2015年5月10日日曜日

セイザーX・第十七話

第十七話「追跡者・名はジャッカル」

[ネオデスカル:ガレイド]
ピアース登場

演出:市野龍一    脚本:河田秀二


<次に現われるものは?>

冒頭。ライオキャリアー内では前回捕らえたブレアードからコスモカプセルを取ろうとする拓人たち。
鎖に繋げられているカプセルだが、カギがかけられているため取り外せない。
じゃあ殺せばいいじゃん!と拓人が言うとアドが銃口をブレアードに向け出す。
それを見てシャークは銃を下ろさせる。
我々の目的はあくまでコスモカプセルであって殺戮ではないと諭すと、納得しかねる表情ながら銃を下ろすアド。

そんな中、未来からの通信が。
トビーによると、ジャッカルまでもがワームホールを使って2005年へ来ているだろうことが告げられる。
ジャッカルの正体が判らないレミーたちは、当然ジャッカルについてシャークに尋ねるが
知る必要は無いと一蹴されてしまう。


一方ガレイドの戦艦では、グローザがビアースを呼びつけ
ブレアードとコスモカプセルの奪還を命じていた。


アドルイーグル内では、アドが何か考えていたようだ。戦略を練っているんだとレミーに話していたのだが・・・。
そしてシャークベース艦橋では、宗二郎と話をしていたシャーク。
宇宙の歴史を変えようとしているシャークのプレッシャーを察していた宗二郎は、何か協力できないかと申し出る。
シャークは何かを宗二郎に伝えた。

安藤家ではレミーが春子たちと一緒に太巻を作っている最中、ライオキャリアー内では
ブレアードと拓人の、コスモカプセル奪還のやり取りが繰り広げられていた。
二人が気づいていない中、ピアースはライオキャリアー内へ侵入しブレアードを捕捉。
チャンスをうかがおうとしている。
レミーの作った太巻を、ケインがライオキャリアーへ届けに行くがブレアードは食べようとしないため
拓人が食べ出すと、背後からピアースが忍び寄る。

毒針を刺されそうになった瞬間、ブレアードが拓人の脚を蹴り飛ばしよろめかせると
ピアースは自分の手を刺してしまい退却。
アドやケインも追いかける。
コスモカプセルがない以上深追いはするなと、報告を受けたシャークがレミーに指示をする。


<奴はジャッカル>

地上ではイーグル・ビートルがピアースを捕捉し戦闘に移る。
しかしピアースの攻撃には巧く太刀打ちできない二人。
そこへライオも合流し三対一となる。
水属性であることを突き止めると、イーグルがイーグルブラスターで立ち向かおうとするのだが
一瞬のスキをついてピアースの毒針が、イーグルの腹部に突き刺さる。
倒れこみ、装着まで解けるアド。

一方、ライオキャリアー内では取り残されたレミーがブレアードに太巻を勧める。
全て平らげたブレアードに、あなたいい人なのねと微笑むレミー。
そして、何故コスモカプセルを奪って出て行ったのかを尋ねた。
いつも組織から浮いているブレアードに、本当は寂しいんじゃないの?と問いかけるが
うろたえるブレアード。

一方シャークベース内では、ワームホールから来る謎の戦艦を捕捉中のシャーク。


ピアースは左腕に解毒剤を持っている。 
アドから聞かされたライオはそれを奪おうと試みるが二人ではやはり敵わず、
デスメードまで合流してしまう。
アドの容態がますます悪化する中、レミーにコスモカプセルを早く渡すよう促す。
眠っているブレアードを揺り起こすと、その際に鎖のカギが落ちた。
ようやくコスモカプセルを手に入れ、ピアースの撃破に成功した三人。

レミーが三人に合流、シャークの行方を尋ねていたが
そのシャークは、謎の男・・・ ジャッカルと会っていた。
貴様の裏切りを絶対に許さんと言う彼の左手甲に紫色の結晶が輝きだし、装着を果たす。
ファングソードを用い、同じく装着したシャークと切り結ぶ。
そこへセイザーXが合流。  撤退するジャッカルは首を洗って待っていろと吐き捨てる。


何故ジャッカルはシャークを狙うのか?レミーたちの問いに答えず立ち去るシャーク。
シャークとジャッカル。二人の因縁も絡み合い
未来の戦いは更に複雑となっていく。


【レビュー】

ジャッカルが2005年の地球へやって来る。
ここで未来でのシャークとの因縁が提示されるかと思いきや、今回は顔見世程度。
さらにシャークは宗二郎に何かを依頼するなど、シャークを中心としたドラマ及びストーリー展開も行われており、ここ3話は見どころに事欠かない。

ブレアード自身、レミーの視点・・・ どこに行っても浮いていて、寂しいんじゃないの?と
問いかけられたあたりで、ブレアードそのものの揺らぎも見られる。
考えてみればデスカルの頃からやる気はあっても空回りして暴走している彼には
その努力の空しさもあってか、どこか哀愁を漂わせるところが目立っていた。
そんな彼だが、次回以降は更に立場がめまぐるしく変わっていくこととなる。

今回、途中で太巻を作っているシーンがあるが
本放送当時はこの回、節分近くに放送されていた記憶があるため時節ネタを取り入れたものと思われる。
第十三話のクリスマスパーティーといい、前二作にはなかった要素であるが、他社作品ではちらほら散見されたものでもある。


殺陣について。
第十六話でも見られたが、今回はライオの飛び膝蹴りに注目。
今回はさらに空中前転しながらの飛び膝蹴りなど、この時点でのヒーロー物では稀少な攻撃を積極的に取り入れている点は特筆に価する。
しかもカメラワークもその飛び膝蹴りをしっかり見せようとしており、ポイントは高い。

普通、東映をはじめ松竹などの他社作品ではいわゆる「ライダーキック」的飛び蹴りのほうが主流となっており
本シリーズでもグランセイザーでたまに見受けられたアクションでもあったが、確かにそっちのほうが見栄えはいい。
#ジャスティライザーでは敵側が使っていた。
本作ではライダーキックの要領で飛び膝蹴りを放っており、これはキックボクシングやK-1でもごく稀に見られるタイプの飛び膝蹴りであった。

飛び膝蹴りはアクションコーディネイター側の指示か、新上氏の発案かわからないが
とてもよく合っている技だと思う。

また今回もガイファードを思い出させるようなピアースのアクションスタイルも必見。
グランセイザーでは「電脳警察サイバーコップ」を観ていたファンへのサービス的側面もあった
(沖田やカリン、澤村の三人はサイバーコップ出演者)
が、今作はガイファードのファンがちょっと目を見張るようなアクションでのサービスがあり
東宝側の、目立たない部分でのファンサービスが面白いところだ。
そういえばグランセイザーでも拳王流の道着が出ていたな・・・。


【特撮の見どころ】

・装着するジャッカル
・ジャッカル退散

全てVFXによるものではある。
今回登場したジャッカルだが、セイザーX同様グランセイザーのスーツデザインの延長線上にあるデザインである。
#ジャスティライザーで言えばガントが該当。

彼の装着シーン自体、バンクではなくグランセイザーのような合成であり
装着ポーズに至るまでグランセイザーっぽい点が目を引くが、気づいた視聴者はどれだけ居たのだろうか?