2015年5月5日火曜日

セイザーX・第十四話

第十四話「未来からの敵、ネオデスカル」

[ネオデスカル]
未来恐獣デスバー登場

演出:市野龍一    脚本:林 民夫


<これからの事>

冒頭。安藤家ではレミーが今後の生活についてどうするべきか
シャークへ宛てて手紙を書いていた。
戦いが終わってからアドは残りのコスモカプセルを捜しているし、ケインは宗二郎に師事して未来に帰る装置を研究中。
拓人も、父のいるイギリスへ渡るかどうか悩んでいるが
自分はこの時代でなにをしようか、ゆっくり考えるつもりのようだ。


その拓人だが、遂にイギリスへ渡ることを決心した。
夢はF1レーサーであり、そのためにイギリスへ行こうとするのだが
そのために、個人的にも宗二郎から一人前として認めてもらいたかった。

そこまで言ってから、宗二郎は突如自分を殴れと拓人に言う。
あまりに言い寄ってくるため、遂に宗二郎を殴り飛ばす拓人。
俺はでかい壁なんてもんじゃなく、只の機械弄りの好きな爺さんなんだ。
だから俺を越えるとかそんなことを考えなくていいし、自分のことは自分で決めろと拓人を諭す。

そして、自分のためじゃなく誰かのために何かをすることが人間にとってとてもすばらしいことなんだとも拓人に教える宗二郎。
自室に戻り言われた言葉をつぶやく拓人。
そんな時、セイザーパッドから通信が届く。 ワームホールが現われ、何かが通ってこの時代へ現われるようだ。
レミーはシャーク隊長に違いないと察し、アドもそれならコスモカプセルを早く集めようと言う。
彼らの話を聞きつつも、自分のことを考えていた拓人。


翌日、イギリスへ渡ることを春子に告げる拓人。
F1レーサーになって、多くの人に夢を与えるんだとその決意を口にする。
春子も由衣もそれを応援する。


<ネオデスカル登場>

一方ライオキャリアーでは、ワームホールを通った船は既に2005年に到着したらしいことが判明。
シャーク隊長じゃないのか?と訝しがるアドだが突如カプセイザーG2が反応し出す。
街中に恐獣デスバーが現われていたのだ。

そして宇宙空間ではバルガレオンと同型の宇宙船艦。
艦内にはグローザと、未来から来たガレイドが居た。
さらには三将軍も乗り込んでいた。 つまり、未来は変わっていなかったことになる。
三将軍こそネオデスカルの祖先でもあるため、三将軍が生きていれば当然ネオデスカルも存在しているわけだが
いまいち飲み込めていない三将軍。


地上では、セイザーXがデスバーを撃破するため到着。
グレートライオへ合神し対峙するがデスバーは遠近ともに攻撃力は高く、
ライオカッターを突き刺しても逆に溶かしてしまう。
さらにデスバーから発せられた液体が、グレートライオの動きを止めてしまう。
全ての遠距離攻撃もデスバーはうけとめてしまい全く効果が無い。
そしてグレートライオはシールドが解除され機能を停止。

グレートライオの中にいるカプセイザーG2に格納されているコスモカプセル。
その反応を確認したグローザたち。
グレートライオへ光線を使い侵入してくる。 レミーがライオに侵入者の存在を告げる。
グローザとブレアードが入り込んでおり、ライオが引き止めるがグローザはレミーの居るコクピットへ向かう。

宗二郎を越えるためじゃなく、レミーや他の仲間のために戦うことを選んだライオ。
ブレアードを蹴散らしレミーを助けに行くが、グローザに捕われていた。
コスモカプセルと引き換えにレミーを助けることとなるが、七つのカプセルをG2から放出させるライオ。
全部のカプセルがグローザによって奪われていこうとしつつあったが、最後のシャーク4が奪われそうになった時、
外のデスバーが突如倒れこんでくる。 シャーク4を守ろうとするレミーだったのだがグレートライオが倒れたショックで気を失ってしまい、グローザはそのまま立ち去る。
レミーの手にはシャーク4がしっかりと握り締められていた。

ライオが後を追うがブレアードも起き上がり戦おうとする。
しかし、グローザと共に脱出してしまう。


ネオデスカルによって殆どのコスモカプセルを奪われてしまうセイザーX。
さらにデスバーに襲われてしまえばひとたまりも無いこの状況下で、ワームホールを通って何らかの船が訪れようとしていた。
ネオデスカルが次々やってくるんだと不安になる一同。
新たなる戦いは、波乱含みで始まった。

●コスモカプセル →  セイザーX:1  デスカル→ネオデスカル:9


【レビュー】

ネオデスカルとの戦いが始まるのだが、ここで改めてネオデスカルと宇宙海賊デスカルとの関係が明らかになる。
ただし、まだこの時点では詳細は提示されていない。
今回はネオデスカルの祖先が三将軍であることのみが語られる。

一方キャラクタードラマの面では、拓人と宗二郎の会話、そしてブレアードとの戦いの中で
自分自身のそれまでの宗二郎に認められたいというだけの拘りから、自らの「F1レーサー」になる道を改めて選ぶ描写がなされていく。
F1レーサーになって人々に夢を与えたいという目標。
しかしそれもネオデスカル襲来によって一度留保。
改めてセイザーXとして、レミーたちのために戦う決意を固める拓人。
船長亡き今、拓人に拘ることが戦う理由となったブレアード同様、拓人もようやく
自らの意思で自分の進む道を選ぶこととなった。


そういえば、ネオデスカルもバルガレオンと同型の戦艦を使っているようだが
500年経って中身は変わっているだろうが、実際そんなに経っていたら外観も変わっていそうなものだが・・・。
ここは、第一話でもそうだったのでスタッフ側が意図的にそうしたと見るべきか。
一応デスカルとのつながりを強調するための描写なのか?


【特撮の見どころ】

・デスバー大暴れ
・デスバーVSグレートライオ

デスバーが街中で暴れているシーンだが、ビルを溶かしたり歩くたびにゼリー状の物質を撒き散らしたり
さらには攻撃の殆どを飲み込むなど、前二作にも居ないタイプの恐獣となった。
デザインコンセプトは「ゴジラ対ヘドラ」のヘドラをリメイクしたものだろうか。
「ゴジラFINAL WARS」にもヘドラは出てきたので、二年連続で東宝作品にてリメイク登場しているわけだが
こちらのデスバーはライオカッターを溶かすなど、その威力のほどがうかがい知れる。


デスバーがビルを溶かしている際、中に居た避難民の中に川北紘一が居るカットが入るが
このカット、実は前作ジャスティライザー第一話のものを流用している。
ただし、次のカット(デスバーが窓の外で液体をかけているカット)は川北ではなくエキストラ。
グランセイザーの第四十九話、ジャスティライザーの第一話に続いて三作連続で出演することになった。
(今作では前作の使いまわしという前提だが)

また、今回はセイザーXの看板がミニチュアで作られているが劇場版のもののようだ。
(ロゴのすぐ下に「戦え!星の戦士たち」と読めそうな黄色い文字がある)
放送時点では上映中であるために、スケジュールを読んでスタッフが作ったのだろう。
#当時の某所では、セイザーXの撮影は2005年内に全部終わっていたという情報が載っていた。
#仮にこれを信じるなら、撮影スケジュールはだいぶ余裕をもっていたことになり、こうした宣伝も入れやすかったのだろうか。


そして本シリーズ伝統?の、流星神のやられっぷりも見物。
今回は動きを止められ完全に使い物にならなくなったグレートライオ。