2013年6月3日月曜日

グランセイザー・第三話

第三話「結成!炎のトライブ」
●<グランセイザー>弓道天馬、獅堂未加、獅堂剣、伝通院洸、雨宮涼子、秤谷仁
○<ゲストなど>堀口博士、佐伯カリン


<ドルクルス大暴れ>

風の超星神・ドルクルスが遂に起動する。
その力に感心するレムルズはタリアスたちに執拗な攻撃を続ける。

タリアス・ミトラスがそれぞれの技を駆使してドルクルスに立ち向かうも
ミトラスは吹き飛ばされ装着解除、タリアスはバーニングファルコン(必殺技)が相打ちになり
爆風と共にその場から撤収するタリアスたち。
未加に駆け寄る剣だが、その際左手にホロスコープが浮き上がる。

東亜大学。 ここは堀口博士の研究所がある。
そこでは天馬が炎のトライブの超星神を探せないのかと博士に詰め寄るが
三人目のトライブが見つからない限りはいかんともしがたい。
天馬はその三人目を探すために研究所を飛び出していってしまう。


カリンのアジト。
ドルクルスの能力に感嘆する一同だが、これと同等の力を炎のトライブが手に入れれば
そして「何も知らない愚か者が」超星神を手に入れてしまえばどうなるのか。
もしそうなれば地球を滅亡に導くだろうとカリン。


研究所の外では剣が思い悩んでいた。 未加が駆け寄るのだが、天馬を探すといって立ち去ってしまった。
自分の左手に映し出されたホロスコープ。その意味するところは・・・。
やがて天馬と落ち合う剣。  そこで天馬に何故グランセイザーとして戦うことを選んだのか尋ねる。

他人に押し付けられるのはイヤだが、グランセイザーにならなきゃ出来ないことがあるんじゃないか。
グランセイザーで出来ることがあるはずだが、今はまだわからないと、剣につぶやく天馬。


涼子と仁が、とあるバーでカリンについて会話している。
佐伯カリン。彼女は宇宙考古学者であり、その研究資金は大企業から援助金として受け取っていると涼子。
そんなカリンに付いて来ている洸と涼子に対して仁は、地球の指導者になりたいの?と聞くのだが。


再び研究所では、未加が博士と話し合っている。 もし今後戦いが進んでいき、グランセイザーとして
戦うことに向いていない人間が居たらどうするのか?と。
しかし、それでも地球を守るためにはグランセイザーの力が必要であると諭す博士。
そんな中、天馬が飛び込んできて自分達の超星神のありかへ行くべきだと叫ぶ。
やはり三人目が居ないとムリだと突っぱねようとする博士だが、それを未加がフォローする。
ひょっとしたら三人目もそこに現れるはずじゃないのか?と。

そして、博士は「鳳凰山」へ出向くことを決める。  未加は剣にも一緒に行くよう促す。


<鳳凰山、炎のトライブの超星神>

鳳凰山を移動中、突如地震が発生しさらに山が崩壊。
山の中から、超星神ガルーダが姿を現す。

それを察知したカリンは、洸たちに電話で指示を出す。
堀口博士の甘さを指摘するカリンだが、まるで彼らが来てガルーダが現れることを察知していたかのようだ。

剣が三人目の炎のトライブの戦士であることを察した未加が問い詰め、「私と戦いなさい」と詰め寄る。
その問詰めに顔をしかめながら答えに窮する剣だったが、そんな一同の前にドルクルスが襲来。
さらには風のトライブまで現れる。

ドルクルスがガルーダに真っ先に向かっているところに
「超星神は発動前に大きなエネルギーを放出し、それにドルクルスが反応したため」
そうヴェルソーたち風のトライブがガルーダ登場を察知した理由を告げ、そのまま戦闘へ。


タリアス・ミトラスとヴェルソー・ダイルの戦いの最中、剣は微動だにせずそれを見つめていたが
その裏ではドルクルスが起動していないガルーダへ攻撃を仕掛ける。
それに怯んだタリアスたちへ、ヴェルソーたちが必殺技を叩き込み
ミトラスが吹き飛ばされてしまう。

それを見た剣が自らの、グランセイザーとして何が出来るのか・・・グランセイザーになれば出来ることを強く念じつつヴェルソーの動きを止める。
そして、遂に剣の左手にもナックルライザーが現れ・・・ セイザーリオンへ装着を果たす。
遂に炎のトライブもそろい、超星神ガルーダの起動を実現させる。


<超星神VS超星神>

ガルーダへダイヴインしたタリアスは、ドルクルスとのドッグファイトを演じることとなる。
鳳凰山の連なる山脈を、縦横無尽に飛び回る二大超星神。
しかしラチがあかないと判断したドルクルスは、ガルーダを撃破するべくもうひとつの形態・ウォーリアモードへ変形する。
砲撃でガルーダを追い詰めようとするが、ガルーダは軽々と飛び回りかわしていく。
二機の攻撃が相打つが、その直後レムルズが「ウォーリアモードの戦いが体力を消耗するとは思わなかった」とつぶやく。

仕方なくその場から退却する風のトライブたち。


戦後。リオンとして覚醒した剣は未加に「自分はもう子供じゃないんだから」と宣言するが
自分に勝ってから言えと詰め寄られてしまう。

ともかく、これで炎も風も役者が揃い、戦闘が本格化していくこととなる。



【レビュー】

第三話にしてようやく炎のトライブの超星神が登場。
風のトライブの超星神との戦闘もあるため今回は特撮シーンが多めで、個人的には大変楽しい回である。
天馬と比べると剣の覚醒はヒーロー物らしい動機コミで、このあたりは若干捻くれていて面白い。
一方の天馬は、いまいち流れで戦っている感じもあって
俗に言う「巻き込まれ系主人公」の王道的な存在ともなっている。

