2014年12月31日水曜日

ジャスティライザー・第十八話

第十八話 「燃えろ、必殺剣!」

[幹部:ゼネラルバッカス]
デストコマンド・ギルモンド登場

監督:石井てるよし     脚本:稲葉一広

<謎の男>

伊達電器店。
ブレイジングフレイムが破られたことでそれとなく麗香が皮肉を言うが
翔太はその場を繕うかのようにハラが減ったと外へ出てしまう。
出かけた先は神社境内。ギルモンドのスピードにあわせるために特訓を始めていた。
その様子を見ていた澪とユカだが、さらにその近くで黒ずくめの男が翔太を見つめていた。
翔太の特訓を見かけ、徹がやってくる。
どうしても隠し事をいえないんならもう聞かないけど、特訓には付き合うと徹。

一方、澪は真也と出歩いていたのだが街中で再び黒ずくめの男を見かける。
それを尾行した二人だったが、地下駐車場のような場所でフイに声をかけられてしまう。
男は自らを神野司郎と名乗り、「君たちの、味方・・・?」とつぶやく。
ステラプレートとステラアレイのことをよく知っていた彼を訝しがる真也と澪だが、突如ザコール襲来。
真也が装着して蹴散らすことに。

神社境内では、徹の投げるボールに翔太がブレイジングフレイムの構えで打つという特訓の最中。
しかし構えのせいで合わせづらいんじゃないか?という徹。
剣道のことは源太郎に聞けばいいんじゃないかとも告げたが、親父の力を借りずに勝ちたいんだときっぱり拒否する翔太。
そんな中、徹はチャンバラ映画で見かける居合い斬りなんかいいんじゃないかとアドバイスし
何かをひらめく翔太。

<新たなる炎刃>

伊達電器店では、神野のことについて考えをめぐらせる翔太以外の一同。
翔太はチャンバラ映画を観てヒントを得ようとしていたようだ。
味方にしてはもったいぶり過ぎじゃないのか?とユカ。
そのあたりの結論を出すのは早いだろうと、しばらく様子を見ようとする一同だったが。

しばらく後、翔太はバッティングセンターで150km/hのボール相手に居合い斬り風フォームで
打ち上げようと特訓を重ねている。しかしやはりムリがあるのか空振りを続けてしまう。
誰かを守るための剣道。そのためにはもっと強くならなければならない。
徹にそう語る翔太。

一方ユカと真也は、翔太が来ているだろうと神社境内へおとずれるのだがそこには居なかった。
神野は恐らく翔太にも接触しようとするだろう、そう見込んできたのだが。
居場所はわからなくても、いずれ強くなって帰ってくるだろうと真也は言う。
その上で、ギルモンドが襲ってきたら自分たちで時間を稼ごうとユカに告げたが・・・
そのギルモンドが現れる。装着して立ち向かう二人。
それを見つめる神野。

バッティングセンターでは、翔太が何かをひらめいたのか
バットを逆手に持って振りぬくと今度は打撃に成功する。
いつの間にかきていた神野により、二人がピンチだと告げられ急ぎ神社へ合流する翔太。

二人は圧倒的なギルモンドの攻撃により装着まで解除されてしまい倒れる。
その直後に翔太が駆けつけ、グレンへ装着。
再びギルモンドが斬りかかってくるところを、グレンソードを逆手で構え迎撃。
そのままで新必殺技・スラッシュブレイザーを放ち勝利を得る。

戦闘後、装着を解いた状態の翔太たちと合流した徹と談笑。
何も無ければそれでいいや!と徹。
そんな一同を、またも神野が陰から見つめる。
彼の正体は一体?


【レビュー】

グレンの新必殺技・スラッシュブレイザー初披露回。
逆手に持った状態で横一文字に降り、青い斬撃を浴びせるものだ。
背景のVFXもよく見るとブレイジングフレイムとは違う点も細かい。

話としては翔太と徹の和解と、上記必殺技を編み出すというのが軸だが
一方で新キャラクターとなる神野司郎の初登場回でもある。
彼はこの時点では「ジャスティライザーの味方?」と、「?」を自らつけている。
今後はストーリーのもう一つの軸として機能することになる神野。
彼は今後ジャスティライザーにどのような影響を及ぼすのだろうか?

前回と今回で描かれた「腐れ縁」の翔太と徹の友情物語も、くどくなりすぎない程度に
しかししっかりと描いている点も評価できる。
前回は「隠し事をせずになんでも話すのが友達だろ?」というこだわりから険悪になっていく二人だが
今回、それでも長らくの友達付き合いから生じた絆を徹が選んだことが伺える。
前半部の、翔太の隠し事については不問とした徹の台詞にもそれは現れている。

いくら友達とは言え、言えないことは誰にでもある。
こんなことは現実でも、視聴者は誰でも大なり小なり抱いていることであり、共感を呼ぶ部分だ。
まして翔太にしてみたら「ジャスティライザー」という、ヘタをすれば自分の周囲の人間にも危害が及ぶ秘密を
そう軽々しく話せるわけも無いだろう。
ここは、ジャスティライザーである自分と理緒や麻美といったラクロス部の仲間やラクロス・・・
つまり「普通の女子高生」である自分との狭間で悩む描写が目立つユカとは少し異なる部分であり
今回はそんな「ジャスティライザーであることを選んだ翔太」の葛藤劇とも言える。

さて、今回の特訓シーンはそこまで大掛かりなものを準備しない中での特訓となる。
剣道用と思しき打ち込み用の道具に、徹の投げるボール、そしてバッティングセンター。
このあたりも常識的な範疇での特訓に収まっていて、微笑ましい。
こうした描写にも見られる、ほかのヒーロー物にはない「現実的な空気感」が本シリーズの特色とも言える。


【特撮の見どころ】

・なし

ないが、ギルモンドとの決着の際にグレンソードとダブルセイバーがそれぞれ刃に沿って光を放つVFXが中々芸コマ。
恐らく現場でも、剣の部分に光を強めに当てて、可能な限りプロップの素材を感じさせない工夫をしているように思えるがどうなんだろう?