2014年12月29日月曜日

ジャスティライザー・第七話

第七話「危機!ハデス復活計画」

[敵幹部:ドクターゾラ]
サイバーナイト・アーマーガンナー登場

監督:鹿島勤  脚本:稲葉一広


<ノルンと天堂家>

冒頭。古文書をひもときながら
「天堂家は450年前、ノルンを手助けしたことでジャスティライザーの力と秘密を託された」
と澪が語る。
クリスタルを手に持ちジャスティライザーの「勇・智・仁」の力について触れた上で
ジャスティパワーは地球自身の意思であるとも述べる。
もっとも澪もそれについては明確な答えを持っていないようだが。

一通り話が終わったと思いきや、巨大なメカが街中を破壊しつつ移動。
気づいた五人は、そのメカが向かう場所へ先周りし公園のような小高い丘へ。
装着してザコールを蹴散らし、ガントが丘の上へたどり着いたその直後メカが現れ
丘にあった柱を破壊・飛び出した石版をも砕いてしまう。
その状況を見るやライゼロスを呼ぼうとするもメカはすぐに消え去ってしまった。

カイザーハデスのアジトでは、そのハデスを囲っていた光の一つが消え去ったの見たゾラが
「ノルンはステラアレイを使って封印していたようだ」とつぶやく。
それは、規則的に配置されたステラプレートによって生み出される特殊なシールドだと言う。
地球破壊によってカイザーハデスの復活を目論んでいたらしいゾラだが
封印の原理を知りその目的を変更。ステラプレートの全破壊をサイバーナイト・アーマーガンナーに指示する。

伊達電器店では、なぜ澪がジャスティライザーの諸々を知っているのかについて
翔太たち3人が問い詰めるのだが、それについては説明できず黙り込んでしまう澪。

場所はまた変わって海岸近く。
ユカは自分に降ってきた使命・・・ジャスティライザーとして地球を守る使命を果たすために
ラクロス部を辞めることを翔太に告げる。
そのせいで部活を辞めるなんて言い訳みたいで良くないと翔太は言うのだが。
しかしユカ自身もどっちつかずで居る事については内心思うところもあり、相談は物別れに終わる。
別れ際、「彼女でも何でもないんだからユカって気安く呼ばないで」と言い残し去っていく。

<ステラプレートのひみつ>

(おそらく)翌日。前回の巨大メカが破壊した柱には立ち入り禁止の柵が。
その中に真也が入り込み、柱の破片を眺めているとそこに一人の男が現れる。
真也との話の中で、柱に埋められた金属板はヒヒイロカネと目される宇宙からの金属であるという
ことが語られる。
男は郷土史家・深川。彼からその写真を借りて、翔太と合流。
メカの狙いはその金属板・・・ステラプレートにあると推測する真也。
では、と翔太が今度は自分が調べてみると飛び出していく。
どうも抜け駆けをされたと感じていたようだが・・・。

そんな二人を伊達電器店で待っていたユカ。
二人とも独自に調査をしていのだろうと澪がフォローするが、私もチームの一員なのに、と不満気。
源太郎がお茶を持ってきて女性陣3人に
「人の心は行き違いすれ違いの連続だけどねぇ、そうやってだんだん近づいていくもんだよ」
と、しみじみ語る。 微笑みながらうなずく澪。

都立聖台高等学校(翔太とユカの学校)のバス。
ここにはラクロス部の試合のためにユカ他部員たちが乗り込んでいた。
理緒たちと試合前の打ち合わせなどをしつつふと車窓に目をやると翔太が対向車線をバイクで疾走する。

とある野原にて、巨大メカに破壊された柱と同じものが中心に見える。
翔太が駆け寄ろうとすると既にザコールによって取り囲まれていた。
後から到着した真也に、自分とユカが合流するまで待てと促されるも
「ユカは部活の大事な試合があるから、俺たちだけで片付けないと」とユカの合流を拒否。
それをこっそりインローダーで聞いてたユカ。 表情に迷いが見える。

<ユカもジャスティライザー>

翔太が遠くから柱の様子を伺っていると、それに気づいたザコールにより攻撃される。
装着しザコールと戦うグレン。アーマーガンナーまで加勢し状況は不利に。
しかしガントが無事に合流し、柱のもとへ去っていったアーマーガンナーを追う二人。
そんな二人を案じ、バスを停めてもらい二人の下へ合流しようと駆け出すユカ。

柱に埋め込まれたステラプレートを破壊しようとするアーマーガンナーへ攻撃するガント。
そしてプレートを守るべく柱に駆けつけるグレン。
しかしガントスラッガーのエネルギーが切れたところをガントが倒され、
さらにザコールともつれ合っている中を、不意打ちでダメージを負ってしまうグレン。

