2014年12月31日水曜日

ジャスティライザー・第二十話

第二十話 「追憶、守るべきもの」

[幹部:ゼネラルバッカス]
デストコマンド・デスタラン登場

監督:鹿島 勤    脚本:上代 務

<親子の隔絶>

冒頭。科学技術省内で一組の夫婦がライゼロス他のデータを閲覧していた。
彼らは平賀博士と呼ばれていた。

一方、大学内で神野と会う真也。
ハデスの手がかりを調べていた真也。ハデス打倒の手がかりを探していたのだが
そんな真也を神野は「なんのために君は戦っているんだ?」と問いかける。
その問いかけが頭の中から離れない真也。
伊達電器店で翔太たちに何故戦うのかたずねるも、答えが見出せず飛び出す真也。
続いて澪と麗香も追いかけていく。

真也が橋でたたずんでいると突如黒い車が横付けしてくる。
黒服の男たちに促されて、別の場所を見やるとそこには真也の母が。先ほどの科学技術省内で
幻星神のデータを閲覧していた夫婦でもある。
しかし、俺に母親は居ないと怒鳴りその場を立ち去ってしまう。

科学技術省では、真也の父こと平賀博士がつぶやく。
だから逢わないほうがいいのだと言ったのだ。我々が捨てたのだから今更あったところで
お互いに傷つくだけだろう、とも。
母はなお未練を残した表情を浮かべる。

ロボットの石像のある湾岸公園。
ここでは真也と澪が自分たちの身の上を言い合う。
5歳の頃に両親に捨てられた真也と、幼い頃に両親を飛行機事故で喪った澪。
そうしたやりとりの最中、復活したデスタランが奇襲を仕掛け装着。

遠距離からの狙撃により一方的な回避を続けるガントだが、そのうちデスタランが接近してきたため
ガントスラッガーをスナイパーモードに変形させ狙撃・撃退に成功する。
再度ハデス戦艦へ収容されるデスタラン。その様をゼネラルバッカスになじられる一方
カイザーハデスからはもう一度チャンスを与えられることとなった。

<親心子心>

伊達電器店バックヤードでは、真也の母が澪たち女性陣3人に対して真也との間柄を打ち明ける。

自律思考型ロボットの研究で国際的に知られるようになった平賀夫妻だったのだが、
その研究は当然他国も狙っており、それは命すら狙われるような事態まで発展しつつあった。
日本政府は夫妻の安全を確保するべく国外へ逃亡させることとなったのだが、
その時点で幼い真也を連れて行くのは危険であると判断し、信用できる知人に預けたのだと。

自分たちの身柄は政府に管理されており、また別の場所に行かなくてはならないため
真也とは会わずに帰ろうとする母。 一方で友達に恵まれていることで真也については心配していないと言うが・・・。

そうした一部始終を聞いていた源太郎は、翔太たちが見守る中海岸沿いでたたずむ真也を殴り飛ばす。
父親として、一人で翔太を育ててきた源太郎にとっては真也の母親には感じるものがあったようだ。
親にとっては子供の成長が何よりの楽しみなんだ、なんで一言元気ですっていえないんだよとつぶやいて、その場をヨロヨロ立ち去る源太郎。
翔太たちがうずくまる真也に駆け寄る。


<守るべきもの>

翌日、ロボットの石像のある海岸公園へ両親を呼び出す真也。
ここが自分の唯一の、家族の記憶があった場所だと言いながらも、両親に恨み言をぶつける真也。
父はそれを憮然とした表情で皮肉を言い返すが、真也は激昂。
分かり合えると思った俺がバカだったとすら言い放つが、その直後に三度デスタランが奇襲。
父めがけてボウガンを放ち、それが胸へ突き刺さってしまう。

直後にグレンとカゲリが登場しデスタランを引き離す。
父の元へ駆け寄ると、胸には真也が子供の頃に作ったロボットの人形があった。
これが、ボウガンから守ってくれたのだ。
父とのわだかまりが若干解けかけたところで、真也はグレンたちの元へ。

デスタランはファントムクラッシュを受け絶体絶命のピンチに追い詰められたが、突如空間を捻じ曲げて
ゼネラルバッカスがジャスティライザーの前に立ちふさがる。
バッカスの相手をグレン、カゲリが務めるが自由自在に飛び回る剣に翻弄され、
さらには蹴散らされてしまう。

一方のガントはデスタランに捕縛され、体を固められてしまう。
ゼネラルバッカスに自分もろとも倒せと叫ぶが、ここで死ぬわけにはいかないと絶叫するガント。
バーサスカノンにより束縛を解きつつデスタランを撃破する。

頭脳と度胸を見込んだバッカスによって勧誘されるガントだったが、
お前たちの野望を打ち砕いて見せると拒絶。 次に逢うときが楽しみだと言い残して去っていくバッカス。

戦闘後、両親を見守る真也。 その表情は晴れやか。
車を見送ってから翔太たちが合流し、自分の戦う目的は家族や友達といった大事な人を守るためにある。
この地球に住む人々も自分の家族だと思えば、彼らを守るために戦えると決意。
その目の前にはいつの間にか神野がいた。
神野はよく覚えておくと言い残し立ち去る。
三人はまた、戦う理由が固まり団結を新たにしたのである。


【レビュー】

真也メイン回。今回は真也の身の上がドラマの軸となっている。
ここでは澪と真也の、境遇の若干の共通項が提示されつつも
翔太の父親である源太郎と真也との対比も描かれている。
本作前半は割と手を上げることがおおい源太郎だが、今回については親に対して壁を作る真也に対して
一人の親として説教する源太郎が目を引く。

とりわけそのシーンでは、ほぼ引きのカメラで1カットを長く見せている点も、さらに印象を強める効果を上げている。
よくこのブログではそうした画作りが東宝の特色であり、場合によっては欠点とも指摘しているが
このシーンについてはむしろ、ヘタにウェットになりすぎない演出となっており
引きのカメラ+長回しという画の利点が巧く出ている。
#普通はそういうシーンだと言い合う二人のアップで見せきろうとしちゃう傾向があるので。

一方で戦闘についてはあまり見どころがない。やはりデスタラン自体が遠距離攻撃タイプな上に
今回については特に同じ舞台で二回も戦闘に入っているのが、印象の弱さを助長している感じだ。


【特撮の見どころ】

・遠距離から攻撃するデスタラン

合成である。
のだが、客船の屋根などに乗っている際に影や映りこみを可能な限り描いており
本当に地味ながら、可能な限り「有り得る姿」を描こうとしている点は好感が持てる。