2013年6月8日土曜日

グランセイザー・第八話

第八話「降臨!天空の龍」

●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁、松坂直人、神谷豪、早乙女蘭
○<ゲストなど>堀口博士、佐伯カリン 


<佐伯カリンの謎>

堀口博士は知人の中條教授の居る城北大学へ、佐伯カリンについてたずねていた。
長年ヨーロッパで仕事をしていたという教授ならカリンについて知っているのでは、という読みであった。
実際、カリンについて教授は覚えていたのだが…
30年前に教授と写っていた写真を見せられ、「今より20年前、留学先のスウェーデンで亡くなった」と言う。

城北大学から出てきたところをカリンに襲われ、絶体絶命のところを剣が救う。
リオンに装着後、分が悪いと見たのか高速移動で離脱するカリン。
港の倉庫へ逃げ込んだところまで追いかけたリオンだったが、レムルズに撃たれ気絶してしまう。

一体、今居る「佐伯カリン」は何者なのか?




気絶させられた剣は、カリンたちのアジトへ連れ込まれる。
涼子はカリンの坑道に疑問を覚え反発するも冷たくあしらわれる。 それに続く洸。

剣が気絶させらられた港の倉庫。
そこへ赴いた未加と蘭を待ち受けていたのは涼子。
涼子と未加の言い合いと共に二人の戦いが始まる。

その後、ミトラスとヴェルソーになり戦う二人。
戦いはあっさりとケリがつく。
結局、ヴェルソーが剣の場所を教え助けることに。


<風のトライブVS炎のトライブ ~ 超星神対決>

続いて合流するレムルズ。それを装着して迎撃するリオン・ヴィジュエル。
倉庫から飛び出したところでダイルも加わり、3VS1となるが戦いが進むにつれて
風のトライブは超星神ドルクルスを召還。 ダイルが乗り込み、地上の炎のトライブ&ヴィジュエルへ攻撃。


炎のトライブも超星神ガルーダを召還。
ガルーダへ乗り込むのはリオン。 
ここからは港町を舞台に一大決戦が繰り広げられることとなる。
互いにウォーリアモードとなった二大超星神が、港で対峙。

ドルクルスは遠距離攻撃で応戦、全くガルーダを寄せ付けないどころか一度地面へ倒してしまう。

倒れこんでいるガルーダに追撃しながら近づくドルクルス。
火花が、瓦礫が容赦なくガルーダの身を打ち付ける。
やがて反撃の為立ち上がるガルーダは、セイザーギアを用い剣を使って戦うことに。
剣を用いてドルクルスの射撃をはじき、かわす。
そして剣による地割れと、吹き上げた炎でドルクルスへ一撃を与える。


さらに攻撃をはじきながら近づき、剣での一撃を加えるガルーダだったが
「遊びは終りだ」の一言で全弾攻撃・ヘラクレスハリケーンを直撃で食らい羽を一枚もがれるガルーダ。
一斉射撃をその身に受け、反撃どころか立ち上がることすら不可能。
やがてダメージが限界となり、リオンを放出してガルーダが倒れる。


<ガンシーサー登場~ 謎の龍、現る>

そのガルーダが倒れるのを眺めるヴィジュエルに、トラゴスが近づきガンシーサー召還を促す。
近くにはタウロンも佇んで眺めていた。

そしてガンシーサーもウォーリアモード~セイザーギアにより臨戦態勢を整えたのだが
一転にわかに掻き曇り… 謎の龍が登場。 両者へ威嚇射撃を行いつつ
ガルーダを空高く舞い上げ、暗雲へ飲み込んだ末にその場から消える。
ドルクルスも退散する。 

ここまでの戦いから堀口博士が何かを察したところでEND。


【レビュー】

またもやガンシーサーは戦わずに終わったが
初めて本格的に戦ったガルーダとドルクルスのシーンはまさに大迫力と言って良い出来であり
個人的には本作のベストと言っていい回である。
未見の人は是非この回を見ていただきたい。 特撮ドラマとは「特撮」ありきであるとよく判るだろう。

しかし一方で未加が棒を軸に回転キックを浴びせるカットなど
イマイチなシーンもあるため、総合的にはややツメの甘い部分もある。
本文でも述べたが、東宝らしい「状況をそのまま見せる画作り」がアダになっているようである。
これが他社ならそもそもそういうアクションをさせないか、
させるにしてもカットでごまかすくらいはするのだが。


【特撮の見どころ】

・ドルクルスVSガルーダ

ガルーダが駆けてドルクルスへ突っ込むカットでは、駐車場と建物を手前に配した画だが
車などが揺れていない所が宜しい。 本当なら振動が伝わっているように見せる為少しは揺れたほうがいいのかもしれないが…

ツノからの雷撃・アストライザーが川を横切り地上の敵に攻撃を加えるシーン。
ここは水の部分では水柱・アスファルトでは灰色の粉塵が舞い上がる部分が芸コマである。
もちろんここはVFXによる合成なのだが、ちゃんとそのように見せかけられているのが良い。
背面キャノン砲・ドルキャノンでの攻撃は全て水面へ当たるがここでも水柱。 無論VFX。
スケール的なことを考えるとまさにベストの合成である。

一度倒されてしまうガルーダだが、ここでは港の建物の倒壊が迫力満点だ。
2カット使って丁寧に建物倒壊を映す。 アングルが違うのが細かい。
そのシーンは今は無き東宝・大プールでの撮影ということで当然そこはオープン撮影だが
やんわり曇りだったのか、光加減と相まって重苦しい雰囲気をかもし出す。

さらにヘラクレスハリケーンを倒れたガルーダに叩き込むシーンでは、羽が吹き飛ばされる。
ここは実際に羽のパーツを壊しながら飛ばしていることに注目。
大プールへ沈む羽のカットもVFXを交えて丁寧に描かれている。

セイザーギアを装着したガルーダが剣を用いて地割れを起こすカットはVFXではなく実際にミニチュアを割っている。
炎はVFXのようだが、舞い上がる土はミニチュアのもののように見える。
このドルクルスVSガルーダは、VFXによる火柱やエフェクトだけでなく実際の火花やナパームもあり迫力が増している。
爽快感すら感じる巨大戦だ。


ドルクルスが終盤退散するカットでは飛び立つ際に変形しているのだが
手前に配置されたトラック三台のうち、ドルクルスに近い一台が衝撃で倒れ爆発。
非常に細かいが、こういうカットを入れるあたりのセンスは好きだ。


一方、地上での戦いについてはクオリティの低過ぎるCG合成が悪い印象を与えた。
具体的には鉄パイプによる殺陣。ここの終盤の未加は合成によって回転蹴りを見せる。
第五話でもそうだったのだが、こういうシーンを引きのカメラで「そのもの」を見せてしまうせいで
画としてかなりチープなモノに仕上がってしまったことが悔まれる。
東宝の画作り方針のマイナス面が露骨に出たシーンと言える。

アックスタッガーで殴った時のヒットエフェクトなど、割と悪くないVFXもあったりするのだが・・・