2015年5月5日火曜日

セイザーX・第十三話

第十三話「聖なる夜に」


演出:米田興弘    脚本:関根智彦・今井聡


<戦い終わって日は暮れて>

安藤家では、デスカル撃破を祝ってのパーティーが行われようとしていた。
アドは、未来に帰ることを捨ててまで決死の思いで2005年まで来たことを思うといまいち華やかな気持ちになれなかった。
拓人がまずは勝った事を祝おうぜと、喜びを分かち合うことを促す。
春子たちも料理を持ち出してパーティーを始めようとする。

そして乾杯し、いよいよパーティーが始まる。
そんな中で、ここまでの戦いを振り返る一同。

コスモカプセルは7つセイザーX側にあり、デスカル側の持っていた3つと未発見の2つが残っている。
シャーク4を手に取り、想いに耽るレミーだったがカプセイザーG2が突然光りだし、サンタの服装に変化。
レミーの目の前にクリスマスツリーを、そしてクリスマスケーキを出現させた。

春子が、今日はクリスマスイブだからねと言う。
他の星から来たアドたちはその存在を知らない。 春子がレミーに、クリスマスは願いが叶う日だから、何か願い事をするといいと告げ、
続いて拓人が清しこの夜を皆で歌い出す。


パーティーに参加していない宗二郎が、コップを片手にシャークへ乾杯をするそぶりを見せる。

そしてパーティーは終わり、レミーと春子が外に出る。
きっと願いは叶う、と春子がレミーへ話し、レミーもまたそう信じていると返す。
空から雪が降り注ぐ。 メリークリスマス。


【レビュー】

いわゆる総集編に該当する回だが、実は前二作に存在していた情報コーナーの側面の方が強い回。
前二作の情報コーナーだと、初期回はそれぞれの装着時の設定や必殺技の紹介、
超星神・幻星神やそれら必殺技の紹介などに充てられていた。
もっとも、一年もやっていたせいで後半はこの紹介する情報のネタが尽きていたのも事実ではあったが。

本作当時の、それまでの他社作品における総集編だと大体戦いの発端からそれまでの話の紹介が軸となる。
(大体終盤に挿入されるケースが多い)
今回もやはりそういう内容ではあるが、本シリーズの総集編はどちらかと言えばグランセイザーの第二十五話のように
新シリーズ開始前のおさらい的側面が強い。
これは案外効果的で、特に今回に関しては基本設定のおさらいを行うなどしている為
前二作以上に視聴者にはわかりやすくなっている所は特筆するべきだろう。

何せグランセイザーやジャスティライザーは、ED後の情報コーナーで全て説明を任せているせいで
設定を改めて振り返ったり再整理する機会が無かった故に、視聴者がなんとなくで話や設定を理解して観ていた部分は否めなかった。


今回は、様々な設定のおさらい以外にも初めて語られた要素がある。
・レミーの本名はレミー・フリーデ
・アドの本名は長い
・ストレージリングは属性のエネルギーを秘めたアイテム
・ナックルクロスの中に特殊スーツが圧縮格納されており、ストレージリングとあわせることで展開・装着される
・各流星神のスペック
・コスモカプセルを使った技は、ひとつのカプセルにつき使用者に応じて技が変わる

最後の件は劇中で描写されているが、改めて説明することで使用者ごとに技が変わることを丁寧に説明している。


また、今回は総集編ネタとしては珍しい「次回からのシリーズのヒキ」を挿入していることが目を引く。
ダイジェストだが、次回以降始まる新シリーズの様々な要素が1分間で提示されている。
こうした試みも、前二作にはない部分であり視聴者の関心を可能なかぎり引く工夫として注目しておきたい。
イヤミを言うと、前二作は先のストーリーへの注目度を維持させるという部分が弱過ぎたことへの
一つの回答とも言える気もするが・・・。


さて今回脚本家が二人居るが、うち一人の今井聡は後の「Kawaii!JeNny」にも助監督で参加している人物である。
元々演出畑のようだが、今回は脚本家としての起用のようだ
これは川北の人脈からの起用のように見えるが、しかしなぜ脚本なんだろうか?演出は米田監督だし。
そして関根智彦にいたっては調べても経歴不明。同姓同名の別人と思しき人物はヒットするのだが・・・。

本シリーズはどういう人脈で演出家と文芸スタッフを招聘しているのかよく判らない点が多いが
セイザーXは特にこの傾向が目立つ作品でもある。
前二作に関わった演出・文芸の各人は、検索してみると幾つか代表作品が併記されることが多いのに・・・。


【特撮の見どころ】

・なし

G2がサンタの衣装に着替えたり、コスモカプセルを宙に浮かせたり
ラストに雪を降らせたりは全てVFX、CGによるもので特筆するものは特に無い。