とはいえ、今回のドラマ面においてはこの二人が特にクローズアップ(グランセイザーとして戦う理由のドラマ)されており
ヒーローという概念に注視した上で見ると、天馬の存在が剣の覚醒のためのフリっぽく見えるのはご愛嬌か。


特撮。遂に巨大戦が繰り広げられた。
ここではドルクルスはともかくガルーダはまだライブモードに変形せず、
本当に顔見世程度になっているが、それでもスカイチェイス(?)のシーンなどは
中々に頑張っている映像が見られてこれはこれで満足が行くものである。

今回は二つのトライブが全員揃い、いよいよ話が本格的に動きだすわけだが
ここではカリンの身の上と、その目的の謎とが提示される。
炎のトライブを愚かな連中と見下す彼女だが、同じグランセイザーである彼らの戦いを何故仕掛けるのか
その真意やいかに。


【特撮の見どころ】

・ドルクルスVSタリアス・ミトラス
・鳳凰山に現れるガルーダ
・ガルーダVSドルクルス(空中戦)
・ガルーダVSドルクルス(ウォーリアモード)

本編序盤のドルクルスとの戦い。
ここでは第二話より多めにドルクルス(空中)とタリアス・ミトラスが対峙する画が出てくるが
やや実際の空とミニチュアドルクルスの光加減との調和が甘い気はしなくもない。
ドルクルスが発掘現場へ向けて雷撃を放つシーンはミニチュアで表現。
ダンプカーが手前にある部分で発破に耐え切れずセットが揺れてしまったのは惜しいが
情景としてはよく出来ている。

鳳凰山に現れるガルーダ。
ここでは山の崩落シーンが短く3度出てくるが、最初の2回は何かの映画からの流用だろうか。
ただし3度目はガルーダが姿を覗かせるシーンである為、ここだけは本作用に撮影しているようである。
少しずつ山が崩れていくことでガルーダの登場を印象づける演出であろう。

ガルーダの登場を何故か察知した佐伯カリンがノートパソコンを眺めるシーン。
(後で天馬たちの前に立ちはだかったヴェルソーにより説明がなされるのだが)
その画面には格納状態のドルクルスが映る。 ここは一体何処なのだろう。


剣がセイザーリオンに覚醒し、炎のトライブ結成→超星神ガルーダ起動のシーン。
ガルーダが飛び立つあたりのガルーダはCGのようにも見える。
(オーラ風エフェクトがキツくてミニチュアなのかCGなのか判別がつきにくい)
次のカットではガルーダの機首が映るがここはミニチュア。
ここからガルーダ・ドルクルスによる空中戦が繰り広げられる。

ミニチュアを使うシーンはガルーダ・ドルクルスはカットにより一体ずつの登場だが
二体同時に出てくるシーンはCGによるもの。
鳳凰山の樹海の上を二体が高速でドッグファイトを演じるあたりのCGは違和感が少ない…と言いたいが
もう少し機体下部に陰があったほうがそれっぽかったように思う。

ちなみに樹海のシーンでの樹海は実景を用いているようだが何処かの映画からの流用なのか
それとも本作の為に撮りおろしたのだろうか?

湖の見える地点へ差し掛かり、ダムへ向かい… ドルクルスの攻撃がダムを決壊させるシーン。
湖からダムの上空までを飛ぶシーンは、二体の影がしっかり水面やダムに映っている。
細かい部分ではあるが、こういう部分でリアル感を出す手間を惜しまないのはいい仕事。

Uターンしている部分はミニチュア。 やはりここでも一体ずつであるが
森林のセットが地味ながら雰囲気を出していて良い。
ダムを飛び越えるガルーダはCG、攻撃を加えるもダムに誤爆するドルクルスはミニチュア。
ここはややチグハグな印象を覚えた。

ダムが決壊して水が溢れ出すシーンは映画からの流用という話もあるが、どの映画なのかははっきりしない。

ウォーリアモードでの戦いでは
ドルクルスがウォーリアモードへ変形するシーンはCG。 ただしバンク的な映像というよりは
セットの空をバックにCGが変形していくという趣の映像。
地面に降りてからも頭部がさらに変形する部分は細かいがケレン味も感じる。

今回はドルクルスのみウォーリアモードでの戦いとなるが
ガルーダが炎をまとってドルクルスに体当たりをしかけたあたりから戦いは激しくなる。
ドルクルスがビーム砲を連射するもガルーダはハイスピードでそれをかわす。
体当たりシーンこそガルーダはCGだが、それ以降はすべてミニチュア。
かわされた際に、森林が謎の爆発を起こし火の海に染まるシーンは迫力がある。
燃え盛る木々のカットを挟むあたりは特撮班もアピールしたいポイントなのだろう。

火の海の中でガルーダが攻撃を仕掛け、ドルクルスがジャンプして移動する部分はCG。
着地した地点では、舗装された山道が手前に来ている。
実に細かい部分でミニチュアをアピールしてくるのが伝わってくる。

両者の攻撃が相打ちになり、ガルーダが墜落していくが
「操縦者のエネルギー損耗が激しい」ということで退散する風のトライブ。
やはりCGによる変形でドルクルスが退場する。 変形シーンでもちゃんと影になる部分には影が入っている。