そこに駆けつけたユカは翔太の名前を絶叫し、アーマーガンナーへ振り返り装着。
カゲリダガーを受け止められてしまうが、アーマーガンナーの背後にはグレンが。
二対一になるもその防御力と火力を崩しきれない二人。
その背後をガントスラッガーで攻撃し援護するガント。エネルギーチャージのために倒されたフリをしていたようだ。

ファントムクラッシュ、そしてブレイジングフレイムを叩き込まれるアーマーガンナー。
倒したと思いきや、ブレイジングフレイムが当たる直前にドクターゾラが現れ防御。
鎧を身にまとい再登場したその姿に驚くグレン。
お前達の力で私を倒すことは出来んと見得を切り、アーマーガンナーと共に消え去る。

戦闘後。自分だけ仲間はずれにしようとした翔太と真也をたしなめるユカだが
翔太もラクロス部の試合どうしたんだよ?とやりかえすと
それに気づいたユカは翔太にバイクで送らせようとする。
そんなふたりを見て苦笑いを浮かべる真也。

2枚目のステラプレートが破壊され、順調に封印が解かれつつあるカイザーハデス。
果たしてジャスティライザーは残りのプレートを守ることが出来るだろうか?


【レビュー】

ステラプレート編とでも言うべきかどうか迷うシリーズのスタート。
作中でも語られたように、これはノルンがカイザーハデス封印のために用いたシールドの力の源とでも
言うようなプレートであり、すべて破壊することでカイザーハデス復活を目論むゾラと
一方でゾラたちがなぜそれに拘るのか解らないにせよ、プレートを守るというジャスティライザー
という構図が明示された回となる。

こう書いてみると、割とベタな「封印された敵のボス復活のために暗躍する敵チーム」と「それを阻止するヒーローチーム」なのだが、全体的に緊張感が薄い。
これは、カイザーハデスそのものが復活することで地球にどういう脅威をもたらすのか
そういう部分が明示されていないところがそもそもの問題のようだ。
普通このギミックなら、敵の目的が果たされたらこういう危険がありますよという部分が語られそうなのだが
ただ「復活させる」だけが話のベースになっているような印象を与えてしまっている。

一方キャラクタードラマについては翔太とユカがやや接近していく話であり、
どことなく爽やかな青春ドラマ的雰囲気も醸し出している。
これは最初に下の名前で呼ぶなと怒ったものの、後半はっきり下の名前で呼ぶようになったユカを見ても解るとおりではある。
のだが、やっぱりヒーロー物として考えるとやや細か過ぎの感もあるし、
それ以上に割合早くケリを付けたのは、キャラドラマ上の注目点を自ら放棄したように見える。
#ここは、同時期の「特捜戦隊デカレンジャー」のバンとホージーが好対照になってしまっている。
#もっとも、デカレンジャーは男同士で同僚(もっと言えば「相棒」という呼び方に拘ってるだけ)、
#ジャスティライザーは同じ高校の少年少女なので意味合いにニュアンスが生じてしまっているが。
#同じ東宝作品だと「電脳警察サイバーコップ」の武田と北条の間柄の変化もあるがこっちも時間はかかっていた。

そして演出。
今回はシーン転換が急過ぎる。 前半部の伊達電器店から海岸での翔太とユカ、
その後破壊された柱のある丘へ、さらにまた伊達電器店から今度はラクロス部の試合へ行くバスなど
全体的に今回はシーン転換がぶっきらぼうで、いまいち見ていて乗り切れない。
後半部は戦闘メインなのでそこまで気にはならなかったものの、相変わらず
要らない所でスローがかかるなど、本編・アクションともに演出の部分のチグハグさが目立つ。
前半で言うと澪がジャスティライザー3人に、ノルンと天堂家の秘密とジャスティライザーの力を語る部分でも
それまで港で会話していたのが急に公園に移動してしまっているなど、イメージ先行の演出がアダになってるきらいもある。

そして肝心のステラプレートだが・・・。


【特撮の見どころ】

・巨大化して破壊活動を行うアーマーガンナー
・倒されて消えるザコール

上は、逃げる市民たちを合成してそれっぽさを出したりして怪獣ものの雰囲気を残しつつ
地割れを起こすシーンなどで、短いながらも特撮をぞんぶんに披露。
下のザコールが消えるカットは、グレンを囲う五人のザコールがガントスラッガーの不意打ちで倒され消滅するというものだが
ガントスラッガー当たる→リアクションして倒れる→光りつつ消滅 を1カットで、カメラを引いて最後まで見せていた。

わりと感心したのは、
光がわりと落ち着いてる(全体が一瞬光らずに、ザコール周辺に淡い光が放たれてるだけ)のと
こういうカットのときよくある、「倒れた敵」と「敵が消えたあと」のカットを繋ぐということをしていないように見える。
ではザコールはCGなのか?と思ったがちゃんと着ぐるみが動いているようだし
(影を見ていれば解る)
倒れた後の影なんかもちゃんと消しているようなので、随分手間のかかる合成をしているようである。