第十四話 「秘策!敵を欺け!」
[幹部:ドクターゾラ]
サイバーナイト・ラジメウス、ガンデロン登場
監督:石井てるよし 脚本:天沢 彰
<父親の情>
病院。源太郎がここに運び込まれていた。
医者からは2日もすれば退院できるだろうと、その容態はさして問題ないことを告げられる。
安堵する一同。
翌日の病室では、源太郎が翔太にたいして何故ジャスティライザーだったことを隠していたのかを
問い詰めると、うまく説明が伴わないのかしどろもどろになる翔太。
しかし、源太郎は「人様の役に立っているのか」とつぶやき、それなら堂々としていればいいじゃないかと翔太を励ます。
そんな一部始終を病室の外で聞いていた真也とユカ。真也は「あれが父親というものか」とつぶやいてその場を後にする。
退院。翔太と源太郎がじゃれあいながらバイクで帰宅する最中、ラジメウスが三度目の奇襲。
真也たちに源太郎を預け、一人で戦う翔太。
水に気をつけろという真也のアドバイスを受けるが、いまいち飲み込めていなかったようだ。
しかし、水溜りをつかった分身と本体の足元を見て気づいたのか、本体めがけてブレイジングフレイムをたたきこみ勝利する。
伊達電器店へ帰ると、アドバイスがよく解っていなかった翔太と
前回の戦いで水溜りに警戒していた真也との対比で、いいコンビだと評する澪。
だが、戦いはプレートを守るだけの一方で進展が見られない。そこで源太郎が何かをひらめく。
<敵を欺くには>
神棚に隠したプレートを入れたバッグを翔太に渡し、作戦が開始される。
どうやらわざとプレートを持ち出して敵をおびき出しつつ叩く作戦のようだ。
その道中、サイバーナイト・ガンデロンが登場し真也が応戦。
翔太とユカがプレートの入ったバッグを真也に預け、先を急いだ。
その二人が来た工場では、ゾラが待ち構えていた。
装着して応戦するのだが、少し戦っただけでゾラは二人がプレートを持っていないことを察し退却。
おびきよせ作戦を見破られる形となった。
一方ガントはガンデロンとの戦いで追い詰められていく。
エネルギーが切れるガントスラッガー。 やむを得ずエネルギーチャージをしつつわざとガンデロンの前に出て行く。
そこへグレンとカゲリが合流し、戦況は逆転するのだが・・・
ガントとガンデロンが空中で激突した瞬間、プレートを入れたバッグが落下・破壊される。
スキが生じた一瞬を見てバーサスカノンを放ち、ガンデロンを撃破したが・・・。
伊達電器店へ帰ると、おびき寄せに失敗したことで意気消沈する三人。
そんな中、源太郎が真也へプレゼントを渡すとそこにはプレートが。
最初からプレートは源太郎が偽者に摩り替えた上で三人に作戦行動させていたのだ。
その日の晩、食事を翔太が作ろうとするがまな板がないことで何かを察する。
一方。真也は一人帰途へ付こうと電器店から出て行こうとする。
メシは食わないのか?と声をかける源太郎に、いずれまたと返す真也。
夜空を見上げるとそこには満点の星空が広がっていた。
【レビュー】
これまたオーソドックスな、敵をだますという作戦。
ただし、実はプレート自体は最初から偽者をずっと翔太たちに持たせていたこともあってか
なんとなく話の動きが弱い。
むしろ今回の注目点はキャラクタードラマ、特に真也のドラマが展開しかかっていることに注目するべきか。
今回は特に、父親という存在についてなにか思うところのありげなシーンと
ラストにあえて晩御飯に付き合わずに帰ろうとするシーンが特徴的と言える。
実は、前回序盤の源太郎が食事を持って現れたあたりでも食事シーンはあったのだが
このとき真也は居なくなっていた。(その直前で、プレートを前に考えこんでいたシーンには居た)
また、前々回ではユカと別れる広之を見て「ユカに母性を感じたんだろう」と評するなど
真也と家族という側面が、キャラクタードラマ上クローズアップされていきつつある点は見逃せない。
今回巨大戦がない分、二体のサイバーナイトが登場するという展開だが、
攻撃をかわす際などにスローモーションを長く入れる(コマ落としながら)など、相変わらず
殺陣の演出はモタモタしてしまっているのは残念ではある。
【特撮の見どころ】
・なし
今回と前回で、グレンとカゲリの装着バンクを同時に見せる際の演出に変化が見られる。
それまでは二分割で見せていたのだが、ここでは1画面内で順々に切り替える形式になっている。
個人的には悪くない見せ方だと思うが、このパターンはあまり用いられることがなかった。