2014年12月31日水曜日

ジャスティライザー・第二十六話

第二十六話 「蒼き星の勇者、再び・・・」

[幹部:ゼネラルバッカス]

監督:鹿島 勤    脚本:浦沢義雄


<ジャスティパワーの謎>

冒頭。ハデス戦艦ではハデスがゼネラルバッカスへ
シロガネとジャスティパワーの秘密を暴くよう指示を出す。

一方、気絶した澪を取り囲む一同。
翔太や真也がシロガネの力にすっかり気を良くしてしまっている。
だが、ユカだけはどうにも腑に落ちない様子。

翔太が外に飛び出し、ハデスやバッカスなんかやっつけてやる!と息巻くと
直後にバッカスが登場する。
通信で他の二人を呼び出している間、ザコールたちと戦うグレン。
やがて合流したカゲリとガントだが、三人揃ってもバッカスには太刀打ちできず。

そこで三人心を合わせてシロガネに変化しようとするのだが、二度試みて二度とも爆発して終わる。
やがて呆れたバッカスの攻撃を浴び、一時撤退を余儀なくされる三人。
一体何が足りないのか、それは・・・。

<ジャスティクリスタルの謎>

澪はまだ眠り続けていた。
どうやら前回を鑑みるに、ジャスティクリスタルがなければシロガネに変化できない。
だがジャスティクリスタルは澪の持ち物であり、澪自身の精神力も必要であった。
だから澪は精神力を消耗して倒れたのだろう、と真也が分析する。

川では、源太郎と健一が釣りに出かけていた。
澪が休めるように心遣いをしていたのだが、給料が安いなどと他愛もない話を続けていると
ゼネラルバッカスが源太郎を狙ってやってくる。
健一に翔太を呼ぶように指示をしつつ、源太郎が相手をしているのだが。

伊達電器店まで戻った健一によって三人にも状況が伝わるところとなり、
急ぎ合流するジャスティライザー。
しかし三人揃っても先ほど同様で、やはり手も足もでない。
そのうち源太郎を何処かへ連れ去り、今度は束縛して炎の前に立たせる。
どうあってもシロガネを出そうとたくらんでいるようだ。

やがて、澪が目を覚まし麗香とともに三人のもとへ駆けつける。
そしてシロガネへと変化を開始しようとするのだが、不完全な状態で変化しきれない。
ジャスティパワーの生み出した波動をそのままバッカスに打ち込み、異次元へ飛ばすグレン。

ハデス戦艦へそのまま帰っていくバッカスだったが、その身にまとったジャスティパワーをハデスが吸収。不敵に笑う。

一方ジャスティライザーと澪は再び倒れこんでしまった。
シロガネが完全な形で現れるのは何時の日になるだろうか?


【レビュー】

シロガネの謎を解こうとするバッカスとハデスを軸に話が進む。
と同時に、シロガネになるための必要な要素が提示される回でもある。
つまり、ジャスティライザー三人とジャスティクリスタルだけでもダメで、さらに澪自身も必要となる。
そのため、何度も頼るわけにはいかないのだろうと真也が本編で危惧している。

このシロガネ、本放送時は度々「爆竜戦隊アバレンジャー」のアバレマックスと酷似していると言われていた(今も言われている)のだが、
アバレマックスとの最大の違いは「澪が必要」であるという点。そのためシロガネの登場回数は
アバレマックスのそれと比べても少なめである。
もっとも、シロガネに頼らなくても割となんとかなっている点が本作とアバレンジャーとの相違点か。

さて、今回は前回のように「東映ヒーロー物風演出」からは若干脱却しており
いつものジャスティライザーというか東宝作品的な演出に戻っている。
#このブログでも度々特徴として挙げて来た「引きの映像」「長いカット」といった点
後半のバッカス戦で、バックにナパームが炊かれるところに名残があるくらいか。
もっとも前回も今回も同じ鹿島監督のメガホンによるものなので、一度浦沢氏の作品を演出した後に
鹿島監督自らがアジャストしたと見るべきだろうか。

その演出が戻ったことで、何処と無くシュールなシーンがより際立っている点は面白い。
釣りの最中に襲われる源太郎や、伊達電器店へ走って戻る健一、源太郎を助け出そうとするグレンたちなど
引きのカメラで長く見せているせいで、東映作品以上にコント風味が強く出てしまっている。
もっとも東宝側は狙っているようにも見えないので、天然でそうなったと見るのが自然かも。

さて、いずれ書くことになる「中間総評・ゼネラルバッカス編」でも触れると思うが
この二本があるせいか、本作はよく「浦沢回以降明らかにノリが変わった」と評されている。
しかし、実際見返してみると確かに二十七話以降ギャグめいたノリが入るとはいえ、
実は浦沢回以前から徐々にギャグっぽさは流入してはいる。
たまたま浦沢回がこんな感じだったせいで、より色眼鏡で見られてしまっているのは皮肉なことだが・・・。

【特撮の見どころ】

・なし