2014年12月29日月曜日

ジャスティライザー・第八話

第八話 「出現!幻星神ジュウライザー」

[敵幹部:ドクターゾラ]
サイバーナイト・アーマーガンナー登場

監督:鹿島 勤    脚本:稲葉一広


<戦いのわけ>

冒頭。伊達電器店。
麗香は澪を連れて星神島へ帰るつもりだったのだが、澪は翔太たちのいる東京に残ると言い張る。
天堂家としての役割は終わっても、自分自身の役割はまだ済んでいないと言い張る澪。
あくまで翔太たちジャスティライザーと共に戦うつもりのようだ。

真也は自宅で、ステラプレートの情報を集めている。
古代遺跡を紹介するサイトを覗いていると、ステラプレートによく似た板のある遺跡を見つける。
場所は三日月湖。早速翔太とユカを引き連れる真也だが、
ゾラたちの目的が解らない以上慎重に、効率のいい戦いをするべきだと提案する真也に対して
降りかかる火の粉は払っていけばいい、戦うのが怖いのかと詰め寄る翔太。
話が平行線を辿り、翔太はユカとともに立ち去る。

その分かれた瞬間を見逃さないゾラは、ザコールを使って二人を襲わせる。
ザコールを蹴散らすのだが、その様を見た真也に怒鳴られる翔太。
ザコールを捕まえて問いただそうとでもしていたのか、手がかりを無くした事で怒りを隠せなかったようだ。
その二人と別れ、今度は澪と直接三日月湖の遺跡へ行こうとする真也。
ステラプレートを直接澪に見せることで、澪の記憶の奥底に眠る情報をひきだせるかも、という推測を
パソコンを用いたたとえで澪に語る。

三日月湖遺跡。
澪は、真也が自分のことを信じてくれるのかと思ったが
その真也は「正確な情報を知らないまま勝手に戦う道具にされるのは御免だ」と言う。
自分がなぜ戦っているのか、戦う相手は何なのかを見極めたいのだろう。
そんな会話のさなか、ザコールとアーマーガンナーが遺跡発掘チームを急襲。
急いでインローダーで他の二人を呼び出す。

湖からはアーマーガンナーの狙撃が、そしてザコールがテントなどを襲う。
ガントの攻撃をかわしつつ、遺跡発掘チームの居る地点へ移動・プレートの破壊に成功する。
やがてジャスティライザー三人が揃い、ファントムクラッシュを叩き込まれるアーマーガンナーは
奥の手とばかりに巨大化し三人を襲う。

<第二の幻星神>

ライゼロスを召還し、いよいよ巨大戦。
ケンライザーで戦おうとするグレンだが、ガントはケンライザーでは距離をとった相手との戦いは不利と分析した上でライゼロスで戦うべきとアドバイス。
しかしエンオウを呼びだし、結局ケンライザーでの戦いに。

ガントの予想通り、アーマーガンナーは距離をとっての遠距離攻撃で
ケンライザーを全く近づけないどころか確実にダメージを与えていく。
攻撃を喰らい続けるケンライザーを見て麗香と澪が不安げに見つめるが・・・。

ふと、ガントは澪が見せた古文書の絵を思い出す。
星神獣・コウキの存在のあった絵を。それに気づいてコウキを呼び出すガント。
コウキ出現と同時にケンライザーの合神が解かれ、続いてコウキとの合神へ移る。
そうして――――――   幻星神・ジュウライザーが誕生する。

ジュウライザーは圧倒的な火力と防御力によりアーマーガンナーを追い詰める。
必殺技・サンダーバーストを叩き込み撃破に成功した。
ゾラも幻星神の新形態には意表をつかれた様だが、それでもステラプレート破壊数は3つに増え
更なる戦いの激化が予想された。


【レビュー】

第二の幻星神、ジュウライザー登場回。
近接攻撃主体のケンライザーと違い、中遠距離攻撃に特化した幻星神となる。
しかし実際はその馬力も相当のもので、それは本編でも接近戦でアーマーガンナーを
腕で振り払った際に吹き飛ばされていったアーマーガンナーを見ればよく解る。

キャラドラマ面としては、真也の科学者的側面が強調された回であり
パソコンを使っての澪へのたとえ話や、戦う理由以前の問題・・・「情報もない状態で勝手に戦う道具にされたくない」という発言
そして翔太とは正反対の、まず周囲の状況や相手の情報を確認したうえで行動するべきという
慎重な態度に、真也のキャラクター性がにじみ出ている。

とりわけ「情報もない状態で勝手に戦いの道具にされたくない」というドライな考え方は
2000年代前半のヒーロー物(というか東映作品)が大人のファン向けに提示しようとしていた
「戦う理由づけ、または戦う理由のドラマ」とは一線を画した価値観として特筆されるべきだろう。
思うにこういう方向で東宝ヒーローを作っていけば、全く違うヒーロー物の風景が
展開されていたんじゃないかと思うが、言い過ぎだろうか。


【特撮の見どころ】

・三日月湖でのガントVSアーマーガンナー
・ジュウライザーVSアーマーガンナー

アーマーガンナーは、やはり巨大化するものの巨大時は通常時とフォルムが異なるというのも
モルギレス同様であり、このあたりはいいアイデアだと思う。

上は、湖上をスキーのように滑りながら戦うアーマーガンナーの合成がややチャチな印象もあるが画的には悪くない。
また三日月湖での戦いはワイヤーアクションを存分に見せているのもポイント。
ただ、カゲリがカメラのフレーム外上側から飛び出てくるカットは、カメラが引き気味だったせいか
ちょっとインパクトの薄い画になったのは残念。

下については特撮を存分に味わえる巨大戦。
ケンライザーとジュウライザーの得手不得手をうまく表現したいい戦闘である。
レビューでも書いたがガント(真也)が相手の特性を見極めたうえで戦法を考えるよう
グレンへアドバイスしていたりと、コクピット内でのやりとりもポイントが高い。