>

警察病院。 先輩警官へ捜査状況を報告する豪。
強盗殺人の実行犯は別に居る。 バイト仲間の内藤リュウジ。
ジュンヤ自身は単に車を運転して逃亡に加担しただけだったのだが、先ほどのこともあって豪はジュンヤも捕まえようとする。

強盗殺人の容疑者であるジュンヤ救出に乗り気ではない洸と涼子だが、意にも介さず仁は蘭の願いを受け入れることに。
蘭からはジュンヤの居場所が倉庫であることを聞き出し、仁だけが赴くことに。


そして倉庫。
パトロールに出ていた豪が、待機中のジュンヤを発見し捕まえようとする。
しかし追う豪の前に立ちふさがった仁。 
邪魔が入り怒る豪。 トラゴスへ装着したのを見て仁が驚愕。
ダイルへ装着し、戦いが始まる。

ダイルが「大旋風波」でトラゴスを吹き飛ばしたところで天馬と未加が合流。
二対一で戦っていると流石に分が悪いようで押されるダイル。
フィニッシュは、復帰してきたトラゴスによる「ペネトレイト・サンダー」によってダイルを撃退。


戦後、豪に対して風のトライブの件を説明する天馬と未加。
風のトライブは自分がぶっ潰してやると意気込む。
そしてカリンのアジトへ戻った仁により、豪が炎のトライブ側に組したことが報告される。
あと一人も向こうにいけば不味いぞと洸。

研究室では留守番の剣から、博士は大地の超星神を探すために出かけていったと知らされる未加。
砂丘では、探査機を携えて調査中の博士だが・・・ そこに直人が現われる。
直人が居ると言うことはここに超星神が居るのか?と問う博士に対し
まだ二人のグランセイザーは覚醒しないのか?と返す。
トラゴスだけは覚醒しているんだが・・・。   その言葉を聞いて直人は何処かへ立ち去ってしまう。

果たして、大地のトライブは集結できるのだろうか?


【レビュー】

第五話では大地のトライブの残り二人のうち一人が覚醒する。
この回と次回は蘭のドラマを中心にストーリーが動き出していく。
豪はこの時点ではやや影の薄い存在ではあるが
風のトライブ・仁同様にじょじょに「堅物」キャラが描かれていくことで
「グランセイザーである自分達と、普段の自分達」をはっきり意識させてくれるキャラになっていくのは面白い。
ただ、そういう要素もまだこの回では希薄なのは致し方ないか・・・


今回は演出面で引っかかる点が目立つ。

豪が覚醒するシーンの直前、公園から銃声が聞こえたのを聞きつけた天馬、未加がバイクから降りたところで
公園から飛び出して逃げ出す蘭を「彼女もグランセイザー?」と天馬が察するシーンがある
蘭が逃げてから天馬が上述したセリフを出すまでの間を1カットで見せている。
#実際見ると判るが、あまりに流れるように見せるせいでかえって間の抜けたシーンとなった。
ここは流石に2カットくらいで見せたほうが良かったのでは…。 


また、後半の戦闘シーンだが殺陣はともかく、演出として2、3回ほどスローになるシーンが見られるが
かえってアクションのテンポを殺してしまっている感は否めない。
村石監督のクセなのか?
#同じことを後々石井監督もやらかしている。


【特撮の見どころ】

・なし

序盤、カリンの光線により蘭が外から放り出されるシーンは、役者を仰向けにした状態なのだがイマイチ不自然。


終盤、トラゴスの必殺技「ペネトレイト・サンダー」が放たれているがここで初めて必殺技バンクらしき映像が入る。
タリアスの「バーニングファルコン」、レムルズの「ファイナルジャッジメント」、リオンの「飛燕斬」などは
ウルトラマンや平成ライダーのようにバンクなしで放たれるため、トラゴスの場合はかえって新鮮に映る。
バンクと言えばタリアス・ミトラスが装着する際に役者がアンダースーツを着た状態から合成で
アーマーが装着されるシーンが今回見られるが
このバンクはタリアスとミトラスにしか準備されていない。
ただしこの装着バンクも初期回およびOPのタリアス装着シーンくらいでしか見られない。


このグランセイザーはヒーローの描写については東映の戦隊シリーズと平成ライダーシリーズを
強く意識したような映像が散見されるのが特徴であり、
必殺技や装着時にバンクをほとんど用いない点は平成ライダーの方に意識の重点が置かれているようである。